round 6

May 30 2010
IZOD IndyCar Series 2010 Indianapolis 500
第6戦 インディアナポリス
2010 INDY 500 Special
  • プレビュー
表彰台でカメラマンのリクエストに応え、2勝目を意味するVサインで喜ぶフランキッティ

2010 INDY 500 Special

第94回インディ500で誕生したすばらしい新記録に注目!

度目のインディ500優勝を成し遂げたダリオ・フランキッティですが、94回の歴史の中で2回以上勝利したドライバーとしては17人目。スコットランド出身のドライバーでは初めて2勝目を挙げたドライバーとなります。フランキッティ以前のスコットランド出身はちょうど45年前、1965年にミッド・シップのマシンで初めてインディ500を制覇したジム・クラークでした。

フランキッティは200周のうち155周もレースをリードする圧倒的な速さを披露し、チップ・ガナッシ・レーシングは3年連続で最多リード・ラップを記録。2008年は115周リードしたスコット・ディクソンが優勝し、2009年はフランキッティが73周リードしながら勝てなかったのですが(エリオ・カストロネベスが優勝)、今年は倍近くトップを周回して勝利を手中に収めました。

フランキッティにとって今年が7度目のインディ500だったものの、予選ではなかなか3番グリッドより上の位置を確保できず、実に今回が4度目の予選3位でした。前回優勝した2007年も3番グリッドからのスタートで、94回の歴史の中で見ると、予選3位が優勝したレースは11回目。ちなみに優勝が最も多いグリッドはポール・ポジションで20回、次が2番グリッドの11回だったことから、今回タイ記録が生まれたことになります。

前回、フランキッティが初優勝を遂げた2007年は雨に翻弄されたレースとなり、2度も中断された末に166周で成立。500マイルまで85マイルも足りない415マイルでフランキッティが優勝したのです。ということは、今回初めてフランキッティは500マイルを走りきって勝利したということで、本人もきっと満足でしょう。94回の歴史の中で、カーナンバー10が優勝したのも初めてのことでした!

  • HondaのIRL インディカー・シリーズ100勝目ドライバーとなったフランキッティとHondaスタッフHondaのIRL インディカー・シリーズ100勝目ドライバーとなったフランキッティとHondaスタッフ

100勝目をマークしたHonda Indy V8エンジン。2003年にIRLインディ・カー・シリーズへの参戦を開始したHondaは、この第94回インディ500で記念すべき100勝目を記録しました。1911年に始まったインディ500は、今年100年目のレースを成功裏に終えましたが、偶然にもHondaはこの2010年のインディ500で100勝目を達成したことになります。

  • 第94回インディ500で5年連続のエンジン無故障記録を達成したHonda Indy V8エンジン第94回インディ500で5年連続のエンジン無故障記録を達成したHonda Indy V8エンジン

年連続で達成されたのが、インディ500におけるHonda Indy V8エンジンの無故障記録です。94回の歴史の中で、1台もエンジンが壊れなかったのは、この5回しかありません。5月15日から2週間以上にわたって繰り広げられた今年のインディ500で、予選を通過できなかったマシンも含めて、プラクティスから決勝まで全車が4万6412.5マイルを走破。エンジンの故障がいっさいなかったのも、記録的なことと言えるでしょう。

  • これまでで最も後方の23番グリッドからスタートして6位でフィニッシュしたダニカこれまでで最も後方の23番グリッドからスタートして6位でフィニッシュしたダニカ

1137周は今回のレースでカウントされたダニカ・パトリックのインディ500における全周回数で、サラ・フィッシャーは今回1057周を記録。二人はリン・セント・ジェームスが保持していた女性ドライバーの最多走行周回数(947周)の記録を上回り、パトリックが現在における女性の最多周回ドライバーに。今回6位でゴールしたパトリックは、6回のインディ500参戦中5度目のトップ10フィニッシュとなりました。

  • 2005年のインディ500ウイナーであるウエルドンは2年連続の2位フィニッシュ2005年のインディ500ウイナーであるウェルドンは2年連続の2位フィニッシュ

年連続で2位フィニッシュしたチームがパンサー・レーシングで、2008年はヴィットール・メイラ、2009-2010年はダン・ウェルドンがドライブ。この3年間、チップ・ガナッシ・レーシングかチーム・ペンスキーのどちらかが優勝してきただけに、両チームがとても強い印象があるのですが、2位がペンスキーやガナッシ以外のチームというのは意外でしたね。

  • 想定外の展開で思いどおりの走りができず、納得できない表情の二人。インディ・ジャパンでの活躍に期待!想定外の展開で思いどおりの走りができず、納得できない表情の二人。インディ・ジャパンでの活躍に期待!

13,592,815ドルが今年の賞金総額で、優勝したダリオ・フランキッティは2,752,055ドル、2位のダン・ウェルドンが1,007,305ドル、3位のマルコ・アンドレッティは630,505ドルを獲得。日本勢は20位の佐藤琢磨が302,055ドル、武藤英紀は28位で315,305ドルとなっており、これほどの賞金が出るのもインディ500ならでは。武藤の賞金が多いのは予選トップ9によるセグメント2に進出(9位)したからで、ポイントも武藤が16、佐藤は15となっています。今回は思うように走れなかった二人ですが、次回はぜひ日本人の新記録を打ち立てて欲しいですね!