5月9日に出場者全員によるプラクティスが始まった第90回インディアナポリス500マイル・レース(Indy500)は、予選1週目が雨のためにキャンセルとなったが、予選2週目は見事な快晴に恵まれ、6時間という長時間にわたる戦いが繰り広げられた。Indy500に限り、予選アタックは1人につき最大3回まで行なえるルールのため、正午から夕方6時まで予選は開催された。
今日の予選前のプラクティスを含め、これまでに走行は8日行われたが、そのうちの7日で最速ラップを記録していたサム・ホーニッシュJr.(マールボロ・チーム・ペンスキー/ダラーラ)は、持てる実力をすべて出し切ってポールポジションを獲得した。Indy500の予選は他とは違い、4周の連続走行での平均スピードを競うが、ホーニッシュJr.は228.985マイルを記録し、2位となったチームメイトのエリオ・カストロネベス(マールボロ・チーム・ペンスキー/ダラーラ)に時速0.977マイルの差をつけて、キャリア初のIndy500でのポールポジション獲得を成し遂げた。
予選3位には、昨年のIndy500ウイナーで、2005年のシリーズ・チャンピオンのダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング/ダラーラ)がつけ、彼のチームメイトの2003年チャンピオン、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング/ダラーラ)が4位。2004年のシリーズ・チャンピオンであるトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)は5位のスターティング・グリッドを獲得した。
今年が3回目のIndy500挑戦となる松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/ダラーラ)は、インディでの自己ベストとなる7位に平均時速225.503マイルでつけ、昨日から急きょ走行を開始したロジャー安川(プラヤ・デル・レイ・レーシング/パノス)も、短時間のプラクティスで220マイル台までスピードアップを遂げ、予選アタックでは218.793マイルをマーク。28番グリッドを手に入れた。
今日の予選時間内に32人がアタックを完了し、明日の予選最終日に向け、残されたグリッドはただひとつとなった。1日で32個のグリッドが埋められるのは、90回目を迎えるIndy500での新記録である。出場33台がすべて同じエンジンだったことはあるが、エントリーを行っているマシンがすべて同一のエンジンであるのは、インディの長い歴史の中で初めてのこととなる。
今日、予選を終了した32人の中には、Indy500での優勝経験者が6人と、ルーキー4人が含まれている。ルーキー最速となったのは、1969年優勝者であるマリオ・アンドレッティの孫、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)による9位だった。
33個のグリッドがすべて埋められた後にも、アタックを行うことはルールにより許されている。33台の中で最も遅いスピードを保持しているドライバーよりも速く走れば、そのドライバーはグリッドを獲得することができるのだ。明日の夕方6時の予選時間終了まで、33個のグリッドをめぐる戦いは続く。 |