2005年のIRL IndyCarシリーズの開幕戦「インディ300」がフロリダ州マイアミ郊外のホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催され、Honda Indy V-8を使うダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)が200周=300マイルに渡った激戦を制した。終盤のウェルドンはライバル勢を突き放すスピードを誇り、2位に3秒6936という大差をつけて今シーズン最初のチェッカードフラッグを受けた。3、4位でゴールしたのもHonda Indy V-8搭載のトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)とヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング/パノス)で、マニュファクチャラーズ・タイトル防衛を目標とするHondaは幸先良いスタートダッシュを切った。
午後2時20分、フロリダらしい好天の下、やや風の強いコンディションで今シーズン最初のレースにグリーンフラッグは振り下ろされた。22台のインディカーは集団を形成したまま周回を重ねた。200周のレースが終盤を迎えた残り50周を切り、いよいよ最後の戦いが始まった時、リスタート直後のターン1で多重クラッシュが発生。8台がリタイアすることとなった。参戦2年目を迎える松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/パノス)は、6位から5位へとさらにポジションアップをしようとしていたが、ここでクラッシュ。予選15位から序盤にして3位まで浮上し、その後もトップグループで走り続けていたが開幕戦は12位でのリタイアとなった。
1年ぶりのフルシーズン・エントリーを行なうロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング/ダラーラ)も、このアクシデントに巻き込まれた。予選10位からトップグループで戦っていた彼は、アクシデント直前にピットロードから飛び出したためにポジションを落としたが、再びトップグループへと巻き返せるだけの走りを見せていた。しかし、安川の目の前でアクシデントが発生、行き場を失ってコンクリートウォールにヒット。結果は17位となった。
結局、ゴールまで走り切ったマシンは出場22台中の10台だけと、開幕戦は波乱のレースとなった。Honda Indy V-8勢も完走となったのは3台だけだった。しかし、その3台全てがトップ5フィニッシュを果たした。
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