決勝日:10月3日(日) サーキット:カリフォルニア・スピードウェイ 天候:快晴 気温:30.5℃
アメリカ西海岸の大都市カリフォルニア州ロサンゼルス。その郊外、内陸部へと50マイルほど入ったフォンタナのカリフォルニア・スピードウェイで2004年度IRL IndyCarシリーズ第15戦が開催された。
全長2マイルの超高速コースを使って200周=400マイルの距離で争われたレースでは、エイドリアン・フェルナンデス(フェルナンデス・レーシング/Gフォース)がファイナルラップで2位からトップを奪い、ポイントリーダーのトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)を0.0183秒差で抑えて優勝した。フェルナンデスにとってこれは第14戦シカゴランドに続く2連勝、そしてシーズン3勝目となった。
3位にはポイントランキングで2位につけているダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)が最終ラップで強豪4台をパスする凄まじい走りをみせて入賞し、Hondaはアメリカでの本拠地であるカリフォルニアで今シーズン8回目の1-2-3フィニッシュを達成した。これにより、Honda Indy V-8は、シリーズ第2戦からの14連勝を記録した。
また、今日は惜しくも優勝を逃したカナーンだが、2位フィニッシュによって獲得ポイントを578点へと伸ばし、最終戦を待たずに初のIRLシリーズ・タイトルを獲得した。第2戦フェニックスで今シーズン初優勝を飾ったカナーンは、第5戦テキサスでシーズン2勝目を挙げてポイント・スタンディングのトップに返り咲いて以来、ずっとその座を守り通してきた。第8戦ナッシュビルでも勝利した彼は、今回のレースで4位以内フィニッシュを実現すればタイトルが獲得できる状況となっていた。予選後にエンジン交換を行ったためにスターティング・グリッドが最後尾の21番手となる不利をものともせず、得意のスタート・ダッシュで7周目には早くもトップ5入り。1回目のピットストップを終えた時点で2位まで浮上し、優勝争いを繰り広げた。
レース・ウィークエンドのフォンタナは予選日の土曜日から雲ひとつ無い快晴が広がり、10月初旬とは思えない高温にも見舞われた。昨年は9月下旬の開催で、レース中の気温は30度に達したが、今年は開催時期が少し遅くなったこともあり、暑さも快適なレベルに収まったレース観戦日和となっていた。スタート直後からレースは215マイルを越すアベレージ・スピードを保って展開。レース前半は超ハイスピードで進んだが、終盤にアクシデントによるフルコース・コーションが連続して出されて様相はガラリと変わった。ペースカー導入によって全車の間隔は狭められ、度重なるリスタートでポジションは目まぐるしく入れ替えられた。
IRLは200周のレースが199周を終えたところでホワイト・フラッグとグリーン・フラッグを同時に振った。ゴールまで1ラップのスプリントとなったのだ。カナーンのリードでレースは再開され、フェルナンデスが優勝をかけた一騎打ちを彼に挑んだ。そして、アウト側のラインから勝負をかけたフェルナンデスがまさに鼻の差で大逆転勝利を手にしたのだった。インディカー・レースならではのスリリング、かつエキサイティングなフィニッシュがまたしてもカリフォルニア・スピードウェイで実現された。0.0183秒差はIRL歴代7番目にランクされる接戦でのフィニッシュだった。
松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/Gフォース)は最終プラクティスで電気系統のトラブルが発生したためにエンジンを交換。ルールによってスターティング・グリッドは20番手へと下げられた。予選でアクシデントを起こしたダレン・マニング(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が決勝への出走を取り止めたために最後尾よりひとつ前のグリッドからスタートすることとなった松浦は、ハンドリングが期待していた通りのものとなっていなかっために苦しい戦いを強いられた。ここ3戦ほどマシンが想定しているものとは異なる挙動を示す症状が続いていたが、それが今回のレースでは最も顕著だったのだ。それでも松浦は粘り強い走りでひとつずつポジションを上げて行き、13位でゴールした。
他のHonda Indy V-8勢は、バディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング/Gフォース)が5位。ダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)が6位。マーク・テイラー(アクセス・モータースポーツ)が10位。ブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)は17位。ヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング/Gフォース)はレース序盤でギアボックス・トラブルによりリタイアとなった。 |