●エイドリアン・フェルナンデス(決勝優勝) 「チーム全員のためにも、この勝利は本当に嬉しい。ここ4戦は素晴らしい成績を挙げることができている。チームが成熟し、力を発揮してきてくれているおかげだ。今日は2回目のピットストップでジャッキが壊れた時、勝つのは難しいだろうと考えた。そこからは少しバトルするのを止め、レースがどう展開して行くのかを見極めることにした。その時に出されたイエローで我々はピットインしないギャンブルに出た。それは成功し、あとは自分の前にいるブライアン・ハータをパスすることだけになった。一端前に出れば勝てるという自信があった。だから彼をリスタートでパスすることに神経を集中させた。実際にはリスタートから3周かかったが、彼を抜くことができた。これで僕にはランキング4位の可能性も出てきた。我々は第2戦から参戦をしているので、それは素晴らしい成績と言うことができる。ランキング4位でシーズンを終えることができれば本当に嬉しいことだ」
●ブライアン・ハータ(決勝2位) 「今日は目まぐるしい戦いとなっていた。スタート直後のマシンはハンドリングがオーバーステアで、ポジションを大幅に落とさざるを得なかった。最初のピットストップまでは、マシンをやっとのことでコントロールしてコースに留まっているという走りだった。マシンのハンドリングが改善された後には、ピットストップのタイミングを上位陣とは違うものとする戦い方となった。ゴールまで燃料がもつかギリギリになる可能性があったため、僕らはピットの判断でフェルナンデスに先行させることを決めた。しかし、レース終盤にフルコース・コーションが連続して出されたため、燃費の心配がいらなくなったが、同時に逆転のチャンスも失ってしまった。最終ラップにアタックを仕掛けたが、結局ゴールラインまででエイドリアンを逆転することはできなかった」
●トニー・カナーン(決勝3位) 「長い1日だった。混戦だったために危ないレースにもなっていた。序盤にはできる限り長くトップを走るよう頑張っていた。そうすることがトラブルに巻き込まれない最善の策だと考えたからだ。チャンピオン争いのことを考えていたのではないが、確実にレースを最後まで走り切ることを目指していた。今日のレースでは幾つものアクシデントが起こると予めわかっていた。そして、実際にレースはその通りのものとなった。ゴール前の戦いでは、僕はチームメイトのブライアン(・ハータ)が勝つためのサポートを行なっていた。しかし、今日のレースではアウト側からのオーバーテイクはとても難しく、僕らはフェルナンデスを攻略することができなかった」
●松浦孝亮(決勝21位) 「手応えのあるレースでした。マシンはリアが安定していて良かったですし、スピードの伸びという部分がいまひとつであっても、そういったマシンなりに燃費をセーブして走るなどして、前に出るチャンスを狙うことができていました。悪くてもトップ6に入る戦いができたのではないかと思っています。レース前半に自分と同じぐらいのポジションを走っていたドライバーたちが上位でフィニッシュしたのを見ると、自分たちにトラブルが出てしまったことは本当に悔しいし、残念です。トップからの集団について行くことに関しては全然問題が無くて、燃費をセーブして走ったことでトップにも立ちました。考えていた通りのレースができていたのです。最後にトントンと前に出られれば、そこからのレースでは戦えると思っていました。その時のために燃費をセーブして色々と頑張っていたんですけどね。次戦のフォンタナは、また全力で頑張りたいと思います」
●和田康裕 HPD社長 「レース前半のペースは、昨日のウオームアップから見ると意外に遅いという感じを受けていました。そのためにあまり差ができず、団子状態のままでバトルが続いて行きましたね。中盤までは全員、後方集団へと下がっても、また上位へと戻って来ることができるレースになっていました。空力の影響が相当凄かったのでしょうね、シカゴランドでの戦いは空気のゲームになっていた気がします。パワーではまだHonda Indy V-8にアドバンテージがあったようでした。燃費でも優位にあったと見えました。チームも、そうしたものを上手く使ってくれました。エンジンの性能を上手に活かしてくれたことで得られた勝利だと思います。ここは空力的には奇妙なコースで、予選でポールポジションを逃したのは残念でしたが、レースではエイドリアン・フェルナンデスが2勝目を挙げてくれ、Honda Indy V-8勢による1-2-3-4-5フィニッシュが達成されたのですから、本当に嬉しく思います。次のレースまでには少し間が空きますが、今回の結果も含めてジックリと振り返り、最後の2戦をどう戦うか、もう一回考えたいと思っています。ライバル勢はさらに進化して来ていますし、次戦には新しいスペックを投入して来るということなので、我々も開発を休むことなく、彼らの挑戦を受けて立ちたいと思います」
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