決勝日:8月15日(日) サーキット:ケンタッキー・スピードウェイ 天候:快晴 気温:31℃
終盤戦を迎えているIRL IndyCarシリーズは、全16戦の第11戦をアメリカ南部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイで開催。Honda Indy V-8を搭載するエイドリアン・フェルナンデス(フェルナンデス・レーシング/Gフォース)がIRLでの初優勝を飾った。Hondaは第2戦フェニックスから10連勝目を1位から7位までを独占する圧倒的パフォーマンスで飾り、エンジン供給を行う自動車メーカーに対して用意されているIRLマニュファクチャラーズ・タイトル獲得を決定した。昨年から同シリーズへの参戦を開始したHondaにとって、マニュファクチャラーズ・タイトル獲得は今年が初めてとなる。
今週末のケンタッキー州スパルタはレース観戦には最高のコンディションが整っており、グランドスタンドには6万1000人を超すファンが集結。オープンホイールならでは、そしてインディカーならではのスリリングなアクションとスピードを堪能した。
レース序盤は予選2位からスタートしたトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)に予選4位からスタートしたフェルナンデスがピタリとつける形で展開。フェルナンデスがピットストップでポジションを落とすと今度はポールポジションからスタートしたバディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング/Gフォース)がトップ争いへと復活し、カナーンと競い合った。
フェルナンデスはレースが終盤を迎えてから猛チャージ。152周目にトップの座を奪うと、その後は食い下がるライス、そして予選11位からポジションアップして来たダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)を突き放し、残る48周を走り切ってチェッカーフラッグを受けた。
この結果、2位ライス、3位ウェルドン、4位に自己ベストでフィニッシュした松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/Gフォース)、5位カナーン、6位ダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)、7位ヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング/Gフォース)となり、Honda Indy V-8勢が1位から7位までを独占する結果となった。
フェルナンデスは今シーズンの第2戦目フェニックスからIndyCarシリーズに参戦。10戦目にしてキャリア初優勝を達成した。2位となったライスとの差は0.0581秒差。これはIRL IndyCarシリーズでの歴代9位にランクされる混戦でのフィニッシュとなった。3位となったウェルドンもフェルナンデスから0.1719秒という僅差でのゴールだった。
松浦孝亮は予選10位から粘り強いレースを戦い抜き、キャリアベストとなる4位でゴールした。レース前半には15位までポジションを落とした時もあったが、燃費をセーブする走りを心がけながら、コクピット内でハンドリングを修正させ、徐々に順位を上げていった。そして、残り53周で切られたリスタート時には10位を走っていながら、強敵を次々とパスして183周目に4位へと浮上。ウェルドンに激しくチャージを続けながらも最後まで粘り、4位でゴールラインを横切った。松浦のポイントスタンディングは13位で変わらないが、今回のレースで32点を加算。ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得に向け、ルーキー2位につけているエド・カーペンター(レッドブル・チーバー・レーシング)とのポイント差を37点から45点へと広げた。
ドライバー部門のポイント争いでは、今回5位でフィニッシュしたカナーンが獲得ポイントを433点へと伸ばしてトップを維持。今日2位でゴールしたライスは、カナーンとの差を57点から50点に縮める2位につけている。3位で今回のレースをフィニッシュしたウェルドンはカナーンから87点差、ライスから37点差の3位。ここまで全員がHonda Indy V-8使用だ。優勝したフェルナンデスは、ランキングを12位から9位まで3つアップ。Hondaドライバーはランキング・トップ10に7人が食い込んでいる。 |