決勝日:7月25日(日) サーキット:ザ・ミルウォーキー・マイル 天候:快晴 気温:23.5℃
100年を越す歴史を持つザ・ミルウォーキー・マイルでIRL IndyCarシリーズがレースを行うのは今回が初めてとなる。ミルウォーキーは酪農、農業、林業を主産業とするウィスコンシン州の南端、ミシガン湖沿いに位置する州最大の都市で、アメリカの自動車レース発祥の地、イリノイ州シカゴから北に80マイルほど進んだところにある。州政府が所有し、プロモーターも務めるユニークなイベントは、全長1マイル、バンクの最大傾斜角が9.5度とフラットに近いテクニカルなオーバルで争われる。
決勝前日の土曜日に行われた予選で7連勝中のHonda Indy V-8勢は、ヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング/Gフォース)、トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)、バディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング/Gフォース)の順でトップ3グリッドを独占。そして、決勝では予選7位からスタートしたダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)が、レース中盤の100周過ぎにトップ争いに参画。ライス、そして2001-02年シリーズチャンピオンのサム・ホーニッシュJr.(チーム・ペンスキー)とのポジション争いを制し、155周目にトップに立ち、その座を最後まで譲ることなくIndyCarシリーズ初優勝を遂げた。最多の111周をリードしたフランキッティは、優勝の50ポイントと合わせた53点を加算し、ポイントスタンディングを第8戦終了時点の9位から6位へとジャンプアップさせた。
今シーズン3勝を挙げているHondaドライバーのカナーンは、今回のレースでも4位フィニッシュを果たし、ポイントリーダーの座を堅持。同2勝のライスは今回の2位フィニッシュによって40点を獲得し、ランキングを2位へと上げた。ポイント3位はダン・ウェルドンで、Hondaはドライバーズポイントでのトップ3独占を続けている。
松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/Gフォース)は、予選アタック直前のウオームアップ・ラップにハンドリングが安定せずにハーフ・スピンに陥りそうになったために、予選順位は最後尾の22番手となったが、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が欠場し、ダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)がエンジン交換を行ったことから20番手スタートとなった。決勝では、フロントウィングの角度アジャスターがレース中盤過ぎに壊れたため、大きなアンダーステアと格闘することを強いられながらも最後まで粘り強い走りを続け、2戦連続のトップ10フィニッシュを果たした。
今回の勝利によってHonda勢は第2戦フェニックスから破竹の8連勝を達成した。Honda Indy V-8勢が1位、2位独占以上の成績を挙げるのは、今シーズン6回目となった。マニュファクチャラーズポイントでの2位との差は、第8戦終了時点の20点から23点へと広がった。次戦は8月1日決勝の第10戦ミシガン。全長2マイルのスーパー・スピードウェイを使ったハイスピードの400マイル・レースだ。
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