決勝日:6月26日(土) サーキット:リッチモンド・インターナショナル・レースウェイ 天候:曇り 気温:23℃
アメリカ建国以来の長い歴史を持つバージニア州々都リッチモンドで開催されたIndyCarシリーズ第6戦サン・トラスト・インディ・チャレンジでは、予選20位からスタートしたダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)がピット作戦の絶妙さも味方につけ、5万人を超すファンが見守る中で今シーズン2勝目を飾った。Honda Indy V-8勢にとって、第2戦フェニックスからの5戦連続優勝である。
リッチモンドのコースは全長0.75マイルとシリーズ中で最短だが、バンクは14度と急で、サイド・バイ・サイドの戦いが可能である。今シーズンは路面が完全に舗装し直されてグリップレベルが向上しているため、さらにエキサイティングなバトルが250周によって繰り広げられた。IndyCarシリーズ中で最も短い距離=187.5マイルで争われるレースは、テキサスに続き、午後8時からレースが開始されるナイトレースとして行われたが、周回遅れが多発し、フルコースコーションも7回発生する混戦となった。さらに小雨がコースを濡らしたため、20周にも及ぶコーションも出され、レースが短縮されてゴールとなる可能性すらあった。
レース前半に一度は周回遅れに陥ったウェルドンは、250周のレースの折り返しである125周目には13番手を走行していた。しかし、そのすぐ後の129周目のピットストップからゴールまでの残り121周を給油せずに走り切る作戦が功を奏し、価値あるシーズン2勝目を掴んだ。予選まで苦しんでいたハンドリングも、レース後半にはトップを保ち続けるのに十分なレベルに仕上げられていた。
レースは終盤にアクシデントが続発したため、最後は残り1周でグリーンフラッグが振られる展開となった。しかし、ラスト1ラップのダッシュで優勝が争われるスリリングなエンディングとなるはずが、フラッグタワーでグリーンフラッグが掲示されながらも、コースサイドのイエローライトが点灯したままというオフィシャルのミスが発生してしまった。そのため、ゴール後に主催者のIRLが審議を行った結果、最後のグリーンフラッグは無効と判断され、記録的にはイエローフラッグのままゴールしたこととなった。よって、249周目のオーダーがそのままレースリザルトとなった。
この結果、優勝はウェルドンで変わらなかったが、最終ラップのイエローライトを見て加速をしなかったヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング/Gフォース)は、3位ではなく2位でのゴールが認められた。これにより、Hondaは第2戦フェニックスからの5連勝すべてで1位と2位の独占以上のリザルトを記録。この中にはIndy500での1位から7位までの独占も含まれる。ウェルドンとメイラ以外のHonda Indy V-8勢も奮闘し、ブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)が4位、トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)が5位、Indy500ウィナーのバディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング/Gフォース)が6位、そして、エイドリアン・フェルナンデス(フェルナンデス・レーシング/Gフォース)が7位でゴールとなった。
予選13位からスタートしたルーキーの松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/Gフォース)は、レース前半に他車と2度接触し、IRLにピットでのストップ・アンド・ゴーのペナルティを課されて周回遅れに陥り、その差を最後まで詰めることができなかったが、粘り強くゴールまで走り通して14位でゴールした。
ドライバー部門のポイントランキング・トップは今回5位でゴールしたカナーンが240点で保ち、優勝で50ポイントを加算したウェルドンも、シリーズポイントを225点へと伸ばして2位の座をキープしている。Hondaはマニュファクチャラーズ・ポイントを57点へと伸ばして首位を堅持し、ポイントリードを第5戦終了時点の11点から14点へと広げることに成功した。 |