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INSIGHT PRIME STORIES

#07:1/15(火)-17(木)“革靴の魅力を引き出すマイスター”
「伝説の靴磨き職人」千葉尊さんの本質に迫る!

2019年1月15日(火)
●マイスター:千葉尊(「千葉スペシャル」代表)

サッシャ: ものづくりの本質を探求するマイスター!
より上質な仕上がりを目指すクリエイティブの現場に迫る
『INSIGHT PRIME STORIES』。
今週は・・・革靴の魅力を引き出すマイスター、靴磨きのプロフェッショナル集団
「千葉スペシャル」代表で伝説の靴磨き職人、千葉尊さんにお話を伺います。
おはようございます。

千葉: おはようございます!

サッシャ: 千葉さんが「伝説の靴磨き職人」と呼ばれる所以は、
「鏡面磨き」という仕上がりの素晴らしさにあるわけですよね。
普通の黒い革靴がまるでエナメルのようにピカピカになるということで 
その技術を支える要素3つを、3日間に渡って解き明かしていきたいと思います!
お話を伺う前にまず、千葉さんが靴磨きの世界に入られたのは何年前ですか?
それまでは違うことをされていたのですか?

千葉: 建設会社で電気工事士、溶接工、製缶工、最後は足場とりを手がけていました。
それから靴磨きを始めたのが21年6ヶ月前になります。

サッシャ: キッカケは何だったのでしょうか?

千葉: キッカケは…遊んでたんですね。
世の中に対してなんか違うことやりたいなぁと思ったんです。

サッシャ: 色々な仕事がある中で靴磨きを選んだのはなぜでしょうか?

千葉: お客さん商売で、技術を活かせる場所を欲しかったんですね。
だけど何がお客さん商売で技術を活かせるのか、
何をやればいいか、全然思いつかなかったんです。
それで上野の不忍池のベンチで寝てたんですね。
そうしたら靴磨き職人が来て「足台を作ってくれ」と声をかけられたので、
「そんなもの簡単だよ」って言って作ってあげたんです。

サッシャ: そうですね。建築の仕事をされていたから、簡単に靴磨き職人の方に作ってあげたのですね。

千葉: そのとき一応2つ作ったんですね。

サッシャ: 自分用にということですか?

千葉: そうゆうことですね。

サッシャ: でもそのときは靴磨きの経験って何もなかったのですよね?

千葉: 何もないですね。ただ別な職業で磨きは元々やっていたので。
非破壊検査やるためには、溶接の部分をピカピカにしないと検査ができないんです。
その磨きは非常に長けてたので、靴磨きはそれほど難しい商売ではありませんでした。

サッシャ: そうなんですか。その「非破壊検査」をするためには磨きが必要なんですね。

千葉: 磨いて平らにしないと、検査結果を浮き上がらせることができないんです。

サッシャ: 元々は溶接工や製缶工として全国の建築現場で働いていた千葉さんが
違うことやりたいなぁと思って不忍池で、たまたまベンチにいたところ
靴磨きに誘われる形でやってみようとなったんですね。
しかも「鏡面磨き」との共通点が、建築の仕事でやっていた磨きの技術であるとは…!

千葉: その後、錆びないように塗料を塗らないといけなくて、
しかも1つの塗料を溶かして、ちょうどいい塗り方で綺麗に仕上げないといけないんです。

サッシャ: 素材が金属から靴に変わっただけで、同じでないのかと思ったんですか?

千葉: 最初から同じだと思っていました。迷いは全くないですね。

サッシャ: 最初にやってみて、割と思い通りでしたか?

千葉: 思い通りですね。
ただ市販のクリームを使用して自分の思い描いた通りに技術を提供することは、
ほぼ不可能と感じたんです。

サッシャ: なるほど、最初のころは銀座界隈を転々としてたんですか?

千葉: あそこに落ち着くまでは一年くらい、松屋の横とか色んなところに行きました。

サッシャ: そういうときって、お一人でされていたのですか?
周りにも靴磨きの方はいらっしゃったんですか?

千葉: その頃はほとんどいなかったですね。
でもよそで他の方がやっているのは見ていたりしていました。

サッシャ: どのように感じていましたか?

千葉: 元々あぜ道が多くて、泥汚れを隠すための磨きが主流だったんです。
だからクリームをベタベタつけて、布で上からギギギって絞って、
擦っていたので、わずか3、4分くらいで両方できちゃいます。
だから終わってすぐ歩くと、もうクリームが落ちてますね。

サッシャ: それだと本当の磨きにはなってない、ということにお気づきになったわけですね。

千葉: はい、全くなってないです。
人気のある方はちゃんと二本指で仕上げて帰らせている方もいました。
だけどそれはかなり少なかったですね。

サッシャ: 元々靴磨きが普及していった、戦後の時代…
まだ道路にアスファルトがひかれる前の技術のままだったのですね。

千葉: だから、急速に衰退していきました。

サッシャ: 道が綺麗になって泥がつくことがなくなり、この時代には合わないと。
それで時代に合わせなきゃいけないと思ったんですね。すごい!
そのためにまず何から始めたんですか?

千葉: まず9ヶ月間、クリームの出来具合を調査しましたね。

サッシャ: そのクリームが「千葉スペシャル」につながっていくということで、
明日は、その自家製の靴クリームについて伺っていきたいと思います。
千葉さん明日もよろしくお願いいたします。

2019年1月16日(水)
●マイスター:千葉尊 (千葉スペシャル 代表)

サッシャ: ものづくりの本質を探求するマイスター!
より上質な仕上がりを目指すクリエイティブの現場に迫る『INSIGHT PRIME STORIES』。
今週は革靴の魅力を引き出すマイスター、靴磨きのプロフェッショナル集団、
『千葉スペシャル』代表、伝説の靴磨き職人 千葉尊さんにお話を伺っています。
今日もよろしくお願いいたします。

千葉: よろしくお願いいたします。

サッシャ: さて、千葉さんが伝説の靴磨き職人と呼ばれる所以は、
「鏡面磨き」という魔法の鏡の面のように磨かれる素晴らしさにあります。
普通の黒い革靴がまるでエナメル加工したかのようにピカピカになるんですね!
その技術を支える三つの要素なんですが、
昨日は一つ目の要素、溶接工時代に培った「磨く」技術について
前職のヤスリがけ技術が靴磨きの仕事にも転化できたというお話を伺いました。
2日目のテーマは千葉さん自家製の「靴クリーム」。
まずはその靴クリーム、なぜ市販のものではなく自分で作ろうと思ったのですか。

千葉: まず水拭きで汚れの調査をして、どれくらい汚れているのか、
それが市販の靴クリームで汚れているのか、普通の汚れなのかを調査しながら、
クリームを溶かして汚れを取っていくという方法が、
クオリティも高く、流れが良くなるんです。

サッシャ: 市販のクリームだとそれができないんですか?

千葉: クリーナーやリムーバーを使って汚れを取ってから、
先端と履きジワとを分けて作業するのが一般的です。
ただそれだと工程が短くできないんですね。長い時間が必要なんです。
そこでやっぱり一つの工程で、瞬時にできるようにするには、
全体で一回で見分けるようになっていかないと、簡単にはスピードアップが図れないです。

市販のクリームは、使いやすいように油っぽく、ゆるく溶いてあるんです。
そうでないと一般の人にとっては逆に使いづらいんです。
ましてや一度靴を磨いたら、次に磨くまでに時間を置くので
クリームが固くなってしまいますよね。それを想定して作られています。
でも靴職人の場合は毎日靴磨きをするから、油分の多いクリームでは
スピードが上がらないし、すぐ固まってくれないんです。
また長持ちさせる必要もないので、すぐ使える実用性が必要になります。

サッシャ: なるほど、市販のものだとなかなかそのプロ向きには合わないんですね。
といっても、それで自分で作ろうというのはまた凄い話ですね。

千葉: そうですね、もともと農業もやっていたので泥の溶かし方も知っていて、
泥かクリームかの違いだけでほぼ同じだと思っています。

サッシャ: だいぶ違いそうな気がしますが、簡単におっしゃいますね!(笑)
そこも過去のお仕事の経験が活きているんですね。

千葉: 陶器を作るときも同じです。
不純物を抜いて作っていかないと、乾いていくうちにだんだん小さくなっていきます。
それをイメージしていただければ作り方は大体イメージできます。

サッシャ: 言われればわかりますけど、それを自分のイメージされたっていうのはやっぱりすごい…

千葉: でも最初から靴磨きしかしていなかったら絶対に思いつかなかったことなので、
色んな経験積まないとこの発想はできなかったですね。

サッシャ: 千葉さんもおそらく最初は市販のクリームを使ってみようとして、
ちょっとこれはダメだなと気が付いたと思うんですが、
そこからご自分のものを作るまで、レシピが完成するまで、
どれくらい時間かかったんでしょうか。

千葉: 大体10年くらいかかりましたね。
もう答えは出ていたものの、分量を変換させるのが非常に難しかったです。
なのでこの10年間は分量をいろいろと変えながら靴磨きをしていました。

その分量、調合が出来上がるまでの鏡面磨きは、自分の中でも完璧ではなかったですね。
でも今はその思い描いているところに辿り着いています。

サッシャ: 今でもずっと、ご自分で靴クリームを作っているんですか?

千葉: そうですね。
今は弟子にも分量や作り方を教えながら作っているので、弟子半分、私半分ですね。

サッシャ: 弟子ができるまでは人には絶対教えなかったんですか?

千葉: 教えなかったですね。企業秘密!
弟子の中にも、必ず辞めてレシピを外に持っていく人もいるので。
自分で作ったといって持ち出すんですけど、それは俺の持っていってるわけですよ。

サッシャ: 今は信頼できるお弟子さんが出来たんですね。

千葉: そういうことですね。
会社も立ち上げて法人化しました。

サッシャ: 会社としての形も整って、いいお弟子さんもできて、
そして今はそのレシピを継ぐ者も出てきて。
さらに千葉さんの技術を広めて多くのお客さんが享受できる状況になったわけですが、
そのための要素のもう一つが『交通会館』なんですよね。
その場所に関しても明日掘り下げてみたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

千葉: よろしくお願いします。

2019年1月17日(木)
●マイスター:千葉尊(「千葉スペシャル」代表)
●コメントゲスト:山田シュウジ(東京交通会館・営業部)

サッシャ: ものづくりの本質を探求するマイスター!
より上質な仕上がりを目指すクリエイティブの現場に迫る
『INSIGHT PRIME STORIES』。

今週は、靴の魅力を引き出すマイスター、
靴磨きのプロフェッショナル集団「千葉スペシャル」代表、
「伝説の靴磨き職人」千葉尊さんにお話を伺っています。
最終日、よろしくお願い致します。

千葉: おはようございます!よろしくお願い致します。

サッシャ: 千葉さんが「伝説の靴磨き職人」と呼ばれる所以は、
「鏡面磨き」という仕上がりの素晴らしさ。
黒い革靴が「エナメル加工」したかのようにピカピカになるということで、
今週はその技術を支える3つの要素についてお話を伺っています。
1つめは「溶接工時代に培ったやすり掛けの技術」。
2つめはご自身特製の「靴クリーム」。
そして3つめの要素は「場所」。
いま千葉スペシャルが常設として出店しているのは有楽町にある
東京交通会館1階/出入り口前にある「ピロティ」。
出っ張ったスペースのところですね。
そもそも千葉さんが東京交通会館のピロティで靴磨きをすることになったのは、
何がきっかけだったのでしょうか?

千葉: 路上は許可制なので、最初から許可がおりないんです。
暗黙の了解という形でやってたので、いずれ追い出されてしまいます。

サッシャ: それだと仕事としてもまったく定着できないですね。

千葉: なので、とあるきっかけで交通会館に申請を出したんです。
申請を出しても交通会館に入れるわけではないのですが、
一応申請を出したからお客さんには「交通会館でやるよ」と言い始めました。

サッシャ: なぜ色々ある中で、交通会館にしようと思ったんですか?

千葉: やっぱり公的機関なので。
靴磨きをやり続けるなら公的機関の建物のほうがいいだろうと思いました。
でもはじめは案の定、門前払いです。

サッシャ: 最初からスムーズに入れたわけではないんですね。
安定した商売ができるようにするためには場所がそして何より
「靴磨き」という仕事に対するイメージアップを図るため。
路上での商売をやめて有楽町の「東京交通会館」への出店を決めた千葉さん。
しかし、なかなか許可がおりなかったのはなぜなのか?
東京交通会館・営業部の山田シュウジさんにお話を伺ってみました。

山田: 遡ること7年ぐらい前、千葉さんたちが交通会館に来られて、誰とも名乗らず
「靴磨きをやってる者なんだけど、交通会館の一階の駅前広場に向かった場所で、
靴を磨かせてくれないか」と言われたんです。
当時、私含め交通会館では、一階のその駅前に面したピロティという場所を
有楽町に来る皆様のために喜んでもらおうと、オープンカフェを誘致しようとか、
マルシェを始めようとか、多少オシャレにしながら綺麗にして、
喜んでもらおうという取り組みをしていました。
そんな中、お世辞にもあまり綺麗な格好とは言えない状況で千葉さんたちが来て、
これで靴磨きやらせてくれと言われたものですから、正直はじめは困りました。
そのあと何度も来られて、そのうち自分も知っている「千葉スペシャル」の
みなさんだということがわかって、
有楽町の文化として愛されている千葉さんたちをなんとかしてあげたい!
とは思っていたのですが、上司と悩んでいて決断が遅れてしまいました。
そこで当時の部長に相談したところ、
「彼らをかっこよくしちゃえばいいんじゃないか」とアドバイスをもらいました。
英国風のスタイルでカッコイイ靴磨き集団なら我々のピロティ活性化という
ビジョンにも合うし、それなら行ける!と一気に話が急加速しました。
部長がすぐに大手アパレルの会長に電話をして、
有楽町の文化である「千葉スペシャル」がこういう事態なんだと、
どこでも営業できなさそうな状況で是非交通会館で復活させたいと思ってるんだけど、
協力してくれないかとお願いしたところ、すぐにやろうと言って頂きました。
その後、会長と一流デザイナーさんが来て、
復活プロジェクトに手を差し伸べてくださいました。
千葉さんたちは交通会館や働いてる我々に限らず、
有楽町をはじめ日本全国で多くの皆様に愛されてる貴重な存在ですし、
これからもずっと一緒に有楽町を盛り上げて頂きたい。
本当にパートナーだと思っています。

サッシャ: 千葉さん、お話伺ってみてどうですか?

千葉: 初めて聞きました。

サッシャ: 絶賛されましたね。一緒に盛り上げていきたい、パートナーだと。

千葉: 鼻くそみたいなもんだから我々は。

サッシャ: いやいや、いい場所ですよね!
色々と転々とされてきた場所と比べてどうですか?

千葉: 最高ですね。ああいうところでやれるのは最高です。

サッシャ: パートナーとおっしゃっていますからね。
交通会館側も愛される場所になっていくのではないでしょうか。
交通会館で靴磨きを始め、弟子もできて、門外不出の自作クリームも弟子に教えて、
千葉さんは今後をどうお考えになられているんですか?

千葉: 何店舗か増やして、お客さんも増やしたいですね。
技術もあげていかないといけませんね。
傷んだ靴を履いてる方があまりに多すぎて・・・

サッシャ: 「千葉スペシャル」に来るのは意識の高い方が多いですか?

千葉: やっぱりみなさん意識高いです。

サッシャ: 千葉さんの経歴を通じて靴磨き職人のイメージが変わりました。
そして日々身に纏ってる靴を大事にしていないなと自己反省もしました。
「おしゃれは足元から」って言いますからね。
一度千葉さんに喝を入れていただいて、
靴を大切にする生活を今年から始めたいとおもいます。
3日間どうもありがとうございました。

千葉: ありがとうございました。

サッシャ: 『INSIGHT PRIME STORIES』
今週は、靴磨きのプロフェッショナル集団
「千葉スペシャル」代表・千葉尊さんにお話を伺いました!

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