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INSIGHT PRIME STORIES

#06:1/7(月)-10(木)“着る人の夢を叶える”スーツ作りのマイスター
株式会社muse代表・勝友美さんにスーツ作りのこだわりを迫る!

2019年1月7日(月)
●マイスター:勝友美(オーダーメイドスーツ専門店「Re.muse」代表)

サッシャ: ものづくりの本質を探求するマイスター!
より上質な仕上がりを目指すクリエイティブの現場に迫る「INSIGHT PRIME STORIES」。
今週は、着る人の夢をかなえるスーツ作りのマイスター、
六本木にあるオーダーメイドスーツ専門店「Re.muse」の代表で
日本初の女性テーラー勝友美さんにお話を伺います。おはようございます。

サッシャ: さて、今回は勝さんをお迎えして、スーツ作りのこだわりについて、
四日間にわたってそれ以外のことも含めお話を伺って行きます。
どうぞよろしくお願いします。

まずは、プロフィールをご紹介していきます。
生まれは兵庫県の宝塚市ですね、アパレルの一販売員から始まって、
国内外でのスタイリストの経験を経て、テーラーの世界に転身、
28歳でわずか、自社ブランドの「muse style lab」を立ち上げて独立、
夢を叶えるオーダースーツとして多くのお客さんに支持されていると。

アパレルの販売から始まったということですが、
元々ファッションには興味あったのですか?

勝: そうですね。
ファッション大好きだったので、もう迷わずファッションの仕事しようと決めました。

サッシャ: 販売員からなかなかそのスタイリストになって、しかもテーラーになる人って、
日本初の女性ということですが、他にいないですよね。
なぜその道を歩んだのでしょうか?

勝: まぁ最初販売員になって、そこで得た知識を財産にして足りない知識を補うように、
ファッション業界の中でキャリアステップはしたいなと思ってたんですね。
そんなときヘッドハンティングを受けて、
海外に日本のファッションの市場を発信するような仕事に就かせていただいて、
次何にしようと思った時に雑誌系でより広めていくのか、
もしくは自分が作る側に回るのかっていう選択肢に立たされました。
そんなとき気づいたのが、雑誌の編集って目の前にいるのが人じゃなくてPCなんですよね。
私は自分の目の前にはPCじゃなくて人がいてほしい。
っていうことにも改めて気づいて、ちょっとテーラーの世界の方が
ご縁があったので行こうかなと思いました。

サッシャ: でも誰も、それまで女性のテーラーっていなかったわけですよね。

勝: いなかったってことさえも知らなかったんですよ。
勝手に想像して、きっとこの世界なんだろうと思って。飛び込んだような状態ですね

サッシャ: 飛び込んでみたら実際どうだったんですか?

勝: 予想と全然違いました。
やっぱりマシンメイドが流行していたり、接客の簡略化で価格を下げていたり、
価値と品質って紛い物でない限りはある程度イコールだと思うので、
でも安くすることで回転率を回さないといけないっていう風な状態になっていて。
そうすると一人一人としっかり向き合うというところというよりも、
お店を回転させること、しっかり物を作ることよりも、
とにかく済ませることっていうのが現状になってましたね。

サッシャ: 利益主義になっていたところ、28歳という若さで自社ブランドを立ち上げたんですね。

勝: そのレディースオーダーっていうものもすごく力を入れてるんですが、
レディースのフォーマルのスーツ、っていうもの自体が、まず本当に一番先細りで。
3%のちょっとだけ需要あるよというのが本当にリリースのオーダーなんですよ。
ほとんどの会社さんはやっても意味がないと思っていて、
でも3%しかないのであればあとの97%全部可能性じゃん!と私は思ったんですね。

レディースのオーダーに関してそう思いましたし、
この業界に関してはやっぱり原点回帰しないと
本当に価値が消費者に伝わらないことでどんどん衰退していく、
これでいいって誰も持ってないはずなのに
誰も変えようとしないことに対してもすごい違和感も覚えたし、
もう、やろうっていう思いでしたね。

サッシャ: 凄い。その思いを持ってスーツをオーダーメイドしていらっしゃる
テーラーの勝さんの手掛けるブランド「Re.muse」の
スーツの特徴は何かあるんでしょうか?

勝: もう山ほどあるんですけど、製品の水準の高さは、一番わかりやすいかなと思います。
一般的なスーツ屋さん100工程のところ、縫製だけでも400工程通っていたりとか、
あと100%日本縫製を採用して半分以上もハンドメイド、
一着作るのに70人の職人さんが動いてくれてる。
最初に関しては5ミリ単位ではなくて、1ミリ単位で作る。
特殊体型補正っていって、なで肩、いかり肩、鳩胸、ありとあらゆる体の凹凸に
対応できるような技術を有している人たちが対応する。
というのはあるんですけどそれ全然売りにしなくて、それで着てほしいと思ってないです。
着た人の自信を提供したい。自信と勇気。
やっぱりオーダーしようって思ってる方って、なにか人生のターニングポイントとか
何か一歩踏み出したいものがあるんですよね。
そういう時にもちろん、コンサルティングに相談する人もいたら本を読み漁る人もいて、
いろんな方がいらっしゃると思うんですけど
私は自分の経験から自信と勇気そんな時に自信と勇気が一番大事。
それなしには、やっぱり何もできないので、目に見えるものではなくて、
本当に目に見えない心から湧き出るものを一緒に共有して想像できたらこれって多分、
うちにしかできない仕事になるんじゃないかなとも思うし。

サッシャ: 確かに、着るものによって、自分も変わりますよね。

勝: 体型の面からもそうですし。心、気持ちが一番変わるのかなと思いますね。
自分の内面に変化が起こるような気がします。

サッシャ: 自分に合ったスーツ、スーパーマンスーツを手に入れると内面も変わるんですね。

勝: 内面まで影響を与えられるようなものづくりをしたいと思って私たちがやってるから、
それは起こると思うんですよ。

サッシャ: 思いがあるからこということですね。
それがビクトリースーツと呼ばれている由縁かもしれないですね。

勝: そうなんですよね。
勝手にお客様の方から「ビクトリースーツ」って呼んでもらえるようになって、
なんかここでスーツを作ったら成功するとか夢が叶うとか言ってもらえるようになって。
それは多分そのスーツを作るカウンセリングの中でなぜ作りに来たのかっていう、
その人の目的とか目標とか夢を作り手側と納品されるお客様が共有して、
一緒にそのゴールに向けてものづくりをするので、
もうそのために着るんでしょっていうことで成功していって、
気付いたらビクトリースーツと呼んでもらえるようになりました。

サッシャ: スーツひとつに相当な思いあるところは伝わりましたけれども、
明日はスーツ作りで重要な縫製ですよね。
お仕事仲間の方へのインタビューを交えてお届けしますので勝さん、
明日もよろしくお願いいたします。

2019年1月8日(火)
●マイスター:勝友美(「Re.muse」代表)
●コメントゲスト:森さん(縫製工場)

サッシャ: ものづくりの本質を探求するマイスター!
より上質な仕上がりを目指すクリエイティブの現場に迫る
『INSIGHT PRIME STORIES』。今週は“着る人の夢を叶える”スーツ作りのマイスター、六本木にあるオーダーメイドスーツ専門店「Re.muse」の代表で、
日本初の女性テーラー、勝友美さんにお話を伺っています。
勝さんおはようございます。

勝: おはようございます!

サッシャ: 今週は、勝さんをお迎えして「スーツ」をテーマに、
スーツ作りのこだわりなどについて、4日間にわたってお話を伺っています。
2日目の今日は、「縫製」について。
昨日、勝さんのスーツにはこの工程が多いとのお話もありましたが、
改めてスーツの縫製作業とはどのようなものなのでしょうか?

勝: 私たちがお店で接客した際、お客様のサイズ寸法や裏地、ボタンの種類、デザイン。
どんな生地を使って欲しいかなど細かいオーダーを承ります。
その中で、ステッチの仕様を設計図を工場に送って、
それを物として仕上げてくれるのが「縫製工場」ですね。

サッシャ: 実際に工程が多いというのは、具体的に何が違うんですか?

勝: そうですね。
まず私たちの採寸している数がすごく多いというのがあると思います。

サッシャ: 例えば他に比べてどんな点が多いのですか?

勝: 例えば、手の長さ、ジャケットの着丈、パンツの着丈のような
丈の長さだけを見るスーツ屋さんや
それに加えて胸周りやウエスト周りなど横の長さを見るテーラーさんもいるんですけど、うちの場合は3Dで採寸しています。
やっぱり人は縦と横だけでは測りきれなくて、
前かがみ、後ろかがみ、猫背、撫で肩、お腹が出てる、といったいろいろな癖があります。
これを「特殊体型補正」という技術していくので、通常よりも補正箇所が多いんです。
その時点で、機械で型紙を切って作るということができないんですね。
人がチャコで引かないといけなくなる。
だからいまだにうちの設計図は職人さんがチャコペン持って
「このカーブかな?」って考えながら作ってくれているんですよ。

サッシャ: アナログなんですね。

勝: アナログです。今のスーツって接着剤で貼っても作れちゃうんですよ。
だけど本来「毛人」といって、馬の尻尾などに何層にも芯を入れていって
初めて立体的になったり、人が縫うことでテンションが変わったりするんですね。
そのために、一度で済む作業を三回流したりするんです。
人の手でないと出来ない仕事は将来取って代わってしまうかもしれませんが、
そうでない仕事を愚直なまでにやっているので、
逆に無理にセールスはせず、細かな作業へかける手間やそれに見合った品質に
自信をもって販売していけると考えています。

サッシャ: しっかりといいものを届けているという自信もあるということですね。
そして今回はRe.museのスーツを縫製している工場の社長・森さんに
勝さんとのエピソードなど伺いました。一緒に聞いてみましょう。

森: 直営店事業を始めようということで、新入社員として来ていただいたのが勝さんです。
当時はファクトリーでバックアップの仕事をしてもらいながらだったんですが、
すぐに大阪の店で、実際にフィッティングをしてもらうようになって、
それがきっかけで仕事がスタートした、創業当時のメンバーですね。
お客様に対してとても熱心に接客をされていて、
特に一人一人に対してしっかりと説明をされていたということで、
実は大阪店の売り上げがすごく伸びたんですね。
今考えると、そこに勝さんの接客力というのがあったのかという気はします。
今も一緒にファクトリーで縫製をさせてもらっていると、
勝さんのところから入ってくる仕事は、スーツの注文内容が個別にすごく違うんですよ。
それはやはり他のテーラーさんと比べて特筆するところかなと思います。
スーツ作りに関しては、イギリスのサヴィル・ロウから始まったものなので、
その基本原則、作り方は変えちゃいけないのかなというのが一つと、
日本でお客様に対して『スーツを着ていただく』ということを伝えているのが、
勝さんではないかな、と思っています。

サッシャ: Re.museのスーツを縫製している工場の社長、
森さんのインタビューをお聞きいただきましたが、いかがでしたか?

勝: 嬉しいです。めっちゃ嬉しい。

サッシャ: キャリアの最初からご存知なんですね。

勝: そうなんですよ。私が最初にテーラー業界に入った時に就職した場所で、
独立も工場の縫製っていう角度から支えてもらって、色々なことを教えてもらいましたし、
本当にお互いに言いたいこと言いながらも、
「ちゃんとこの技術を伝承していこう」という未来を見ながら仕事しているので、
やっぱりお互いしっかり繋いでる手があると
喧嘩しても何してもやっていけるのかなと勝手に思っています。

サッシャ: 実際に普段やりとりされるときはどんな感じなんですか?

勝: そうですね。
やっぱり人の手を介してる仕事が非常に多いので、職人さんの高齢化が進む中、
自身は引退して機械を導入してマシンに代える人たちが多いんです。
人の手が入ると工賃も高くなってしまうので、それに対して販売店側は圧迫される。
だからコスト削減で、マシンを入れたら人件費かからないんじゃいか…とかもありますが、やっぱりボタンは手づけしてほしいし、ここは頑張って人の手でやってほしい!
というところはお互い頑張ってやろう!とか、そういった話をよくします。

サッシャ: そうなんですね。
そのスーツを作る上での工程、採寸から始まって色々あると思うんですけど
改めて「縫製」とはスーツにとってどんな重要性があるんですか?

勝: まず着心地が変わる。
袖を通した瞬間に感じていただけることなので、本当に言葉では説明できないんです。
例えば料理を食べたときに「おいしい」とは言えるけど、
それ以上の感情を表現できないのと一緒です。
30年、40年と技術を学んで鍛錬された匠の技がそこには詰め込まれていて、
どれだけの歴史と人の汗と血と涙が詰まってこの1着が成り立ってるのかを考えると、
そんなものを着てるって思った瞬間にもう本当に頭があがりません。
生地切り続けて40年の方が縫ってくれている、もう尊敬します。
生地を40年切り続けるなんて、私には出来ないと思います。

サッシャ: 自分の人生よりも長く生地を切っているってことですもんね。

勝: そうなんですよ。
そういった方たちが一個一個作ってくれてると思うと、
日本人が大事にしないといけない心が、ここに全部詰まってるんじゃないかと思いますね。

サッシャ: なるほど、わかりました。
明日は「生地選び」をキーワードにお話伺っていきたいと思います。
『INSIGHT PRIME STORIES』勝さん、明日もよろしくお願いします!

勝: よろしくお願いします!

2019年1月9日(水)
●マイスター:勝友美 (Re.muse 代表)
●コメントゲスト:奥山タイシさん(鷹岡株式会社 生地販売)

サッシャ: ものづくりの本質を探求するマイスター!
より上質な仕上がりを目指すクリエイティブの現場に迫る『INSIGHT PRIME STORIES』。
今週は着る人の夢を叶えるスーツ作りのマイスター、六本木にあるオーダーメイドスーツ
専門店「Re.muse」の代表で、日本初の女性テーラー、勝友美さんにお話を伺っています。おはようございます。

勝: おはようございます。

サッシャ: さて、4日間にわたってスーツをテーマにそのこだわりについて聞いているわけですが、今日は「生地選び」です。
スーツにおいての生地、これはどれだけ重要なんですか。

勝: やっぱり、第一印象そこで決まってしまうので、
ものすごく重要というか、一見してそれが全てに見えてしまうのかなって思いますね。
もちろんその縫製の良さとか、どういう思いで作ったとかはあるんですけど、
それはやっぱり声に出さないとなかなか詳しくない方には伝わらないんですけど、
生地はやっぱり、もう一瞬でその人の印象を左右してしまうので大事ですよね。

サッシャ: すぐわかりますもんね。

勝: すぐわかります。

サッシャ: そこで、その生地選び、気をつけるべき点ってどんなところですか?

勝: 私たちが気をつけているのは、
お客様がネイビーが欲しいとか、グレーが欲しいと仰るとき、
あまりそれを気にしないってことを実は気にしていて。

サッシャ: えー、そうなんですか?普通はそこの希望になるべく沿うってことじゃないんですか。

勝: なるべく沿わないっていう。
それも結構驚かれるんですけど、やっぱり世界的に織られているネイビーっていうのは、
茄子紺もあれば、本当赤めのネイビーもあれば、グリーンめのネイビーもあって、
青1つでも色々な青があるんですよ。
その人の知ってる青は100色かもしれないけど、
私たちは1000色の青を知っているので、ってなった瞬間に、
じゃああと900は可能性じゃないですか、また。
だから、こういうネイビーもあるよとか、こういうグレーもあるよとかっていう、
お客様の価値観に沿うのではなくて、新しい発想を提供してあげるっていうのが
プロの仕事なのかなっていうのはやっぱり思うんですよね。

サッシャ: 本当を言うとリスナーの方のそれぞれ何が似合うかを聞きたいところなんですけど、
姿は見えないので、恐縮ですが代表として僕がもしスーツを仕立てるとしたら、
生地感、素材、色とかどういうのにしますか。

勝: ブラウンを、茶色を選びますね。

サッシャ: 茶色ですか。

勝: しかもちょっと紫がかった、少しソラド感のあるブラウンを選ぶと思いますね。
ネイビーとか選ばないですね。
ブラウン系ってヨーロッパでは、そのブラウンと、ブルーのカラー合わせとか、
すごく人気なんですよブラウンのスーツって。
ただ日本の方ってどうしてもなかなか肌なじみが悪かったり、老けて見えたりして、
似合わないって思われてる方が多いんです。
でもサッシャさんの場合はブラウンにも負けずに、着こなせると思うので、
それを日本でできると差別化も図れるだろうなと思うので、
私はきっとブラウンを提案するだろうなと思います。

サッシャ: 柄はつけるんですか?

勝: 柄つけると思います。でも織り柄です。
ただベタっとした無地ではなくてちょっと柄感が入っていて、
少し立体的に見えるような無地を選ぶと思いますね。

サッシャ: なるほど。今の僕を例にとっていただいたんですけども、
その人によってまた全然提案する色も変わってくるっていうことですよね。

勝: 変わりますね。全然変わります。

サッシャ: いいですね、こういう感じで相談に乗ってくれるのですね。
言うことを聞かないってちょっと意外な答えですよね。
さぁ、そんな中で勝さんが独立前からお仕事を一緒にされている、
繊維製品の会社「鷹岡株式会社」の奥山タイシさんに生地選びの重要性、
勝さんとのエピソードなども聞いております。聞きましょう。

奥山: 鷹岡株式会社で、毛織物のスーツの生地の販売をやっております、奥山と申します。
鷹岡株式会社というのは、創業130年以上の老舗の毛織物商社です。
勝さんが以前お勤めになっていた大阪のテーラーさん、
洋服屋さんで勝さんが入社されて、その時に私がそのお店の営業担当でしたので
知り合ったという経緯です。
生地選びの重要性っていうのは、仕立ての良さっていうのももちろん大切なんですけれど、
その仕立ての良さを活かすためにも、素材のいいものを選んでいただければ、
洋服の仕立て栄えっていうのがすごくよく感じられると思います。
それと、職業/立場、そういうことを考えられた色柄の選び方っていうのが
すごく重要になってくると思います。
その人に対するカウンセリングをしっかりして、その人にふさわしい素材をご提案できる
というのが素晴らしいところだと思います。
僕にとってスーツとは、自信を持っていい仕事をするための装いですね。
一般的にお勤めになっている方で男性の方っていうのは、
スーツに関する関心がすごく低いと思うんですけど、
スーツにはなるべく妥協しないで、高ければいいとか、
華美であればいいというものでもないんですけれど、
こだわって自信の持てる装いで仕事に挑んでいただきたいと思います。
きっと仕事の内容も、自分自身も変わって行くと思うので。

サッシャ: さぁ、勝さんが独立前からお仕事を一緒にされている、
繊維製品卸会社「鷹岡株式会社」奥山タイシさんのインタビューを聞いていただきました。
勝さん、どうでした聞いてみて?

勝: すごくたくさんのことを教えていただいた方なんですね。
なので、懐かしいなーって思いました。

サッシャ: なんかでも同じようなことをおっしゃってましたね。着るもので自信が変わるとか。

勝: なので私の周りには同じ思いを持って仕事をしてくださってる方が
やっぱり多いんだろうな、っていうことも改めて思いましたし。

サッシャ: さっき僕の仕事柄も含めて色とかお選びなっていただきましたけど、
そういった立場によっても変わってくる、ということもおっしゃっていましたね。

勝: そうですね、立場によっても変わりますし、
これからどうなっていきたいのかによっても変わります。

サッシャ: スーツの生地にトレンドはあるんですか?

勝: はい、スーツの生地にもトレンドはありますが、
そのシーズンだけ着て脱ぐものでもないので、
私はあまり流行りを追いかけない方がいいのかなと思いますね。

サッシャ: 時代によってだいぶ違いますもんね。

勝: でも時代背景は絶対に大切にするべきだと思います。
やはりセンスが古い人は、ビジネス面でもなかなか難しい部分があるのかな…
と思われてしまうことがあるので、
流行ってるから衿を細くする、のようなことではなく、
あくまで普遍的なもの、何年先に見ても美しいと思えるものをお勧めしています。

サッシャ: 使い捨てるようなスーツを作るわけではない、ということですよね。

勝: そうですね。使い捨てのようなスーツも然りですが、
まだこのスーツが着れるからといって、同じものばかり着るということもありません。
モノとして着れるから次を買わないという選択肢がうちのお店のお客様にはあまりなくて、
とにかく今の自分にパワーを与えてくれるものかどうかがいつも判断基準ですね。

サッシャ: その判断基準が合わなくなったら新しいものにまた仕立てる、
ということも特に重要なんですね。

勝: そうですね。

サッシャ: 『INSIGHT PRIME STORIES』。
明日は「勝イズムの継承」について、
テーラーとして、そして経営者として、従業員に勝さんのマインド「勝イズム」を
どのように伝えているのか、共有しているのかについてもお話を伺います。
勝さん、明日もよろしくお願いします。

勝: よろしくお願いします。

2019年1月10日(木)
●マイスター:勝友美(オーダーメイドスーツ専門店「Re.muse」代表)
●コメントゲスト:土屋沙織(Re.muse」六本木店店舗責任者)

サッシャ: ものづくりの本質を探求するマイスター!
より上質な仕上がりを目指すクリエイティブの現場に迫る
『INSIGHT PRIME STORIES』今週は “着る人の夢を叶える”スーツ作りのマイスター、
六本木にあるオーダーメイドスーツ専門店「Re.muse」の代表で、
日本初の女性テーラー、勝友美さんにお話を伺っています、おはようございます。

勝: おはようございます!

サッシャ: 今週は、勝さんをお迎えして「スーツ」をテーマに、そのこだわりなどについて
4日間にわたってお話を伺ってきましたが、いよいよ今日が最終日!
最後のキーワードは「勝イズムの継承」。
日本初の女性テーラーということは色々初だったわけですから
いろんなところでチャレンジもされてきたのですよね。
これまでの道のりを振り返ってみてどうですか?

勝: いや〜すごかったけど楽しかったですよ。

サッシャ: え?女の人なのって見られるもんなんですか?

勝: 見られます!見られます!お客さんが驚かれましたね。
大阪でオープンしたときは建物の3階で看板も出していなかったので、
なんとなく入ってくるお客さんは少なかったんですけど、
入ってきた方は「えっ」と驚いていました。

サッシャ: 男物のスーツを女性が採寸するの?という点にですか?

勝: はい。しかも28歳で金髪でイケイケの感じだったので。
なに?このギャルってところから始まって。
でも自分のスタンスは変えないっていう感じでしたね。

サッシャ: スーツ業界内でのハードルはあったんですか?

勝: ありがたいことに、独立したいので生地のやりとりをさせていただきたいって言ったら、
みなさんがいいよって言ってくださったんですよ。
それがないと何もないので・・・それはすごくありがたかったです。

サッシャ: それは勝さんの働きっぷりをってことですよね。

勝: 20年、30年、40年とかっていうスパンで見ないといけない業界だと思いますね。

サッシャ: 僕らにするとオーダメイドのスーツを持つって、夢のひとつでもあるわけですからね。
そんな勝さんの活躍を背中を見てきた、勝さんの右腕といっても過言ではない!
「Re.muse」六本木店の店舗責任者、土屋沙織さんにお話を伺いました。
一緒にお聞きください!

土屋: 私が一番大切にしているのは、お客様一人一人のストーリーがあるので、
その方がついつい喋ってしまうような空気作りを心がけています。
「土屋さんについついこんな夢を喋ってしまった」とか、
ついつい喋っちゃったというところにその人の人間味があると思うので、
そこからその人らしい生地の提案だったり、
サイズやシルエットの出し方を割り出して行くというのを意識してやっています、
ある男性経営者のお客様の話なんですけど、
パッと見たときは服装や髪型からして強面の印象なんですね、
でも、目の奥の優しさを見てしまって、「この人すごく優しい人だ!」と思ったんですよ。
お話を伺っていてもすごくアツい方でした。
そういう第一印象を与えたほうがもっと素敵なんじゃないかと思って、
ヴィクトリースーツを作るんだったら、
この髪型も違う!というのを正直にその方に伝えて、
ネットで検索して「こんな髪型にしてください!」と写真をたくさん送り、
髪型を準備してもらって、その人の新しい印象がでる生地を選んでスーツを作りました。
そうしたらやっぱり思った通りその人の目の奥の優しさっていうのが雰囲気に出て、
「今まで男性のお客さんばかりだったんだけど、女性のお客さんも増えてきて、
すごく広がったよ!」と言ってもらえて、すごく嬉しかったのを覚えています。
私にとってスーツ作りとは、「人生」ですかね。
唯一無二のドラマを紡いで行くというか、その人にしか着れない、
その人の人生だからこそ出来上がってくる一着というのがあるので、
それを見つけて行くということですね。

サッシャ: さて勝さんの右腕的存在!「Re.muse」六本木店の店舗責任者、
土屋沙織さんのインタビューを聞いていただきましたがどうでしたか?

勝: いや〜私より喋るのうまくて、すごくわかりやすい!

サッシャ: どういう風に提案してもらえるかって具体例がわかりましたね。

勝: そうですね。本当にスーツのみならず髪型のこと、メガネのこと、
色々突っ込んでいくので。

サッシャ: だからこそこのスーツが似合う、
このスーツが似合うんだったらこうだって変わっていくんですね。
よりヴィクトリー、良くなるために。

勝: 良くなるため、ベターじゃなくてベストを目指すってところですね。

サッシャ: 一週間を通してテーラーとして、職人としての勝さんの面を
伺ってきましたが、経営者としてのモットーはありますか?

勝: そのまま、ありのままいるってことですかね。
経営者だからこうとかっていうのはなく、
本当に元々夢を持って、夢を掲げて会社を立ち上げたので
その夢を変わらず持ち続けていくということだと思います。

サッシャ: 「Re.muse」、もしくはテーラーとしての最終目標はなんでしょうか?

勝: もともと100年先も愛されるブランドを作ると掲げて
みんなが命削って人生かけてやってくれているので、
テーラーで終わるつもりはありません。
ミラノコレクションも日本初として出させていただいたり、
インドコレクションもデザイナーとしても日本初として
デザイナーさんとコラボレーションで出させていただいたりとか、
世間の人に知っていただく機会も得れたので、
次は銀座にもお店を出したいし海外も視野に入れたい。
もっと多くの人に価値を薄めずに届けるためにはどうしたらいいのか
というところを改めて考えて教育にも力を入れて、
技術の伝承を目に見えない価値を追求していき、
それを感じてもらえるような会社にはしていきたいなと思いますね。

サッシャ: 日本の素晴らしい職人の技術が世界に届けられるようになることが100年構想。
勝さんのことなので近いうちに実現しそうですね。
また新たなステップを踏んだ時にお話伺いたいと思います。

『INSIGHT PRIME STORIES』
今週のマイスターは、六本木にあるオーダーメイドスーツ専門店「Re.muse」の代表で、
日本初の女性テーラー、勝友美さんにお話を伺いました!
どうも、ありがとうございました!

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