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さまざまな角度からINSIGHTの世界観にフォーカス。
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INSIGHT PRIME STORIES

#01:12/03(月)-06(木)なすび亭店主・吉岡英尋さんの
"ごはんづくり"の本質に迫る!

2018年12月3日(月)
●マイスター:吉岡英尋(なすび亭店主・料理人)

サッシャ: ものづくりの本質を探求するマイスター!より上質な仕上がりを目指すクリエイティブの現場に迫る『INSIGHT PRIME STORIES』。今週は・・・食材の可能性を引き出すマイスター、東京・恵比寿にある和食料理店『なすび亭』のご主人、料理人の吉岡英尋さんにお話を伺います。
吉岡さん、おはようございます。

吉岡: おはようございます。

サッシャ: 吉岡さんにはですね、新米が出回る季節だから聞きたい、お米、つまりご飯作りにまつわる美味しさの秘訣、極意について4日間に渡って、伺っていきたいと思います。

まずはですね、吉岡さんのご自身のお話からスタートしたいと思うんですが、「料理人」を目指そうと思って最初はどこにお入りになったんですか?

吉岡: 最初はまず、調理師学校、1年間お世話になりまして、その調理師学校で漠然と「一流の料理人」になりたかったので、先生に給料は安くてもいいんで、技術を磨けるところをどこか紹介してしてくださいっていうことで。その時点で和洋中も決めてなかったんですけど、「そういうことなら、修行は時間がかかるけど、長く働ける日本料理がいいんじゃないか。」と。その流れで、僕はてっきり東京の料亭みたいなところを紹介されるのかと思ったんですけど、時はバブルっていうこともありまして、人手不足とかそういうのもいろいろあったんでしょうね。おそらく今思うと、調理師学校に求人が来ていたと思うんですけど、伊豆の料理旅館に行かされて。先生曰く、3年間、東京で鍋磨きをするよりも、魚をいっぱい使うところで、日本料理は魚だから、3年間行けば、もう目をつぶってでも魚を下ろせるようになるから、それから東京戻ってきて修行してもいいんじゃないか、みたいな感じで、まぁでも、凄くそれもご縁で、貴重な経験をさせてもらえましたね。

サッシャ: おかげですぐ実戦に、逆に言えば行けたということですか?

吉岡: やっぱりそんなに甘いもんではないんですけど、料理人ってもちろん料理が大事なんですけど、料理だけじゃない部分もいっぱいあって、やっぱりその親元離れて一人で生きてく、もちろん風呂掃除、トイレ掃除から始まって、そういうことをしたことがなかったので、大人になる一個、練習というか、そういう部分では、甘ったれの子供だったんで、もう勉強もしないような。やっぱりいい期間の3年間だったなと思います。そこで自信がついたというか、自分で。

サッシャ: その後独立するまでの道のりとしては?

吉岡: たまにこういうインタビュー受けるんですけど、だいたい1時間半くらい喋って、そろそろお店の話進めてもらっていいですかっていうくらいちょっと長くなっちゃうんですよね。

サッシャ: いっぱい渡り歩いてるんですね。

吉岡: そうなんですよ!

サッシャ: 何店舗じゃあ開業するまで。

吉岡: 親方でいうと5人ですかね。そのうち途中で親方について店回ったりしたこととかもあったんで、店舗数でいうと、7、8軒くらいですかね。

サッシャ: 5人の親方、7、8店舗で働いて、そして独立されたということですが、その中でも心に残っている師匠からの言葉とか教え、いまでも一番印象的なものってありますか?

吉岡: やっぱりそれぞれの親方に個性があるんで、ただまぁ基本は一緒というか、共通していることは一緒というか、料理はお客様のために作るんだな。職人って、ちょっと自分の技術に走りがちになったりして、個々で完結しちゃう器の前で完結しちゃうことがあるんですけど、まぁでも自分でお店やってもさらに確信が持てたっていうのは、お客様のために料理っていうのは作るんだな。当たり前なんですけど、どうしても技術に走っちゃう時があるんですよね。

サッシャ: なるほどね〜。そして、今日はですね。そんな中でご飯を炊く極意っていうのもですね、お米、これ日本料理にとっては何よりもある意味大切かもしれません。吉岡さんにこのあと一曲聴いた後、そのお米について極意を伺いたいと思います。

M. LOST CHILD / Crystal Kay

サッシャ: 『INSIGHT PRIME STORIES』。お送りしたのは、Crystal Kay「LOST CHILD」食材の可能性を引き出し、美味しいご飯を炊くマイスター、料理人の吉岡英尋さんにお話を伺っています。

さて、職人。さっきのお話ともちょっと繋がりますけど、ある意味、芸術家ですから「細部の作り込みに魂が宿る」という風にも言われるわけですが、「おいしいごはんを炊く」となったときの細部へのこだわり、極意、これは何が一番重要だと思いますか?

吉岡: やっぱり「日本人といえばご飯」というのがあると思うんですけど、実は修行時代っていうのは、だいたい料理屋っていうのは、炊き込みご飯、お出しすることが多いと思うんですけども、僕の修行時代っていうのは炊きたてのご飯を出すお店というのはほとんどなかったんですよね。なぜかというと、料理屋とか料亭とかで仕事させてもらえる機会が多かったんで、そういうところっていうのは、食事をとるだけではなくて、商談であったりですとか、それこそ政治家の人でしたらね、我々下々には分からないような話もしてるのかもしれないですし、そうしますと、途中でお料理が止まったりする時とかもとかよくあるんですよ、それで最後、そういうお話が終わった後に「じゃあ、そろそろお食事を」そうなると、ちゃんと言われた時にパッと出せるように、事前に炊き込んだのを置いておいて、蓋つきの上品なお茶わんにお出しするっていうのがほとんどだったんですね。自分でお仕事をやる時に、ご飯っていうのはやはり、炊きたての美味しさが一番だと思ってましたし、価格設定も、自分でお店始めた時はもうちょっとお手頃なお値段でやってたので、炊きたてでやりたいなということで自分のお店ではご飯を炊きたてで出してるんですけどね。

サッシャ: 明日は、そんな中でもお米でも、私も聞いたことなかったんですけど熟成米なるものがあるそうですね?「唐房米穀」さんとおっしゃるそうですけど、の“熟成米”に明日はおいしくごはんを炊く吉岡さんを支える要素のひとつとして注目してみたいと思います。『INSIGHT PRIME STORIES』明日もどうぞよろしくお願いいたします。

サッシャ: さて、Hondaの新型『INSIGHT』。実は僕、先日、一足先に試乗させていただいたんですけども、まぁとにかくですね。本当に高級感があるんですよね、リーズナブルな価格設定なんですけど、その理由はですね、乗ってみるとわかるんです。いろんなその、もちろんインテリア、外装も含めてですね、それぞれの部分にかなりこだわってるんですよね。ステッチ、例えば一つとっても、中の素材とかもですね、全部高級感があってさらに、乗り心地もですね、どうしてもエコカーというと、何か我慢して乗るとか、っていうイメージがあるんですが、そんなことは全くなくて、パワーも、ブーンと出るし、そして街乗りでもスムーズに乗れるようにできていまして、遠出にも、そして近場の運転にも、とても安心して乗れるそんな一台に仕上がっています。ちなみに僕が試乗した時の映像があるんです、すでにHondaの販売店で流れているようですね。モータージャーナリストの藤島知子さんと一緒に出演しております、ホームページにも近日中に公開されるようですので、よかったらチェックしてみてください。

ものづくりの本質を探求する、「INSIGHT PRIME STORIES」番組ではお聴きいただいている皆さんの一品も大募集。例えば、普段使っている有田焼の器、オーダーメイドで作ったシャツなどなど、あなたの大切にしている思いの込められた一品を番組サイトの右下にあるバナーをクリックしてツイートしてください。その際、#わたしのインサイト こちらのハッシュタグをつけてツイートしてください。ツイートしていただいた方の中から、抽選で10名様に、和食料理店『なすび亭』のご主人、料理人の吉岡英尋さんがおすすめする佐賀県の精米業者「唐房米穀」の熟成米、佐賀県唐津産「夢しずく」をプレゼントします。新米です。締め切りは、12月いっぱい、31日まで、たくさんのご応募お待ちしています。

※ 本プレゼントキャンペーンは終了しております

2018年12月4日(火)
●マイスター:吉岡英尋(なすび亭店主・料理人)
●コメントゲスト:長儀照幸(唐房米穀 専務執行役員)

サッシャ: ものづくりの本質を探求するマイスター!より上質な仕上がりを目指すクリエイティブの現場に迫る『INSIGHT PRIME STORIES』。今週は・・・食材の可能性を引き出すマイスター、東京・恵比寿にある和食料理店『なすび亭』のご主人、料理人の吉岡英尋さんにお話を伺います。
吉岡さん、おはようございます。

吉岡: おはようございます。

サッシャ: 吉岡さんにはですね、新米が出回る季節だから聞きたい、お米、つまりご飯作りにまつわる美味しさの秘訣、そして極意について四日間に渡ってお話伺う訳ですが、今日はですね『熟成米』とゆうことで聞きたいと思います。明日も実は同じ、「唐房米穀」さんとゆうところのお話になるわけなんですが「唐房米穀」さんの専務執行役員 長儀照幸(ちょうぎ・てるゆき)さんへのインタビューの模様を中心にお届けします。そのインタビューの模様を聴いていただく前に吉岡さん、「熟成米」ってもそもそも何でしょう?

吉岡: ここの生産者さんたちが、独自の精米方法、保存方法などでオリジナルでつけた名前だと思うんですけど、それぞれ、お話伺って、凄くこだわりがある感じで、そもそもお米って精米しようと思ったら玄米から普通に炊くように、今って数秒でできちゃうんですよね。実は。機械と技術が凄く発達してて、一瞬でできちゃうんですけども、あえてそこを1,2日かけて、じっくり精米するっていう、ちょっと遠回りなやり方して昔ながらの、そこに目に見えない味の向上であったりとか、食材を扱う丁寧さであったりとかそうゆうものが入るのかなって実際に使ってて思います。

サッシャ: その「熟成米」、特許もお持ちだそうで、「唐房米穀」佐賀県にある精米業者さんなのですが、なぜ味が違うのか、精米方、実際にどう違うのか。お話伺ってまいりましたので一緒に聞いて行きましょう。

長儀:コイン精米とかですね、生産者の方が持ち寄って機械の中に入れてですね、あっという間に精米されてしまうんですけども、まぁ米を剥ぐ作業なので、簡単に一気にはいでしまうんですね、ところがうちのお米はですね、いうなれば昔の水車搗きみたいにゆっくり皮を取っていくんですね。簡単に言いますと、その工程の中でうちの米は熟成されてですね。そこにうちならでは創業者の思いがありまして、どうしたら美味しくなるんだろうかというのは考えまして水車の搗き方をつぶさに見てですね、じゃあそれを機械を使ってなんとかできないかということで編み出した方法なんですね。皮を剥いだ時に通常はですねコンプレッサー等でぬかを飛ばすんですけどもうちの方法は米と米をゆっくり擦り合わせながら擦る。それ自体も本当に旨味を残す精米方法なんですけども、擦り合わせながら、ぬかと一緒についていく「胴付き米」という精米方法でついておりました。それにさらに改良を加えたのが「24時間精米方法」とゆう精米方法です。うちの創業者がヨコヤマケンジというのですが、ある夏の日に玄米袋ですね。茶色い袋があるんですがそこに糠を貯めてですね一袋いっぱいにしてですね。夏の日に放置してたんですね、放置してると糠には油が含まれていますから、袋の底から油がジワと滲んでいた。その油を見てこれがお米の栄養なんじゃないかなと、糠と一緒にした時にお米に糠の油が染み込むんじゃ無いかなとそれが美味しさに繋がるんじゃ無いかなという発想を持ってですね、剥いだ糠を途中で止めて、翌日また時間が経ったところで精米したところ美味しいということ発見しまして、あとはじゃあどれくらい糠につけた状態にしておくのがいいのかということで、季節によっても違いがあったようでその辺のところ調整しながら平均的に24時間寝かせておくと丁度いい塩梅になるというのを見つけたと聞いております。熟成と言いましても何がどう熟成するのかと言いますと、たまたまお米に詳しい佐賀大の先生とお付き合いすることができまして、うちの精米方法を科学的に分析していただけないだろうか、なぜ美味しくなるんだろうかと研究してもらったところですね。うちのお米は寝かせる24時間の間にですね、お米のほとんどはデンプンですけどもこのデンプンがですね糖に分解してると、それから表皮に近いところのタンパク質、これがアミノ酸、特にグルタミン酸ソーダという旨味成分にかなり分解してるということを、ちゃんと科学的に数字的に証明していただいたものですから、それで確かに熟成しているなということで甘味、旨味が、通常のお米よりもそれぞれ糖分は14%、それから旨味、アミノ酸は54%も増加してるということで美味しさの証明ができたわけです。

M.  Luv(sic) part 4 feat. Shing02 / Nujabes

サッシャ: 『INSIGHT PRIME STORIES』お送りしたのはLuv(sic) part 4 feat. Shing02 / Nujabesでした。「熟成米」とは、どのような精米方法で・・・なぜ甘み、旨味が増すのか?佐賀県の精米業者「唐房米穀」さんの専務 長儀照幸さんにお話伺いました。吉岡さん、伺ってどうでした?

吉岡: 何気なく使ってますけどね、本当に気づかないくらいの努力をしてるんでしょうね。

サッシャ: 科学的にも証明されたことですが、そのきっかけは放置しちゃったっていうちょっとアクシデントなんですね。

吉岡: でも意外と料理とかもそうなんですけど、そういうところからっていうのもありますよね。結局美味しく、より美味しくって気持ちが、結果に繋がってるんだと思いますね。

サッシャ: お客さんからの反応もやっぱりいいですか?

吉岡: そうですね、特に今は新米の季節ですので、やっぱりお客さんもお米に意識が行きやすい時期でもありますので凄く好評いただいております。

サッシャ: 『INSIGHT PRIME STORIES』今日はそんな「精米」についてお話伺いましたが、明日は、その美味しいご飯を炊く要素の2つ目!お米そのものも、実はこだわってらっしゃるということで、佐賀県のお米「夢しずく」について掘り下げて行きたいと思います。じつは唐房米穀さん、契約農家さんに頼んで「夢しずく」を、ある特別な方法で栽培してもらっているそうです。その特別な方法とは何か?答えは明日です。吉岡さん、明日もよろしくお願いします!

吉岡: 宜しくお願い致します。

2018年12月5日(水)
●マイスター:吉岡英尋(なすび亭店主・料理人)
●コメントゲスト:長儀照幸(唐房米穀 専務執行役員)

サッシャ: ものづくりの本質を探求するマイスター!より上質な仕上がりを目指すクリエイティブの現場に迫る『INSIGHT PRIME STORIES』。今週は・・・食材の可能性を引き出すマイスター、東京・恵比寿にある和食料理店『なすび亭』のご主人、料理人の吉岡英尋さんにお話を伺います。
吉岡さん、おはようございます。

吉岡: おはようございます。

サッシャ: 吉岡さんにはですね、新米が出回る季節だから聞きたいお米、つまりご飯作りにまつわる美味しさの秘訣、極意について4日間にわたって伺っています。昨日はその精米の仕方にも迫ったんですけれども、今日は美味しいご飯をたくさんに欠かせない三つの要素の中からお米そのものに注目。佐賀県のお米、夢しずく。これをお使いになってるんですか。

吉岡: そうですね、はい。

サッシャ: 昨日出てきましたその精米業者、同じ佐賀県の唐房米穀さん、専務執行役員の長儀照幸さんへのインタビューの模様を中心に今日も伺っていくのですが、昨日は「熟成米」、その精米の仕方がゆっくり熟成させて精米することによって、旨味成分とか、あと甘さも増しているということが、科学的にも証明されたことについて教わりました。そんな方法で育てられた「夢しずく」はその精米する元のお米ですね。同じ佐賀県産ですが、当然炊くにいたって、多分お米が来た状態で色々とその味わって、お客さんにだす前に、吉岡さんも味わっていらっしゃると思うんですけど、やっぱりお米そのものが全然違うなって感じがしますか?

吉岡: そうですね、こしひかりっていうのがよく世間的には出回って、お店とかでも使われている店も多いと思うんですけども、まず品種が違うので、硬さ加減ですとか、粘り具合ですとか、やっぱり違いますね、

サッシャ: 食べた印象も全然違いますか?

吉岡: そうですね、はい。

サッシャ: じゃあ実際にその唐房米穀さんが契約農家さんにお願いしている「夢しずく」の特別な栽培法とはどういったものなのか、唐房米穀専務の長儀さんにお話を伺いますので、ぜひ吉岡さんも一緒に聞いてみてください。

長儀:まず「夢しずく」というお米の品種・銘柄なんですけども、佐賀県でできたお米で、きぬひかりとひとめぼれの交配によって生まれた品種です。これは恐らく佐賀だけだと思います。29年産では、日本穀物検定協会の食味ランキングの中で最上級の「特A」ランクを昨年初めて獲りました。特に栽培方法にはこだわってます。佐賀県の「夢しずく」を特に塩米と名付けてるんですけども、いまから約20年前、ある農業学者の方に研究してもらって生まれた、ミネラル農法という特別な栽培方法で育てています。具体的には、自然の良いミネラルのバランスを含んだ海水を濃縮した塩を作り、それをさらに希釈して田んぼに数回撒くんです。そうすることで田んぼ自体に非常にいいミネラルバランスができるんですね。分量や回数も何度も試して、今のベストな状態をつくりました。田んぼは命にとっての母体になるところですし、稲はそこから栄養を吸収して育つので、バランスのとれた大地で育つ稲は、非常に元気でしっかりした稲になるんですね。さらに、この方法で栽培すると虫もつきにくいです。聞くところによると茎もしっかりしているので虫が食いにくいのだそうです。この方法で作ったお米を、うちの方で「塩米」と名付けています。粘り気もしっかりあって、旨味もあって、とても美味しいお米です。

サッシャ: 唐房米穀の専務 長儀さんの話によりますと、夢しずくの水田に海水を一回濃縮して、それをまた希釈して撒くと。まぁ塩水を撒く、塩を撒く。ちょっと言い方としては難しいですが、ミネラル分が豊富な夢しずく、塩米を作っているということでした。吉岡さん、お話伺ってみてどうですか。

吉岡: すごいですよね。簡単に試行錯誤って言いますけども・・・僕らもお料理作るときに試作とか作ったりしますけど、ちょっとイメージと違ったなーとなったらまた作り直して、5分、10分、まぁ30分、1時間くらいの話ですもんね。20年ほど前から研究されていると仰ってましたが、お米って1年に1回しかできないですからね。

サッシャ: そうですよね。

吉岡: その中で試行錯誤してじゃあ翌年、翌年、といってこう何年もかけていいもの作ろうと思って研究されてるっていうのが、いやもうホントに凄いなあと思いますね。結局こういうのって何が大事かって言うと、もうそういうのが食材にうつるというか、熱意がうつるというか。これはやっぱり我々料理人の感覚なのかもしれないんですけども、食材に丁寧さを感じますよね、この一つ一つに。やっぱりそれはこういろんなものを使ってて、大量生産で育つように扱ってる食材と、あの丁寧に作られた食材っていうのは調理する前から、色艶、こう息吹みたいなものが違うなっていうのは感じますよね。

サッシャ: 吉岡さんはお米を炊くのに土鍋を使ってらっしゃるのですか?

吉岡:そうですね。

サッシャ: これもこだわってらっしゃるということで、明日はその土鍋について。吉岡さんの使っていらっしゃる滋賀県の雲井窯の9代目、中川一辺陶さんの土鍋について掘り下げます。吉岡さん、明日の最終日もよろしくお願いいたします。

吉岡: はい、よろしくお願いします。

2018年12月6日(木)
●マイスター:吉岡英尋(なすび亭店主・料理人)
●コメントゲスト:中川一辺陶(雲井釜9代目)

サッシャ: ものづくりの本質を探求するマイスター!より上質な仕上がりを目指すクリエイティブの現場に迫る『INSIGHT PRIME STORIES』。今週は・・・食材の可能性を引き出すマイスター、東京・恵比寿にある和食料理店『なすび亭』のご主人、料理人の吉岡英尋さんにお話を伺っています。
最終日の今日もよろしくお願い致します。

吉岡: よろしくお願い致します。

サッシャ: 吉岡さんには新米が出回る季節だから聞きたい、お米つまりご飯作りにまつわる美味しさの秘訣極意についてここまで過去三日間、今日で四日目ということで伺ってまいりましたがご飯を炊くのにそして美味しく食べるのに欠かせない最後の要素、土鍋これをですね、ちょっと掘り下げたいと思うんですが吉岡さんがお店で使われている土鍋は滋賀県の雲井釜の9代目中川一辺陶さんが作る土鍋ということで私、初めてこれを伺った名前でもあるんですが他の土鍋と何か違うんですか?

吉岡: そうですね。あの雲井釜さんは特に場所がら滋賀県ということもあって昔から土鍋をよく作ってるあの窯元がいっぱい点在するところなんですけども、我々の業界ではちょっと有名というか有名ブランドになってしまいましたね。

サッシャ: 私もご飯を土鍋でお家でも食べるの好きなんですけどもちろん土鍋で炊いただけでもだいぶ変わりますがその土鍋でも色々違うんですか?

吉岡: そうですね。もう僕も最初2000年になすび亭というお店を作ったんですけれどもその時からお客様には炊きたてのご飯を出したいなと思って土鍋でお出ししてたんですけどもちょっと大げさな話を言うと、今のお店で東京の日本料理店でもどこでもって言っていいほど土鍋で炊き込みご飯を出してると思うけども。多分流行らしたの僕じゃないかなと思っています。異論は認めませんよ。

サッシャ: 土鍋で出すご飯の第一人者の吉岡さんが選ぶ、特別な土鍋とは!それを作り出す中川一辺陶さんへのインタビューの模様聞いていきたいと思います。当然のことながら9代目一辺陶さんならではの極意が詰まっております。ご飯がふっくら美味しく炊ける土鍋を作るために、10年にわたる試行錯誤があったとのことです。

中川: まず私が一番こだわるのは土鍋というのは歴史をたどると縄文時代まで遡ります。いわゆる縄文土器があって、それの浅いものを下から炙って中でグツグツ炊いて、食を供給したのだとか。同じように土鍋を使うようなシーンが21世紀の今でもまだ続いてるんですね。そういう意味では単なる道具なんですけども、非常に長く日本人が使って行きたいというような歴史を踏まえて現在も土鍋作りをしています。300年続くすっぽん料理の老舗が京都にありまして、土鍋を使っているうちに割れてしまうという課題に対して、私に「挑戦しないか?」と言われたのが、土鍋を作るようになったきっかけです。研究を重ねて、納得して使っていただけるようなものができました。私の土鍋作りの一番最初のルーツになりますね。

当然、京都が近いですから小料理屋さんとの出入りは当時からありましたので、土鍋がだんだん増えて行くと、いろんな形のシーンでの土鍋をつくるようになりました。その一つに・・・一度日本でお米が不作の年がありまして、そのときは小料理屋さんがみんな美味しく炊けないと困ったんですね。タイ米を食べてそれをお客様に提供するようなこともありました。そのとき少しでも美味しく炊けないかと道具を模索した内のひとつが土鍋だったんです。土鍋でご飯を炊くと美味しい!というのを小料理屋さんがみんな気づいて現在に至るんですね。

お米を美味しく炊くうえで、土鍋の「厚み」は非常に重要なポイントになるのですが、多分ご飯を炊く土鍋の中では私どもの製品がやっぱり一番分厚いと思います。大きさにもよりますが底の厚みをだいたい1.5から2センチくらいをとっています。お米まで熱を伝えるのに非常に分厚いほど効率が悪いんですけど、熱の伝わり方が全然違いますので、その辺を考慮して、ある一定の厚さはとっています。

また、もうひとつ重要ポイントが、ちょっと専門分野に入りますが「釉薬」です。土鍋というのはガスで炙っていただくんですが、そのとき若干膨張します。本当に0.00何パーセントの膨張なんですけども、土鍋によってそれぞれ異なる膨張のパターンに、釉薬も合わせるのが必須なんです。それにぴたっと合わせることによって土鍋の寿命は長く伸びていくようになるんです。ですから一番大事なのは膨張のパターンを合わせて耐久性を伸ばすようなことが必要になってまいります。

M. ハナウタDAYS / のマド

サッシャ: 『INSIGHT PRIME STORIES』。お送りしたのは「のマド」/「ハナウタDAYS」。最近の炊飯器はいかに土鍋に近い炊き上がりを再現するのか、よく家電量販店行くと土鍋みたいな感じに各社競っていますが、この雲井釜-9代目中川一辺陶さんの土鍋ができるまでの試行錯誤というかこだわり、は本当にすごいですね、吉岡さん。

吉岡: お店始めるときに伊賀焼のちょっと鍋底の厚いようなものを使っていたのですが、なんせ家のご飯を炊くようじゃないのですぐ壊れちゃうんですよね。もう早いものですと3、4ヶ月とかで割れちゃうんです。ちょっと大げさな話を言うと最高峰が雲井釜の中川一辺陶さんじゃないかなと思います。

サッシャ: 美味しいお米に美味しい精米、そして美味しい土鍋、でもやっぱり本当に美味しいものはですね、是非とも「なすび亭」で。月曜から4日間にわたって吉岡さんが美味しいご飯を炊くための極意と、それを支える三つの食材、材料についてお話しくださいました。また是非美味しいご飯で楽しませていただきたいと思います。今度お店にも伺わせていただきます。

吉岡: お待ちしております。

サッシャ: 『INSIGHT PRIME STORIES』今週のマイスターは料理人吉岡英尋さんでした。

吉岡: どうもありがとうございました。

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