Round14アメリカセント・ピーターズバーグ

2020年10月25日(日)・決勝

セントピーターズバーグ

第14戦 セント・ピーターズバーグ

スコット・ディクソンが6度目のシリーズチャンピオンに輝き、
Hondaは3年連続9回目のマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得

2020年インディカー・シリーズの最終戦がフロリダ州のセント・ピーターズバーグで開催されました。30℃を超すハードなコンディションの中、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が着実な走りを見せ、3位でフィニッシュ。通算6回目のシリーズチャンピオンに輝きました。

14戦で争われたシーズンでHondaは7勝をマークし、2018年から3年連続(通算9回目)のマニュファクチャラーズ・チャンピオンシップ獲得を成し遂げました。これはHondaが1994年にアメリカのトップオープンホイールへの参戦をして以来、27年間の歴史の中で初の快挙です。Hondaは1996年、1998-99年、2001年、2004-05年、2018-19年にもマニュファクチャラーズ・タイトルを手にしてきました。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で6月にシーズンが開幕すると、ディクソンはいきなり3連勝しスタートダッシュを決めました。その後も彼と彼のチームは安定したドライビングを続け、アンソニー・ジョセフ・フォイトの持つ7回に迫る6回目のシリーズチャンピオン獲得を達成しました。多数のシリーズチャンピオンを輩出してきたChip Ganassi Racingからシリーズチャンピオンが生まれるのは、今回で13回目です。

現在はチームオーナーとして活躍中のジミー・バッサーが1996年にHondaドライバーとして初めてアメリカン・オープンホイールのチャンピオンになりました。それ以降、アレックス・ザナルディ(1997-98年)、ファン・パブロ・モントーヤ(1999年)、ジル・ド・フェラン(2000-01年)、トニー・カナーン(2004年)、ダン・ウェルドン(2005年)、サム・ホーニッシュJr.(2006年)、ダリオ・フランキッティ(2007、2009-11年)、 そしてディクソン(2008、2013、2018、2020年)がインディカーチャンピオンの栄冠を手にしています。今回のディクソンの達成により、Hondaドライバーがチャンピオンシップを獲得するのは17回目となりました。

今日のレースは気温・湿度ともに高いコンディションのもと、100ラップで争われました。残り20周に差しかかった際には、短時間ではあったものの雨も振りました。
ポールポジションからスタートしたウィル・パワーは最初の5周をリードしましたが、アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)が彼をパス。ロッシはレース最多となる61周をリードしましたが、74周目に壁にヒットしてレースをリタイアしました。

ロッシ以外のHondaドライバーでは、コルトン・ハータ(Andretti Harding Steinbrenner Autosport)、ジェイムズ・ヒンチクリフ(Andretti Autosport) 、アレックス・パロウ(Dale Coyne Racing with Team Goh) の3選手がトップを走りました。しかし、ロッシのアクシデントが発生したあと、ハータはコースアウト、ヒンチクリフも難しいコースコンディションに敗れレース続行を断念しました。パロウは燃費でのギャンブル的な作戦が功を奏しトップ3を走っていましたが、数ラップ足りず表彰台には届きませんでした。

多くのドライバーたちがさまざまなドラマに見舞われる中、11番グリッドからスタートしたディクソンは、レース終盤の80周目に3番手に浮上しました。すでに今シーズン4勝を挙げているディクソンが3位で表彰台フィニッシュし、チャンピオン獲得を華々しく飾る結果となりました。

佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、予選13番手からジワジワと順位を上げ、レース終盤の75周目には6番手を走行。しかし、その直後にライバル勢との接触があり、オフィシャルによってリスタート時に最後尾まで下がるペナルティーを科せられました。それでも佐藤はあきらめることなく最後まで戦い抜き、10位でフィニッシュしました。第104回インディアナポリス500マイルで優勝した佐藤は、キャリアベストとなる年間ランキング7位で2020年シーズンを終えました。

 

コメント

スコット・ディクソン(3位/シリーズチャンピオン)
スコット・ディクソン「すべてはチームのおかげです。チームのみんなにはいくら感謝をしても感謝しきれません。チームオーナーのチップ・ガナッシ、レースディレクターのマイク・ハルとバリー・ワンザー、そしてHondaの関係者全員に『ありがとう』と言いたいです。僕はHondaパワーで走ることを誇りに感じています。今シーズン、Hondaは本当にすごいことを成し遂げてくれました。目標を見事に達成してくれたんです。家族を含め、みんなに深く感謝します。決して一つのことや、一人の人間の力によって達成されたのではありません。チームの力です。オフシーズンにはチーム内に多くの変更がありました。来年も同じように変化はあるでしょうが、とにかくチームのみんなに本当に感謝しています。これからみんなでビールで乾杯をしようと思います」

佐藤琢磨(10位/シリーズランキング7位)
佐藤琢磨「セント・ピーターズバーグにまた戻ってこられてよかったです。今日は厳しいレースでした。後半、僕たちは6番手につけており、トップ5でゴールする可能性が見えていました。しかしAndretti Autosportのマシン2台とのアクシデントになりました。確かにマシン同士の接触が少しありましたが、ペナルティーを受けたのは不運にも僕の方だけです。リスタート時に最後尾まで順位を下げられ、僕のレースは実質的に終わってしまいました。それでも、僕たちはそこからトップ10まで順位をばん回し、グレアム・レイホールと一緒にゴールを迎えることができました。すばらしいシーズンでした。もう一度皆さんに御礼を言いたいと思います。エンジニアのエディー・ジョーンズ、ありがとう。カーナンバー30のマシンで働いてくれたメカニックたちも、ありがとう。Rahal Letterman Lanigan Racingは本当にすばらしい仕事をしてくれました。また2021年もこのチームでともに戦えることを誇りに感じます。僕としては7位というキャリア最高のシリーズランキングを手にすることになりましたが、今日のレースではもっと上位でゴールしたかったですね。それでも、ファンタスティックなシーズンであったことに変わりはありません。皆さん、また2021年にお会いしましょう」

リザルト

順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
1 1 J.ニューガーデン シボレー 100 2:06'12.5948
2 5 P.オワード シボレー 100 +4.1409
3 9 スコット・ディクソン Honda 100 +6.1561
4 14 S.ブルデー シボレー 100 +7.4132
5 28 ライアン・ハンター-レイ Honda 100 +9.7529
6 22 S.パジェノー シボレー 100 +10.5773
7 8 マーカス・エリクソン Honda 100 +11.0696
8 4 C.キンボール シボレー 100 +15.8580
9 15 グラハム・レイホール Honda 100 +16.3743
10 30 佐藤琢磨 Honda 100 +16.7748
11 88 コルトン・ハータ Honda 100 +24.2149
 
13 55 アレックス・パロウ Honda 100 +43.5791
14 26 ジェームズ・ヒンチクリフ Honda 100 +1'04.0661
18 10 フェリックス・ローゼンクヴィスト Honda 98 +2Laps
19 60 ジャック・ハーヴィー Honda 97 +3Laps
20 98 マルコ・アンドレッティ Honda 74 +26Laps
21 27 アレクサンダー・ロッシ Honda 69 +31Laps
23 18 サンティノ・フェルッチ Honda 40 +60Laps

ポイントランキング

ドライバー

順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1 スコット・ディクソン Honda 537
2 J.ニューガーデン シボレー 521
3 コルトン・ハータ Honda 421
4 P.オワード シボレー 416
5 W.パワー シボレー 396
6 グラハム・レイホール Honda 377
7 佐藤琢磨 Honda 348
8 S.パジェノー シボレー 339
9 アレクサンダー・ロッシ Honda 317
10 ライアン・ハンター-レイ Honda 315
11 フェリックス・ローゼンクヴィスト Honda 306
12 マーカス・エリクソン Honda 291
13 サンティノ・フェルッチ Honda 290
 
15 ジャック・ハーヴィー Honda 288
16 アレックス・パロウ Honda 238
20 マルコ・アンドレッティ Honda 176
21 ザック・ヴィーチ Honda 166
23 ジェームズ・ヒンチクリフ Honda 138
32 スペンサー・ピゴット Honda 17
34 ジェームズ・デビソン Honda 10

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