Round04アメリカロードアメリカ2

2020年7月12日(日)・決勝

ロード・アメリカ, エルハートレイク

天候:快晴
気温:摂氏22~23度

第4戦 ロードアメリカ2

優勝はローゼンクヴィスト、佐藤琢磨は8位入賞

ロードアメリカがあるのは、ウィスコンシン州の州都マディソンから北東に約100マイル、ミルウォーキーからは北に60マイル弱のエルハートレイク。1955年に創業した全長4.014マイルのコースは緑に包まれたの美しいもので、スピードの国立公園というニックネームがつけられているほどです。

今シーズンのロードアメリカでのイベントはダブルヘッダーとされ、土曜日にレース1、日曜日にレース2が開催されました。ファンをサーキットに迎えてのレースは、土曜日のレースが今シーズン初。日曜日はシリーズ第4戦、ロードアメリカでのレース2も快適な天候に恵まれ、多くのファンがインディカーのハイスピードバトルを楽しみました。

レース1では23歳のルーキー、アレックス・パロウ(Dale Coyne Racing with Team Goh)が表彰台に上る大活躍を見せましたが、レース2では20歳台前半の若いドライバーたちがレースを通じて優勝争いの主役を務めました。

予選でポールポジションを獲得したパト・オーワード(シボレー)が、フルシーズン出場が初めてとは思えないほど安定した走りを続けてトップを保ち続けました。しかし、彼以上のスピードを持ち、その差をぐんぐんと縮めてくるドライバーがいました。昨年のルーキーオブザイヤー、フェリックス・ローゼンクビスト(Chip Ganassi Racing)です。

予選7番手だったローゼンクビストは、1回目のピットストップ後に2番手にポジションを上げ、先行するオーワードを追いかけ続けました。しかし、2回目のピットストップで作業ミスによりタイムロス。42周で最後のピットストップを終えたとき、ローセンクビストとトップとの間には、残り13周で6秒以上の差がありました。

しかし、優勝だけを目指してローゼンクビストは猛チャージ。残り2周でとうとう彼に追いつき、そのままの勢いでアタック。双方とも初優勝のかかっているバトルは激しくもクリーンに争われ、軽い接触がありながらもローゼンクビストがトップに立ちました。コースサイドのファンは、この時に大歓声を上げました。

先頭に出るや、一気に後続を突き放しにかかり、最終ラップも危なげなく走り切って、2位に2.8秒以上の大きな差をつけて初優勝のチェッカーフラッグを受けました。若手同士によるスリリングな戦い、ローゼンクビストが見せた凄まじい追い上げは、これから長く語り継がれる逆転劇になったといってよいでしょう。スコット・ディクソンにより開幕3連勝を飾ってきているChip Ganassi Racingは、今日のローゼンクビストによる勝利で開幕から4連勝。新チームメートのマーカス・エリクソンも4位でフィニッシュしました。チャンピオンシップのポイントリーダー、ディクソンは最後のピットストップでエンジンをストールさせたものの、12位という結果を手にしました。

Hondaは2020年のインディカーシリーズで開幕からの連勝を4レースへと伸ばしました。シボレーの270ポイントに対し、暫定ながらHondaの獲得ポイントは362点にまで伸びました。

佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は8位でゴールし、今週末の2レース双方でトップ10に入りました。スタート直後にライアン・ハンター-レイ(Andretti Autosport) がウィル・パワー(シボレー)に追突されてコースアウト。そのすぐ後ろにいた佐藤は6人にパスされましたが、着々と順位をばん回し、レース終盤にはパワー、ジョセフ・ニューガーデン(シボレー)といった強敵たちをパスし、8位でのゴールを果たしました。

インディカーシリーズは5レースを15日間で行う過酷なスケジュールの真っ只中にあります。次週の7月17、18日には、アイオワ州デモイン近郊のショートオーバル、アイオワスピードウェイでダブルヘッダーが開催されます。

 

コメント

フェリックス・ローゼンクビスト(優勝)フェリックス・ローゼンクヴィスト
「昨年のミッドオハイオと同じように、それぞれが持つスピードだけによる戦いになっていたと思います。昨日のレース1では集団の中に埋れて順位を上げることができなかったため、今日はピットタイミングをずらして周囲に誰もいないところを走るよう心がけました。自分たちがレースで実現可能なペースに大きな自信を持っていたからです。そして、今日私たちはついに初優勝を記録することができました。スポンサーの方々に深く感謝します。そして、HPDとHondaのエンジンを使って戦っていることを誇りに感じます。本当に楽しいレースでした。見ていた人たちも楽しんでくれたことと思います。ソフトとハード、どちらのタイヤが有利になるかは最後まで確信が持てない戦いで、相手がユーズドのレッド(ソフトコンパウンド)、こちらは新品のブラック(ハードコンパウンド)を最後のピットストップで選択しました。そして、彼のレッドの方がある瞬間に一気にグリップの低下に見舞われたようでした。母国スウェーデンでもインディカー人気が上昇中ですから、優勝して自分の国に楽しいニュースを届けられたことを喜んでいます。世界が厳しい状況下にある中、子どもたちにもインディカーに興味を持ってもらえたらすばらしいですね」

佐藤琢磨(8位)佐藤琢磨
「土曜日のレース1まではマシンのバランスがうまく取れていなかったため、昨晩のうちにセッティングを大きく変更しました。未知の世界に入るのですから、予選はちょっとしたかけになってたんです。予選ではソフトコンパウンドのレッドタイヤを2セット投入しました。決勝レースに向けて犠牲を払った形ですが、そのおかげである程度上位のスターティンググリッドを手にする目的はかないました。決勝のスタートでは、目の前の人たちが大きなクラッシュを起こし、行き場を失った私は、ここ3戦と同じように順位を大きく落としました。しかし、そこから徐々にポジションを上げていき、ピットストップではクルーたちがすばらしい仕事をしてくれました。最終的に8位争いとなったという点で、まだ自分たちが理想としているレースを戦えているとは言えません。しかし、ペンスキー勢とポジションを争うことができたのですから、内容的に決して悪くものではなかったと思います。10位、9位、そして今回は8位と順位が一つずつ上がってきているので、来週のアイオワではそのトレンドの通りに、さらに上位でのフィニッシュを重ねたいと考えています。必ずや上位フィニッシュができるよう、思いきりチャレンジします」

リザルト

順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
110フェリックス・ローゼンクヴィストHonda551:51'22.0391
25P.オワードシボレー55+2.8699
327アレクサンダー・ロッシHonda55+8.6165
48マーカス・エリクソンHonda55+14.2233
588コルトン・ハータHonda55+32.4166
618サンティノ・フェルッチHonda55+35.8881
755アレックス・パロウHonda55+36.7706
830佐藤琢磨Honda55+47.9432
91J.ニューガーデンシボレー55+48.7864
104C.キンボールシボレー55+53.0609
 
129スコット・ディクソンHonda55+54.5347
1626ザック・ヴィーチHonda55+1'06.8352
1760ジャック・ハーヴィーHonda55+1'08.2959
1998マルコ・アンドレッティHonda54+1Lap
2228ライアン・ハンター-レイHonda0+55Laps
2315グラハム・レイホールHonda0+55Laps

ポイントランキング

ドライバー

順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1スコット・ディクソンHonda173
2コルトン・ハータHonda119
3S.パジェノーシボレー110
4P.オワードシボレー110
5J.ニューガーデンシボレー106
6マーカス・エリクソンHonda93
7W.パワーシボレー92
8フェリックス・ローゼンクヴィストHonda88
9グラハム・レイホールHonda88
10サンティノ・フェルッチHonda87
11ライアン・ハンター-レイHonda81
12アレックス・パロウHonda79
13ザック・ヴィーチHonda78
 
16佐藤琢磨Honda69
18アレクサンダー・ロッシHonda66
20ジャック・ハーヴィーHonda49
21マルコ・アンドレッティHonda43
23ジェームズ・ヒンチクリフHonda31

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