スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、テキサスモータースピードウェイでの開幕戦と同じように、第2戦GMRグランプリでもレースの後半を完全に支配下に置くことに成功しました。Hondaエンジン搭載のカーナンバー9を駆ったディクソンはトップでチェッカーフラッグを受け、グラハム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が彼に続く2位でゴール。アメリカの独立記念日にインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースにおいて、Honda勢による1-2フィニッシュが達成されました。
5月に開催予定だったレースが7月にスケジュールし直されたことから、摂氏30℃を越す高温と湿度の高いコンディション下での戦いになりました。ハードタイヤ装着でスタートしたディクソンが、10周を走っただけで1回目のピットストップに滑り込んだのは、序盤のバトルを戦う中でハードタイヤの性能評価を行った結果、残りの70周をソフトタイヤ3セットで走り切る判断を下したからでした。その先はソフトタイヤ装着マシンのパフォーマンスを上げることに集中し、ピットストップでのセッティング調整も成功したことにより、レース後半を目覚ましいハイペースで走り続けて勝利をつかみました。
レイホールはスタート前から2ストップ作戦で行くことに決めていました。序盤から彼のペースは非常に速く、戦いを有利に進めていきました。彼は中盤の3分の1で18周にわたってトップを走りましたが、36周目にルーキーのひとりがクラッシュし、フルコースコーションが出されました。これで戦略によるレイホールの優位は消滅しました。それでも彼はGMRグランプリの昨年度ウイナーであるシモン・パジェノー(シボレー)が終盤戦に仕掛けてきたアタックをかわし切り、表彰台の2段目に上りました。
そのほかにもHonda勢は、コルトン・ハータ(Andretti Harding Steinbrenner Autosport)が4位でフィニッシュし、サンティノ・フェルッチ(Dale Coyne Racing with Vasser-Sullivan)が9位、佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)が10位でゴールしました。
佐藤はスタート直後にサスペンショントラブルに見舞われて26台のフィールドの最後尾まで後退しましたが、フロントウィングやタイヤの空気圧調整でトラブルをカバーし、徐々に戦闘力のあるペースを取り戻し、非常に粘り強いレースを戦っていました。唯一のフルコースコーションが佐藤の戦いに不利なタイミングで出されることもありましたが、フォーカスを失わず闘志にあふれた走りで中団グループでの激しい攻防を戦い抜き、ゴールを目前にしてトップ10入り。そのポジションを守ってゴールへ飛び込みました。
今季2戦で2勝を挙げ、Hondaはインディカー・マニュファクチャラーズ選手権でトップをキープしています。暫定ですが、シボレーの142ポイントに対し、Hondaは182ポイントを獲得しています。
次のイベントはウィスコンシン州エルクハートレイクの風光明媚なロードアメリカで行われるREVグループ・グランプリで、7月11、12日にシリーズ第3戦、第4戦のダブルヘッダーがスケジュールされています。さらに、その翌週にはシーズン2つ目のダブルヘッダーが7月17、18日にアイオワ州ニュートンのオーバルコース、アイオワ・スピードウェイで開催されます。
スコット・ディクソン(優勝)
「レースはずっと、どう展開するのか分からないままでしたね。グラハム・レイホールが、特にハードコンパウンドのブラックタイヤで速かったですから。Hondaエンジンのパワーは素晴らしかったし、2回目のピットストップで施したマシンのセッティング変更によって私たちのマシンはとても運転がしやすくなり、そこからは"チェックアウト "(後続を突き放す)することができました。シーズンの開幕から2連勝を記録できるなんて本当に凄いことだし、とても喜んでいます。これからも自分たちのするべきことに集中し、レースでのさらなる勝利とチャンピオンシップ獲得を目指して戦っていきます」
佐藤琢磨(10位)
「まず最初に、チームメイトのグラハム(レイホール)の2位フィニッシュを祝福したいと思います。彼は今週末、最高の仕事をしてくれました。彼は優勝を望んでいたと思いますが、2位という結果も素晴らしいものです。私のレースは難しいものとなっていました。昨日は駆動系に問題があり、予選ではストレートでコンマ2秒以上のロスをしていました。それで後方グリッドしか手に入れることができませんでした。そして、今日のレースでは1周目あたりでサスペンションにトラブルが発生し、後退していくほかありませんでした。自分が燃料切れを起こすタイミングでフルコースコーションになって、燃料補給だけを行うピットストップを一度行い、ピットがオープンになってからもう1回ピットしなければならない、ということもありました。しかし、最終的には最後尾の26位から10位まで大きくばん回してのフィニッシュができました。ダメージを受けたマシンでしたが、チームがすばらしい仕事をしてくれた結果だと思います。グラハムがすばらしい仕事をしてくれたこともあり、チーム全体が前進をしていると感じています」
順位 | No. | ドライバー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | スコット・ディクソン | ![]() | 80 | 1:41'59.3232 |
2 | 15 | グラハム・レイホール | ![]() | 80 | +19.9469 |
3 | 22 | S.パジェノー | シボレー | 80 | +20.5642 |
4 | 88 | コルトン・ハータ | ![]() | 80 | +25.0882 |
5 | 21 | R.ビーケイ | シボレー | 80 | +25.6361 |
6 | 8 | マーカス・エリクソン | ![]() | 80 | +25.7133 |
7 | 1 | J.ニューガーデン | シボレー | 80 | +31.8973 |
8 | 5 | P.オワード | シボレー | 80 | +33.8363 |
9 | 18 | サンティノ・フェルッチ | ![]() | 80 | +43.0469 |
10 | 30 | 佐藤琢磨 | ![]() | 80 | +44.8913 |
11 | 29 | ジェームズ・ヒンチクリフ | ![]() | 80 | +46.1674 |
13 | 28 | ライアン・ハンター-レイ | ![]() | 80 | +50.4892 |
14 | 26 | ザック・ヴィーチ | ![]() | 80 | +52.2172 |
15 | 10 | フェリックス・ローゼンクヴィスト | ![]() | 80 | +56.6884 |
17 | 60 | ジャック・ハーヴィー | ![]() | 80 | +1'03.8457 |
19 | 55 | アレックス・パロウ | ![]() | 80 | +1'06.4782 |
22 | 98 | マルコ・アンドレッティ | ![]() | 79 | +1Lap |
24 | 45 | スペンサー・ピゴット | ![]() | 74 | +6Laps |
25 | 27 | アレクサンダー・ロッシ | ![]() | 41 | +39Laps |
順位 | ドライバー | マシン | 総合ポイント | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | スコット・ディクソン | ![]() | 104 | ||
2 | S.パジェノー | シボレー | 75 | ||
3 | J.ニューガーデン | シボレー | 64 | ||
4 | コルトン・ハータ | ![]() | 58 | ||
5 | グラハム・レイホール | ![]() | 54 | ||
6 | ザック・ヴィーチ | ![]() | 50 | ||
7 | C.デイリー | シボレー | 46 | ||
8 | P.オワード | シボレー | 42 | ||
9 | ライアン・ハンター-レイ | ![]() | 41 | ||
10 | マーカス・エリクソン | ![]() | 40 | ||
12 | サンティノ・フェルッチ | ![]() | 31 | ||
14 | ジェームズ・ヒンチクリフ | ![]() | 31 | ||
17 | ジャック・ハーヴィー | ![]() | 28 | ||
19 | フェリックス・ローゼンクヴィスト | ![]() | 25 | ||
20 | マルコ・アンドレッティ | ![]() | 24 | ||
21 | 佐藤琢磨 | ![]() | 23 | ||
23 | アレクサンダー・ロッシ | ![]() | 20 | ||
24 | アレックス・パロウ | ![]() | 18 | ||
28 | スペンサー・ピゴット | ![]() | 7 |