Round15アメリカマディソン

2019年08月24日(土)・決勝

Gateway Motorsports Park

第15戦 マディソン

佐藤琢磨が1ラップダウンから劇的な大逆転優勝で今シーズン2勝目
Hondaはシーズン7勝目

先週の第14戦ポコノではスタート直後の多重アクシデントでリタイアした佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)でしたが、ワールドワイドテクノロジーレースウェイでの第15戦で理想的なカムバックを見せ、見事に優勝を飾りました。予選5番手からスタート直後にポジションを落とした佐藤でしたが、ピットタイミングをずらす作戦が功を奏し、レース中盤過ぎから安定した速さを発揮したことでトップに躍り出ました。最後はエド・カーペンター(シボレー)との激しいバトルを展開し、それを制しました。2台がゴールラインに並んで飛び込むスリリングなフィニッシュとなり、0.0399秒差で佐藤がウイナーとなりました。

全長1.25マイルのショートオーバルで248周に渡って争われたレースでは、アクシデントによるフルコースコーションが5回発生しました。タイヤの磨耗が激しく、チームによってピットタイミングが変わって来る戦いになってもいました。3回のピットストップで走り切る作戦を採用したチームもありましたが、4ストップでゴールを目指したチームも、どのタイミングでタイヤ交換と燃料補給を行うか、作戦は分かれました。佐藤を走らせるRahal Letterman Lanigan Racingの採った作戦は完ぺきで、188周目に彼をトップに押し上げることに成功しました。レース序盤に1周の周回遅れに陥っていた佐藤でしたが、燃費セーブとハイペースを両立させる走りで、フルコースコーションを味方につけてリードラップに復帰した上に、トップに躍り出ました。

そしてレース終盤、佐藤よりわずかに遅いピットタイミングだったことでタイヤの消耗でアドバンテージを得ることとなったカーペンターが、ゴール前の24周を使ってグイグイと差を縮めて来ました。しかし、佐藤はトップの座を明け渡すことなく、僅差での勝利をつかみました。今夜の勝利は、佐藤にとって2019年シーズン2回目の優勝となりました。4月にバーミンガムのロードコースで開催されたHondaグランプリオブアラバマ以来となる勝利です。佐藤が1シーズンに複数優勝を記録するのは今年が初めてで、今回の優勝は彼にとってキャリア5勝目となりました。それらの5回の優勝の中には、2017年のインディアナポリス500での勝利も含まれます。

今晩のレースですばらしい走りを見せ、多くのファンを獲得したのはルーキーのサンティノ・フェルッチ(Dale Coyne Racing)でした。ライバル勢を圧倒するスピードで周回を続けたコネチカット州出身の21歳は、最多の97周をリードし、レース終盤にはポイントリーダーのジョセフ・ニューガーデンを2回パスし、トニー・カナーン、エド・カーペンターといった大ベテランたちと3位のポジションを争いました。自己ベストタイの4位フィニッシュは、これで3回目。先週のポコノから2週連続の4位フィニッシュはルーキーとしてはめざましい成績と言えます。

ランキング2番手でチャンピオンの座を争っているアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)は、3ストップでのゴールを目指し、速いペースを保ってレースを戦っていましたが、フルコースコーションの出たタイミングが味方せず、結果は13位でのゴールとなりました。

ディフェンディングチャンピオンで自身6回目のタイトル獲得を目指しているスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、手痛いリタイアを喫しました。1周目のアクシデントで飛び散った他車の破片がラジエターを損傷させ、冷却水が漏れたため、ガレージにマシンを戻して修理を行いました。彼はレースに復帰しましたが、4戦続けて2位以上の結果を残して来たものの、今回は20位となりました。

次の第16戦は来週末にアメリカ西海岸、オレゴン州ポートランドのロードコースで開催されます。昨年、佐藤が優勝したレースです。

コメント

佐藤琢磨(優勝)
佐藤琢磨 「作戦を駆使して戦った私たちに、運が味方してくれたのは確かです。しかし、同時に私たちが今晩とても速かったことも事実です。今日のレースでは二度、ポジションを大きく落とすシーンがありました。トラフィックの処置が難しいレースだったからです。それでも、私たちは優勝を勝ち取りました。Rahal Letterman Lanigan Racingというチームに深く感謝します。信じられないほどすばらしいチームです。今日のレースでポイントとなったのは、最後のピットストップの前のスティントでした。とても速いペースを保ったままスティントを終えることができ、最後のピット作業を行った後もトップを保ち続けることができました。自分がトップを守ったと知り、本当に興奮しました」

リザルト

順位 No. ドライバー マシン 周回数 タイム/差
130佐藤琢磨Honda2482:15'53.4687
220E.カーペンターシボレー248+0.0399
314T.カナーンシボレー248+2.2459
419サンティノ・フェルッチHonda248+4.1935
522S.パジェノーシボレー248+6.2741
659 C.デイリーシボレー248+8.0200
72J.ニューガーデンシボレー248+13.8050
828ライアン・ハンターレイHonda248+14.9394
988コルトン・ハータHonda248+17.1010
1098マルコ・アンドレッティHonda248+18.4657
1110フェリックス・ローゼンクビストHonda248+19.8590
125ジェームズ・ヒンチクリフHonda247+1Lap
1327アレクサンダー・ロッシHonda247+1Lap
1426ザック・ヴィーチHonda247+1Lap
 
167マーカス・エリクソンHonda247+1Lap
1815グレアム・レイホールHonda226+22Laps
1918セバスチャン・ブルデーHonda189+59Laps
209スコット・ディクソンHonda136+112Laps

ポイントランキング

ドライバー

順位 ドライバー マシン 総合ポイント
1J.ニューガーデンシボレー563
2S.パジェノーシボレー525
3アレクサンダー・ロッシHonda517
4スコット・ディクソンHonda493
5W.パワーシボレー416
6佐藤琢磨Honda382
7ライアン・ハンターレイHonda368
8グレアム・レイホールHonda346
9サンティノ・フェルッチHonda326
10フェリックス・ローゼンクビストHonda324
11ジェームズ・ヒンチクリフHonda316
12セバスチャン・ブルデーHonda312
 
14コルトン・ハータHonda282
16マルコ・アンドレッティHonda254
17マーカス・エリクソンHonda252
18ザック・ヴィーチHonda239
22ジャック・ハーヴェイHonda153
24コナー・デイリーHonda124
28ジェームズ・デビソンHonda36
34オリオール・セルビアHonda16
36ジョーダン・キングHonda12

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