昨年、自身5回目となるシリーズ・チャンピオンに輝いたスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、2019年シーズン開幕戦のセント・ピーターズバーグのスタートを予選4番手から切り、2位でゴール。タイトル防衛に向けて順調な滑り出しとなりました。
レースウイークは終日快晴が続き、レースデイは3日間で最も暑い一日となりました。海沿いのリゾート地にある空港と一般道を使った全長1.8マイルの架設コースにはシーズンが始まるのを待ちわびていたファンが集まり、彼らはフロリダらしいトロピカルな雰囲気と、24台のインディカーによる110周のレースを堪能していました。
4番グリッドからスタートしたディクソンは、レースの勝者となるジョセフ・ニューガーデンとのバトルを延々とゴールまで続けました。レース序盤の彼らの戦いは3位のポジションを争うものでした。しかし、2回目のピットストップを終えるまでにポールポジションスタートのウィル・パワー、予選3番手からスタート直後に2番手に浮上したルーキーのフェリックス・ローゼンクビストの前に出たため、ディクソンとニューガーデンとのバトルが優勝争いに変わりました。
3回のピットストップを交えた戦いは、ゴールが近づいた終盤戦になってヒートアップしました。一時は9秒にまでリードを広げていたニューガーデンでしたが、ディクソンがその差を大きく縮めたためです。ゴールまで10周を切ったとき、両者の差は2秒を切っていました。
ルーキーのローゼンクビストは、レースを通じて堂々とした走りを続けていました。スタートでニューガーデンをかわし、そのあとにはパワーを追い抜きます。31周に渡り、トップを走りました。最後までミスなく走り続けて4位フィニッシュというルーキーらしからぬ成績をデビュー戦にして手に入れました。
昨年ランキング2位だったアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)は予選6番手から一つ順位を上げた5位でゴール。ジェームズ・ヒンチクリフ(Schmidt Peterson Motorsports)は6位。Hondaドライバー7人がトップ10でのフィニッシュを達成しました。
ローゼンクビストだけでなく、Hondaエンジンで走るほかのルーキー2人も開幕戦で大活躍。コルトン・ハータ(Harding Steinbrenner Racing)は8位でゴールし、Dale Coyne Racingのサンティノ・フェルッチは9位でした。そして、10位でフィニッシュしたのが、Meyer Shank Racing with Arrow SPM)のジャック・ハーヴェイでした。
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、予選20番手からのスタートながら、徐々にポジションを上げてトップ10入りを果たし、8位でのゴールをほぼ確実なものにしていました。しかし、最後のピットストップに入る直前、コース上のゴミがギアボックス冷却ダクトを塞いでオーバーヒート。ギアチェンジができなくなり、ピットでのリタイアを余儀なくされました。
スコット・ディクソン(2位)
「ハードなレースでした。スタートから休める時間はほとんどなく、全開でのバトルがゴールまで続きました。フルコースコーションは1回しか出ませんでした。ドリンクボトルの故障で、私は走行中に水を補給することができませんでした。そのため、肉体的に非常に厳しい戦いになっていました。私たちのマシンはピットアウト後の10~15周でとても速く、ニューガーデンにプレッシャーを与えることができていました。しかし、さらにラップを重ねるとペースを落とさねばなりませんでした。この部分について、私たちのチームはマシンのセッティングを改善しなくてはなりません」
佐藤琢磨(19位)
「今日のレースではみんなが同じ作戦を採用していました。ソフトコンパウンドのレッドタイヤが導入されて以来、こんなことは初めてだったのではないかと思います。全員がレッドタイヤでスタートしたため、そのあとの作戦もライバルたちと違うものにするのは難しく、順位を上げていくのはたいへん難しい状況でした。しかし、私たちは着実にポジションアップをしていきました。スタート、リスタートで何台かをオーバーテイクすることができましたし、バトルを続けてマシンをパスしたときもありました。ピットタイミングも的確で、私たちは順位を上げていきました。出場車の中でのベストではありませんでしたが、どんどん順位を上げていくことができました。それは非常にポジティブに考えられることでした。しかし、私たちはフィニッシュすることができませんでした。本当に残念です。クルーたちが見せてくれたすばらしいがんばりを考えると、あまりにも悔しいリタイアです。次戦のサーキット・オブ・ジ・アメリカズです。合同テストの結果もいいものでした。ダイナミックなコースでのレースが今から楽しみです」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | J.ニューガーデン | シボレー | 110 | 2:04'18.2588 |
2 | 9 | スコット・ディクソン | ![]() | 110 | +2.8998 |
3 | 12 | W.パワー | シボレー | 110 | +12.7442 |
4 | 10 | フェリックス・ローゼンクビスト | ![]() | 110 | +14.5858 |
5 | 27 | アレクサンダー・ロッシ | ![]() | 110 | +18.3616 |
6 | 5 | ジェームズ・ヒンチクリフ | ![]() | 110 | +31.1596 |
7 | 22 | S.パジェノー | シボレー | 110 | +31.4401 |
8 | 88 | コルトン・ハータ | ![]() | 110 | +40.4700 |
9 | 19 | サンティノ・フェルッチ | ![]() | 110 | +57.6029 |
10 | 60 | ジャック・ハーヴェイ | ![]() | 110 | +59.1909 |
12 | 15 | グレアム・レイホール | ![]() | 109 | +1Lap |
13 | 98 | マルコ・アンドレッティ | ![]() | 109 | +1Lap |
14 | 26 | ザック・ヴィーチ | ![]() | 109 | +1Lap |
19 | 30 | 佐藤琢磨 | ![]() | 75 | +35Laps |
20 | 7 | マーカス・エリクソン | ![]() |
54 | +56Laps |
23 | 28 | ライアン・ハンターレイ | ![]() | 19 | +91Laps |
24 | 18 | セバスチャン・ブルデー | ![]() | 11 | +99Laps |
順位 | ドライバー | エンジン | 総合ポイント | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | J.ニューガーデン | シボレー | 53 | ||
2 | スコット・ディクソン | ![]() | 40 | ||
3 | W.パワー | シボレー | 37 | ||
4 | フェリックス・ローゼンクビスト | ![]() | 33 | ||
5 | アレクサンダー・ロッシ | ![]() | 31 | ||
6 | ジェームズ・ヒンチクリフ | ![]() | 28 | ||
7 | S.パジェノー | シボレー | 26 | ||
8 | コルトン・ハータ | ![]() | 24 | ||
9 | サンティノ・フェルッチ | ![]() | 22 | ||
10 | ジャック・ハーヴェイ | ![]() | 20 | ||
12 | グレアム・レイホール | ![]() | 18 | ||
13 | マルコ・アンドレッティ | ![]() | 17 | ||
14 | ザック・ヴィーチ | ![]() | 16 | ||
19 | 佐藤琢磨 | ![]() | 11 | ||
20 | マーカス・エリクソン | ![]() | 10 | ||
23 | ライアン・ハンターレイ | ![]() | 7 | ||
24 | セバスチャン・ブルデー | ![]() | 6 |