Round17ソノマ
決勝
2018年9月16日(日)
会場 : Sonoma Raceway
カリフォルニアらしい真っ青な快晴の下で開催された2018年インディカーシリーズ最終戦グランプリオブソノマでは、ポールポジションからスタートしたライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)が完ぺきな走りで終始リードを保ち続け、今シーズン2勝目を飾りました。85周のうちの80周をリードする完勝は、彼のキャリア18勝目となりました。
予選2番手だったポイントリーダーのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、冷静な走りで優勝のチャンスを狙いつつも、タイトルを直接争う相手であるアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)のポジションを睨みながらの走行を続けました。優勝してタイトルを決定づけるのが理想ですが、確実にマシンをゴールまで運ぶことが彼と彼のチームにとっては最優先課題でした。そして、過去4回チャンピオンになっているニュージーランド出身のベテランは、完ぺきにその仕事をこなしました。5回のチャンピオンシップ獲得は、インディカーシリーズにおける最多記録に並ぶものです。5度のタイトル獲得を果たしているのは、これまでAJ・フォイトだけでした。
ディクソンの2018年シーズンは、17戦で6位以上が14回という見事なまでに安定したものでした。その上、デトロイト、テキサス、トロントで優勝。彼の優勝回数は44回で、現役ドライバーとしては最多で、インディカー史上では歴代3位にランクされています。彼より多くの勝利を記録しているのは、マリオ・アンドレッティ(52勝)とAJ・フォイト(67勝)だけです。
最終戦でのHondaは、2018年シーズンにおける11勝目を1-2フィニッシュとともに記録しました。1994年から参戦しているHondaにとって、これは7回目のマニュファクチャラーズタイトルです。また、昨シーズンに続いてHondaの5チームすべてが少なくとも1勝をマークしました。その内訳は、ディクソン(Chip Ganassi Racing)が3勝、ロッシが3勝(Andretti Autosport)、ハンターレイが2勝(Andrfetti Autosport)、ジェームズ・ヒンチクリフ(Schmidt Peterson Motorsports)と セバスチャン・ブルデー(Dale Coyne Racing with Vasser/Sullivan)と佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)がそれぞれ1勝を飾りました。
29点差から逆転タイトルを狙ったロッシは、1ラップ目に他車と接触してフロントウイングとタイヤを破損。ピットでそれらを交換し、燃費作戦など多くのことにトライして逆転優勝を狙いました。43周目に出されたフルコースコーションによって、ロッシにはわずかながら優勝のチャンスが生まれました。それを活かすべくロッシは11番手から猛チャージを開始し、5番手までポジションを上げてサーキットを沸かせました。しかし、リスタートからの激しい走りでタイヤに負担をかけたためか、レース終盤はペースが下がって7位でゴール。それでもロッシは自己ベストとなるシリーズランキング2位で2018年シーズンを終えました。
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は12番手スタートから1周目に10番手に浮上し、さらに1台をパスして9番手となり、1回目のピットストップを終えると7番手にポジションアップしました。ところが、ピットアウトした周にマシントラブルが発生。ピットに戻ってレースを終えることとなりました。ポートランドで優勝し、今回もレース用マシンの仕上がり具合がいいと映っていただけに非常に残念な最終戦となりました。ダブルポイントのレースで25位となった結果、佐藤の2018年ランキングは12位となりました。
ライアン・ハンターレイ(優勝 シリーズランキング4位)
「チームにとってすばらしい優勝となりました。クルーたちがすばらしい仕事をしくれました。マシンは最高でした。最終戦で勝てるのはうれしいことです。信じられないほどうれしい。この勝利をロバート・ウィッケンズに捧げます。彼は今、レースでの負傷と戦っています。インディカーは一つの大きな家族です。私たち全員がロバートとともにあります。彼が今日、レースをしていたら、私をもっと苦しめていたと思います。また、スコット・ディクソンのタイトル獲得を称えたいと思います。彼のパフォーマンスには言葉もありません。5回目のタイトル獲得です。驚くべき偉業です。彼と戦えていることを光栄に感じます。そして、今日彼を倒して優勝できたことを喜びたいですね」
スコット・ディクソン(2位 シリーズチャンピオン)
「タイトル獲得はチームの人々のおかげです。ゴールラインを横切るラッキーな仕事を担当しているのは私ですが、彼らのハードワーク無しには成し得ないことなのです。チームオーナーのチップ・ガナッシのためにも、彼のチームのためにも、こうしてタイトルを獲得できたことがうれしくて仕方ありません。彼らには感謝をしても感謝し切れません。チームメートのエド・ジョーンズも本当にがんばってくれました。新スポンサーのサポートにも感謝します。Hondaも驚くべき仕事をし続けてくれています。妻のエマ、そして家に残っている家族にも支えられています。ライバルチームにも感謝したいと思います。Penske、Andretti、彼らとのシーズンを通して激しく戦いました。ロッシは見事でした。彼に今年は本当に苦しめられました。大きな才能を持ったドライバーで、今後多くのタイトルを獲得することになるでしょう。自分がタイトルをまた獲れたなんて、まだ信じることができません」
アレクサンダー・ロッシ(7位 シリーズランキング2位)
「1ラップ目のアクシデントは、何が起こったのかまだわかっていません。マルコ・アンドレッティが早めにブレーキングをしたためなのか、自分の方が判断を誤ったのか。しかし、起きてしまったことは、起きてしまったこと。ディクソンを逆転するのは、もともと非常に難しかったのです。今シーズン、私たち27号車は本当にがんばりました。最終戦がこのようなものになったのは残念です。ミスの後もチームは奮闘し、私に大きなリカバリーを達成させてくれました。ランキング2位という結果は悔しいものですが、来シーズンに向けて大きなものを築き上げることができたと思います」
佐藤琢磨(リタイア シリーズランキング12位)
「いいスタートを切れました。コース上でさらにポジションを上げることもできました。マシンはよく、作戦も的確だと感じていました。しかし、残念なことにメカニカルトラブルでリタイアという結果になりました。シーズンをこのように終えるのは、一生懸命にハードワークを続けてくれているクルーたちにとっても非常に残念です。2週間前、私たちはチームにとって大きなハイライトとなる優勝を飾りましたから、それは2019年シーズンに向けてもいい勢いをもたらしてくれるものと思います。今日、私は来シーズンもこのチームで戦うことを発表できました。ソノマでの最後のレースはがっかりする結果でしたが、2019年シーズンに向けては好感触と、大きな期待を持っています。冬の間にマシンをさらに開発し、強くなって開幕戦を迎えます。チームのみんな、ありがとう。すばらしい1年でした」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 28 | ライアン・ハンターレイ | ![]() | 85 | 2:02'19.1667 |
2 | 9 | スコット・ディクソン | ![]() | 85 | +2.7573 |
3 | 12 | W.パワー | シボレー | 85 | +3.6550 |
4 | 22 | S.パジェノー | シボレー | 85 | +4.6306 |
5 | 98 | マルコ・アンドレッティ | ![]() | 85 | +19.8030 |
6 | 18 | セバスチャン・ブルデー | ![]() | 85 | +21.6393 |
7 | 27 | アレクサンダー・ロッシ | ![]() | 85 | +28.3778 |
8 | 1 | J.ニューガーデン | シボレー | 85 | +34.6288 |
9 | 8 | P.オワード | シボレー | 85 | +42.8662 |
10 | 10 | エド・ジョーンズ | ![]() | 85 | +44.2254 |
11 | 39 | サンティノ・フェルッチ | ![]() | 85 | +44.6273 |
14 | 26 | ザック・ヴィーチ | ![]() | 85 | +1'05.4899 |
15 | 5 | ジェームズ・ヒンチクリフ | ![]() | 85 | +1'12.8026 |
16 | 19 | ピエトロ・フィッティパルディ | ![]() | 85 | +1'14.2459 |
17 | 60 | ジャック・ハーヴェイ | ![]() | 85 | +1'15.6462 |
18 | 6 | カルロス・ムニョス | ![]() | 85 | +1'18.6345 |
23 | 15 | グレアム・レイホール | ![]() | 66 | +19Laps |
25 | 30 | 佐藤琢磨 | ![]() | 15 | +70Laps |
順位 | ドライバー | エンジン | 総合ポイント | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | スコット・ディクソン | ![]() | 678 | ||
2 | アレクサンダー・ロッシ | ![]() | 621 | ||
3 | W.パワー | シボレー | 582 | ||
4 | ライアン・ハンターレイ | ![]() | 566 | ||
5 | J.ニューガーデン | シボレー | 560 | ||
6 | S.パジェノー | シボレー | 492 | ||
7 | セバスチャン・ブルデー | ![]() | 425 | ||
8 | グレアム・レイホール | ![]() | 392 | ||
9 | マルコ・アンドレッティ | ![]() | 392 | ||
10 | ジェームズ・ヒンチクリフ | ![]() | 391 | ||
11 | ロバート・ウィッケンズ | ![]() | 391 | ||
12 | 佐藤琢磨 | ![]() | 351 | ||
13 | エド・ジョーンズ | ![]() | 343 | ||
15 | ザック・ヴィーチ | ![]() | 313 | ||
23 | ザカリー・クラマン・デメロ | ![]() | 122 | ||
24 | ジャック・ハーヴェイ | ![]() | 103 | ||
25 | カルロス・ムニョス | ![]() | 95 | ||
26 | ピエトロ・フィッティパルディ | ![]() | 91 | ||
27 | サンティノ・フェルッチ | ![]() | 66 | ||
29 | コナー・デイリー | ![]() | 58 | ||
34 | ステファン・ウィルソン | ![]() | 31 | ||
35 | オリオール・セルビア | ![]() | 27 | ||
39 | ジェイ・ハワード | ![]() | 12 |