Round16ポートランド
決勝
2018年9月2日(日)
会場 : Portland International Raceway
天候 : 快晴
気温 : 19~20℃
インディカー・シリーズ最終2戦はアメリカ西海岸で行われます。第16戦は2007年(前身のCARTシリーズ)以来となるオレゴン州ポートランドでの開催。ワシントン州との州境を流れる大河、コロンビア・リバー沿いに造られたポートランド・インターナショナル・レースウェイは州内最大の都市であるポートランドのダウンタウンのすぐ北という絶好のロケーションで、11年ぶりに戻って来たインディカーイベントにはとても多くのファンが集まりました。
3日間とも快晴に恵まれ、全長1.964マイルのロードコースは、フラットですがチャレンジングなコーナーを多く配したテクニカルなレイアウトとされています。
スタート直後に中団グループで4台以上が絡むアクシデントがあり、ポイントリーダーのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が巻き込まれ、マシンへのダメージこそ小さかったのですが、最後尾まで順位を下げました。しかし、その後すぐにチャンピオン争いをしているウィル・パワー(Team Penske)が単独アクシデントを起こすなど、レースは波乱の展開が続きました。
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は最初のフルコースコーション中に燃料を補給し、燃費セーブを強く意識した走りで上位を目指し、105周のレースの71周目にトップに立ちました。そのままトップグループに残ることができた佐藤は、最後のピットストップを行ったあとにピットタイミングを違えた作戦のマックス・チルトン(Carlin)の後ろの2番手にいったんは下がりましたが、チルトンが給油のためにピットへと消えるとトップに戻り、その後はライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)とバトル。プッシュトゥパスを巧みに使いながらハンターレイとのリードを1秒程度に保ち、ミスなく走り続けてチェッカーフラッグを受けました。佐藤にとって今シーズン初勝利、キャリア3勝目、常設ロードコースでの初勝利が記録されたのです。
2位はハンターレイ、3位はセバスチャン・ブルデー(Dale Coyne Racing with Vasser-Sullivan)でHondaは今シーズン10勝目を1-2-3フィニッシュの表彰台独占で飾りました。
ポイントリーダーのディクソンは、レース展開も味方につけたスマートな戦いぶりで5位まで大きくポジションをばん回してフィニッシュ。ランキング2番手でポートランドを迎えていたアレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)は、最多リードラップのボーナスポイント2点を稼ぎましたが、展開に作戦を合わせ切れず、持っていたスピードを活かし切れずに8位でのゴールとなりました。ディクソンのポイントリードは26点から29点に広がっています。
佐藤琢磨(優勝) 「今シーズンの私たちは非常に厳しく、難しいレースウイークエンドを2度ほど経験して来ていますが、今日のレースでは最後に出されたフルコースコーションが味方になってくれましたね。もっとも、その前に私たちが決勝に用意したマシンに競争力のあるスピードが備わっていたというのも事実でした。予選は失敗に終わりましたが、そのおかげでレース用に新品のソフトタイヤ2セットを残すことができましたし、2度のピットストップでゴールまで走り切る作戦を選んだのが正解で、それが完全にはまってトップに立ち、最後はライアン・ハンターレイとのバトルを楽しんで、彼にアタックのチャンスをほぼ与えることなくゴールまで走り切ることができました。このような勝利を、これだけたくさん集まってくれたファンの前で飾ることができるなんて、今日は自分の人生でも最高の1日になりました」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 30 | 佐藤琢磨 | 105 | 2:00'09.7537 | |
2 | 28 | ライアン・ハンターレイ | 105 | +0.6084 | |
3 | 18 | セバスチャン・ブルデー | 105 | +1.8266 | |
4 | 21 | S.ピゴット | シボレー | 105 | +4.5557 |
5 | 9 | スコット・ディクソン | 105 | +5.3215 | |
6 | 22 | S.パジェノー | シボレー | 105 | +11.4605 |
7 | 23 | C.キンボール | シボレー | 105 | +12.0057 |
8 | 27 | アレクサンダー・ロッシ | 105 | +13.3769 | |
9 | 19 | ピエトロ・フィッティパルディ | 105 | +18.3753 | |
10 | 1 | J.ニューガーデン | シボレー | 105 | +19.8044 |
12 | 6 | カルロス・ムニョス | 105 | +22.7069 | |
16 | 60 | ジャック・ハーヴェイ | 105 | +32.4191 | |
19 | 26 | ザック・ヴィーチ | 104 | +1Lap | |
20 | 39 | サンティノ・フェルッチ | 101 | +4Laps | |
22 | 5 | ジェームズ・ヒンチクリフ | 76 | +29Laps | |
23 | 15 | グレアム・レイホール | 4 | +101Laps | |
24 | 10 | エド・ジョーンズ | 0 | +105Laps | |
25 | 98 | マルコ・アンドレッティ | 0 | +105Laps |
順位 | ドライバー | エンジン | 総合ポイント | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | スコット・ディクソン | 598 | |||
2 | アレクサンダー・ロッシ | 569 | |||
3 | W.パワー | シボレー | 511 | ||
4 | J.ニューガーデン | シボレー | 511 | ||
5 | ライアン・ハンターレイ | 462 | |||
6 | S.パジェノー | シボレー | 428 | ||
7 | ロバート・ウィッケンズ | 391 | |||
8 | グレアム・レイホール | 378 | |||
9 | セバスチャン・ブルデー | 369 | |||
10 | ジェームズ・ヒンチクリフ | 361 | |||
11 | 佐藤琢磨 | 341 | |||
12 | マルコ・アンドレッティ | 332 | |||
14 | エド・ジョーンズ | 303 | |||
15 | ザック・ヴィーチ | 281 | |||
23 | ザカリー・クラマン・デメロ | 122 | |||
24 | ジャック・ハーヴェイ | 77 | |||
25 | カルロス・ムニョス | 71 | |||
26 | ピエトロ・フィッティパルディ | 63 | |||
28 | コナー・デイリー | 58 | |||
32 | ステファン・ウィルソン | 31 | |||
33 | サンティノ・フェルッチ | 28 | |||
34 | オリオール・セルビア | 27 | |||
37 | ジェイ・ハワード | 12 |