Round11アイオワ
決勝
2018年7月8日(日)
会場 : Iowa Speedway
2018年インディカーシリーズ第11戦アイオワ・コーン300がアイオワ州ニュートンにあるアイオワ・スピードウェイで開催され、予選11番手だったジェームズ・ヒンチクリフ(Schmidt Peterson Motorsports)が今季初優勝を飾りました。今シーズン7人目のウイナー誕生です。そして、Hondaは第11戦で今季6勝目をマークしました。
シリーズ最短、全長が0.894マイルと小さなアイオワ・スピードウェイですが、バンクは最大14度と大きくハイスピードを保ってのバトルが繰り広げられます。今年は新しいユニバーサルエアロキット装着マシンでダウンフォースが大幅減少したため、マシンのコントロールが非常に難しいレースとなり、インディカードライバーたちが見事なスキルを見せながらスリリングで見応えのあるバトルを展開しました。
ハンドリングの決まっているマシンは非常に速く、反対に少しでもセッティングがコンディションにマッチしていないマシンはスピードが伸びないオーバルレースならではの戦いとなり、数多くのサイドバイサイドの戦い、そしてオーバーテイクが見られました。
ヒンチクリフはスタート直後のスピードが目覚ましく、40周で2番手まで大きくポジションを上げました。その後は予選2番手からスタートしてトップに躍り出て、大きなリードを築き上げていたジョセフ・ニューガーデン(Team Penske)を追いかけました。
ヒンチクリフは序盤以上のスピードでトップとの差を縮め、レースが残り50周を切ってからニューガーデンをパス。そこからはリードをグイグイ広げて行く非常に力強いレースでキャリア6勝目へと逃げきりました。
佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)の予選結果は10位でしたが、プラクティス、予選、そしてファイナル・プラクティスと走行を重ねる度にマシンのセッティングを向上させることに成功し、レースに向けてマシンをさらにレベルアップしました。
スタートから確実にポジションを上げて行った佐藤は、300周のレースの225周目にトップに躍り出るほど、レースを戦う中でさらにマシンを速くして行きました。しかし、この最後のピットストップは少しタイミングが遅過ぎ、摩耗したタイヤでの周回が多くなったことで、作業を終えてコースに戻った佐藤の順位は5番手に後退していました。
それでも、佐藤には非常にハンドリングのよいマシンがあるため、あきらめることなく上位4台との差を少しずつ削り取る走りを見せました。その結果、残り周回数が10周というところで、ついに佐藤は(スペンサー・)ピゴットのマシンを射程に捉えました。
ところが、残り6周で彼の目の前を走っていた周回遅れのマシンがハーフスピンし、佐藤と軽く接触。相手側のマシンの破片が飛び散ったことでフルコースコーションが出されました。
佐藤はマシンにダメージがほとんどなかったため、ピットに向かうことなうレース再開を待ちました。しかし、コース清掃には思いのほか時間がかかり、グリーンフラッグはとうとう振られず。新品タイヤ装着でリスタートに臨もうと考えて佐藤の前からピットインしたマシンが2台あり、佐藤はイエローフラッグとチェッカーフラッグが同時に振られる中、3位でゴールラインを横切りました。
ルーキーのロバート・ウィッケンズ(Schmidt Peterson Motorsports)は5位でフィニッシュ。これは今シーズンすでに5回目となるトップ5入りです。そして、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が7位、アレクサンダー・ロッシ(Andretti Autosport)が9位でゴールしました。
ジェームズ・ヒンチクリフ(優勝)
「5月のインディ500で私たちは予選落ちを喫しましたが、今日こうして優勝を飾ることができました。チーム、スポンサーが一丸となって戦い続けて来た結果として得られた勝利には特別なものを感じます。予選での私たちは思うような結果を得られませんでしたが、勝てる可能性が十分にあるマシンに仕上がっていることを感じていました。レースでは、スタートから最初のピットストップまででマシンがすばらしかったのですが、コンディション変化を読んで行なったセッティング調整が少し大き過ぎ、ハンドリングが悪化しました。次のピットストップで今度はセッティングを戻したのですが、それが戻し過ぎでした。しかし、最後のピットストップで施した調整が完ぺきで、マシンは見違えるほどの速さになり、ライバルたちとのバトルを楽しみ、勝利を手にすることができました。ピットクルーたちの奮闘も優勝につながったのは間違いありません。今日またHondaパワーが表彰台のトップに復活し、その勢いを持って私のホームレースであるトロントでの第12戦を迎えることができるのですから最高です」
佐藤琢磨(3位)
「本当に、本当にうれしいです。今日、私とスペンサー(・ピゴット)はサイドバイサイドのバトルを何度も行いました。互いを尊敬したバトルがずっと行われました。ファンにとっても見ていてエキサイティングなレースになっていたのではないでしょうか。表彰台にまた上ることができてうれしいです。Rahal Letterman Lanigan Racingは、意義ある成果を獲得したと思います。今週末の私たちは苦戦気味でしたが、エンジニアたちがファンタスティックな仕事をしてくれたことでマシンはプラクティス、予選、決勝と大きな進歩を続けました。そして最終的に、私たちは非常に競争力の高いマシンを作り上げることになったのです。チームに感謝します」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | ジェームズ・ヒンチクリフ | ![]() | 300 | 1:47'32.4666 |
2 | 21 | S.ピゴット | シボレー | 300 | +2.6491 |
3 | 30 | 佐藤琢磨 | ![]() | 300 | +3.2506 |
4 | 1 | J.ニューガーデン | シボレー | 300 | +4.5296 |
5 | 6 | ロバート・ウィッケンズ | ![]() | 300 | +6.3214 |
6 | 12 | W.パワー | シボレー | 299 | +1Lap |
7 | 15 | グレアム・レイホール | ![]() | 299 | +1Lap |
8 | 22 | S.パジェノー | シボレー | 299 | +1Lap |
9 | 27 | アレクサンダー・ロッシ | ![]() | 298 | +2Laps |
10 | 20 | E.カーペンター | シボレー | 298 | +2Laps |
11 | 18 | セバスチャン・ブルデー | ![]() | 297 | +3Laps |
12 | 9 | スコット・ディクソン | ![]() | 296 | +4Laps |
13 | 10 | エド・ジョーンズ | ![]() | 295 | +5Laps |
16 | 98 | マルコ・アンドレッティ | ![]() | 293 | +7Laps |
18 | 19 | ザカリー・クラマン・デメロ | ![]() | 291 | +9Laps |
19 | 28 | ライアン・ハンターレイ | ![]() | 283 | +17Laps |
20 | 26 | ザック・ヴィーチ | ![]() | 279 | +21Laps |
順位 | ドライバー | エンジン | 総合ポイント | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | スコット・ディクソン | ![]() | 411 | ||
2 | J.ニューガーデン | シボレー | 378 | ||
3 | アレクサンダー・ロッシ | ![]() | 370 | ||
4 | ライアン・ハンターレイ | ![]() | 359 | ||
5 | W.パワー | シボレー | 358 | ||
6 | ロバート・ウィッケンズ | ![]() | 304 | ||
7 | グレアム・レイホール | ![]() | 304 | ||
8 | ジェームズ・ヒンチクリフ | ![]() | 280 | ||
9 | S.パジェノー | シボレー | 279 | ||
10 | セバスチャン・ブルデー | ![]() | 254 | ||
11 | マルコ・アンドレッティ | ![]() | 246 | ||
12 | 佐藤琢磨 | ![]() | 237 | ||
13 | エド・ジョーンズ | ![]() | 222 | ||
17 | ザック・ヴィーチ | ![]() | 165 | ||
22 | ザカリー・クラマン・デメロ | ![]() | 106 | ||
24 | ジャック・ハーヴェイ | ![]() | 53 | ||
25 | カルロス・ムニョス | ![]() | 53 | ||
30 | ステファン・ウィルソン | ![]() | 31 | ||
31 | オリオール・セルビア | ![]() | 27 | ||
32 | サンティノ・フェルッチ | ![]() | 18 | ||
33 | コナー・デイリー | ![]() | 18 | ||
35 | ジェイ・ハワード | ![]() | 12 | ||
39 | ピエトロ・フィッティパルディ | ![]() | 7 |