Round01アメリカセント・ピーターズバーグ

予選

2018.03.10(土)

会場:Streets of St. Petersburg

天気:曇り時々、小雨

気温:21℃

2018年開幕戦ポールポジションはルーキーのロバート・ウィッケンズが獲得
佐藤琢磨はチームを移籍して迎えたシーズン最初のレースで予選5番手

ついに2018年のインディカー・シリーズが始まりました。開幕戦セント・ピーターズバーグの予選では、Schmidt Peterson Motorsportsのレギュラーシートをつかんだカナダ出身の28歳、ロバート・ウィッケンズがルーキーとしての初戦で見事にポールポジションを獲得しました。

フロリダ半島らしい海沿いのリゾート地の生活道路とタンパ湾に面した小さな空港の滑走路を利用したユニークな全長1.8マイルのサーキットで行われた予選は、昨年までと同様に3つのステージで争われました。エントリー24人がまずは2グループに分かれてタイムアタックし、それぞれのグループから6名ずつがセカンドステージへと進出。次に行われる12人での予選でファスト6が選ばれ、ファイナルステージでポールポジションを含むトップ6グリッドを競い合いました。

予選のセカンドステージの途中から小雨が降ったり止んだりという天候となり、ドライバーたちは刻々と変化する路面コンディションを相手に戦わねばならない状況に陥りました。最後まで雨が激しく降ってくることはありませんでしたが、コース路面の滑走路上にペイントされた部分のグリップが極端に低くなっており、最高速からのハードブレーキングでドライバーたちはマシンのバランスを崩していました。しかも、ポツポツと降り続けた雨によってラップごとにグリップが異なる非常に難しいコンディションとドライバーたちは対峙しなくてはなりませんでした。

競争の激しさで知られるドイツツーリングカー選手権(DTM)を戦ってきたウィッケンズは、その経験を活かして果敢に、かつ大胆にコースを攻め続け、見事にマシンをコントロールしきって最終ラップに1分01秒6643という素晴らしいラップタイムを記録。2番手に0.0703秒の差をつけてキャリア初のポールポジション獲得を果たしたのです。

ファスト6に残ったのは経験豊富なベテラン勢3人と、ウィッケンズ同様に大健闘をみせた2人のルーキーでした。そしてHondaドライバーたちは、ウィッケンズのほかにも佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing) とライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)が予選のファイナルステージに駒を進め、佐藤が予選5番手、ハンターレイが6番手に入りました。

佐藤は金曜日のスタートからライバル勢に対して遅れを取りました。最初のプラクティスでマシンのセッティングがコースにマッチしていなかったためです。しかし、金曜のプラクティス2回目、予選日のプラクティス3回目で確実にマシンを向上させ、予選ではグリップの高いソフトタイヤの性能も引き出し、ファイナルステージへと進出。雨が強くなると考えたために、マシンのセッティングが最後のセッションでの路面コンディションに合っていなかったこともあり、5番手という結果で走行を終えました。

ユニバーサルエアロキットと呼ばれる新しい空力パッケージを出場全員が使うレギュレーションとなった今年のインディカー・シリーズ、その最初のレースでHondaはポールポジションを獲得する幸先のいいスタートを切ることができました。

予選7番手はウィッケンズのチームメートのジェームズ・ヒンチクリフ(Schmidt Peterson Motorsports)、9番手は4度のシリーズチャンピオンに輝いているスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)と、Hondaドライバー5人が明日のレースをトップ10からスタートします。

コメント

ロバート・ウィッケンズ(ポールポジション)ロバート・ウィッケンズ 「うれしくて言葉もありません。開幕戦を迎えるにあたって、私は予選でトップ10に入ることを希望していました。ですから、予選のファイナルステージに進めたときには、よし、それなら思いきり楽しんでやろうと考えました。今日の予選ではチームの作戦も最高でした。コースのコンディションに合わせて最後に行ったセッティング変更が完ぺきに当たっていました。予選を戦っている間は自分がどのポジションにつけているのか、まったく分かっていませんでした。予選が終わり、ポールポジションを獲得したと聞かされたときには、ちょっと驚きました。でも、もちろん私はとてもハッピーに感じました」

佐藤琢磨(5番手)佐藤琢磨 「予選を楽しむことができました。ご覧の通り、大変難しいコンディションでの戦いになっていました。もう少し前のグリッドを確保できていたら、もっとうれしかったと思いますが、今日のパフォーマンスおよびリザルトに文句は一切ありません。予選でトップ6に入れましたから、レースに向けてのいいグリッドも手にできました。チームのスタッフ全員が、今日の難しいコンディションに見事な対応をしてくれていました。私をコースへと送り出すタイミングもパーフェクトでした。フロントローグリッドも狙えた状況だっただけに、それを実現できなかったのは悔しいです。しかし、予選より重要なのは明日のレースで力強い走りをみせることのできるマシンを作り上げることです。それが私たちはできていると思います」

予選リザルト

順位 No. ドライバー エンジン タイム
16ロバート・ウィッケンズHonda1'01.6643
212W.パワーシボレー1'01.7346
34M.ライストシボレー1'01.7631
420J.キングシボレー1'01.7633
530佐藤琢磨Honda1'01.8821
628ライアン・ハンターレイHonda1'02.0385
75ジェームズ・ヒンチクリフHonda1'00.9986
888G.シャヴェスシボレー1'01.1191
99スコット・ディクソンHonda1'01.6527
1014T.カナーンシボレー1'01.7213
1227アレクサンダー・ロッシHonda1'07.0377
1418セバスチャン・ブルデーHonda1'00.9587
1526ザック・ヴィーチHonda1'00.4585
1710エド・ジョーンズHonda1'00.5009
1898マルコ・アンドレッティHonda1'01.3013
1960ジャック・ハーヴェイHonda1'01.0270
2219ザカリー・クラマン・デメロHonda1'01.8567
2415グレアム・レイホールHonda1'04.0990

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