6月3日(土)、ミシガン州デトロイト。近年のインディカー・シリーズでは、メモリアルデイにインディアナポリス500(インディ500)を終えた翌週には、アメリカ自動車業界の首都デトロイトで、ダブルヘッダーを開催するのが恒例となっています。
好天に恵まれた金曜日に2度のプラクティスを実施。土曜日はレース1の予選と決勝が行われ、ポールポジションからスタートしたグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が、トップを守り抜いて優勝しました。デトロイトリバーに浮かぶベル島内に特設される全長2.35マイルのコースで争われたレースは、スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が2位、ジェームズ・ヒンチクリフ(Schmidt Peterson Motorsports)が3位でゴールし、Hondaが1-2-3フィニッシュで表彰台を独占しました。
レイホールの戦いぶりは危なげが全くなく、70周のレースの55周をリード。2度のピットストップでゴールまでを走りきるチームの作戦も的確で、同じHondaドライバーのディクソンに6秒もの差をつけて、ゴールラインへと飛び込みました。レイホールにとって、昨シーズンのテキサス以来となる勝利で今シーズン初、キャリア5勝目となりました。レイホールの父親で、彼が走るチームのオーナーでもあるボビー・レイホールは、ベル島で1992年に行われた最初のレースにおけるウイナーです。これで、親子2代のデトロイトウイナーが誕生しました。
インディ500における激しいクラッシュで、左足首を痛めているディクソンですが、それを乗り越えて2位フィニッシュを果たしました。予選6番手から4つもポジションを上げてのゴールにより、彼は今シーズン初めてポイントリーダーとなりました。
ヒンチクリフはスタート直後にスピンを喫しましたが、そこから目覚ましい追い上げを披露。3位でフィニッシュして表彰台に上がりました。スピンを喫してストップしたにもかかわらず、マシンにダメージをほとんど受けず、周回遅れにならなかったのが幸いしました。ピットに戻ってタイヤを新品に交換すると、すばらしいペースをキープしたのです。第2戦ロングビーチでの優勝が示す通り、彼のチームは、非常に高いレベルでストリート用のマシンを仕上げています。
Honda勢はこのほかにも、アレクサンダー・ロッシ(Andretti Herta Autosport w/ Curb-Agajanian)が5位、ミハイル・アレシン(Schmidt Peterson Motorsports)が6位でフィニッシュ。インディ500で優勝したばかりの佐藤琢磨(Andretti Autosport)が8位、エド・ジョーンズ(Dale Coyne Racing)がルーキー最上位の9位でゴールしました。
グレアム・レイホール(優勝)
「勝つことができて最高の気分です。今日のレースではすべてが計画通りでした。昨日、予選で上位グリッドを獲得できればレースは圧勝だ、とコメントしてライバル勢の反感を買いましたが、私たちはその言葉通りのレースができたと思います。自分の発言に自信がありました。明日のレースも楽しみです。今日のこのうれしさは格別です。とても報われた気持ちになっています」
スコット・ディクソン(2位) 「たいへんなレースでした。足首の負傷により、体力面で例年以上に厳しいレースになっていました。今日はクルーたちのすばらしい仕事があって、このように2位でゴールができました。私は力をフルに発揮できていなかったかもしれません。しかし、こうして2位でゴールすることができ、チャンピオンシップポイントをかせげました。すぐにモーターホームで足を冷やさないとならないですね。今晩は十分に休みたいと思います。明日も、予選が非常に重要な意味を持つことになりますから」
佐藤琢磨(8位)
「悔しい結果ですね。私たちは予選でスピードを発揮し、3番グリッドからレースをクリーンにスタートさせました。序盤戦はそのポジションをキープすることもできていました。前を走る2台のペースが少し速く、スタート直後のイエローでブラックタイヤに交換した人たちが速かったこともあって、1回目のピットストップを早目に行う作戦に出ました。そのため、レース終盤に給油のためのピットストップをもう一度行う必要が生じ、上位フィニッシュをあきらめざるを得ませんでした。今日のデータからマシンを作り直し、明日は今日よりも力強いレースをしたいです」
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 15 | グレアム・レイホール | ![]() | 70 | 1:35'48.7028 |
2 | 9 | スコット・ディクソン | ![]() | 70 | +6.1474 |
3 | 5 | ジェームズ・ヒンチクリフ | ![]() | 70 | +9.1688 |
4 | 2 | J.ニューガーデン | シボレー | 70 | +10.0930 |
5 | 98 | アレクサンダー・ロッシ | ![]() | 70 | +25.5556 |
6 | 7 | ミハイル・アレシン | ![]() | 70 | +31.3644 |
7 | 3 | H.カストロネベス | シボレー | 70 | +33.1052 |
8 | 26 | 佐藤琢磨 | ![]() | 70 | +47.4696 |
9 | 19 | エド・ジョーンズ | ![]() | 70 | +53.6531 |
10 | 20 | S.ピゴット | シボレー | 70 | +54.0726 |
11 | 8 | マックス・チルトン | ![]() | 70 | +55.2547 |
12 | 27 | マルコ・アンドレッティ | ![]() | 70 | +58.3402 |
13 | 28 | ライアン・ハンターレイ | ![]() | 70 | +59.1348 |
15 | 10 | トニー・カナーン | ![]() | 70 | +1'01.9596 |
19 | 18 | エステバン・グティエレス | ![]() | 69 | +1Lap |
20 | 16 | オリオール・セルビア | ![]() | 69 | +1Lap |
21 | 83 | チャーリー・キンボール | ![]() | 69 | +1Lap |
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | スコット・ディクソン | ![]() | 275 | |
2 | 3 | H.カストロネベス | シボレー | 273 | |
3 | 26 | 佐藤琢磨 | ![]() | 258 | |
4 | 1 | S.パジェノー | シボレー | 248 | |
5 | 98 | アレクサンダー・ロッシ | ![]() | 220 | |
6 | 2 | J.ニューガーデン | シボレー | 218 | |
7 | 19 | エド・ジョーンズ | ![]() | 207 | |
8 | 5 | ジェームズ・ヒンチクリフ | ![]() | 206 | |
9 | 10 | トニー・カナーン | ![]() | 203 | |
10 | 12 | W.パワー | シボレー | 198 | |
11 | 15 | グレアム・レイホール | ![]() | 198 | |
12 | 8 | マックス・チルトン | ![]() | 189 | |
13 | 28 | ライアン・ハンターレイ | ![]() | 169 | |
14 | 27 | マルコ・アンドレッティ | ![]() | 165 | |
15 | 7 | ミハイル・アレシン | ![]() | 163 | |
18 | 18 | セバスチャン・ブルデー | ![]() | 136 | |
20 | 83 | チャーリー・キンボール | ![]() | 108 | |
26 | 16 | オリオール・セルビア | ![]() | 50 | |
28 | 29 | フェルナンド・アロンソ | ![]() | 47 | |
30 | 63 | ピッパ・マン | ![]() | 32 | |
31 | 77 | ジェイ・ハワード | ![]() | 24 | |
36 | 18 | ジェームス・デイビソン | ![]() | 21 | |
37 | 50 | ジャック・ハーヴェイ | ![]() | 17 | |
41 | 18 | エステバン・グティエレス | ![]() | 11 |