開幕戦セント・ピータースバーグで3位フィニッシュした2012年のインディカー・チャンピオン、ライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)が第2戦フェニックスでもすばらしい戦いぶりを見せた。全長1マイルの伝統あるオーバルコースでハンターレイは目覚しいスタートを切り、リスタートでもオーバーテイクを重ねていった。レース終盤にターン4の壁に接触し、ゴールでの順位は10位となったが、トップ3フィニッシュも可能と見えたすばらしいファイトは、11年ぶりのインディカー・レースを見ようとフェニックス・インターナショナル・レースウェイに集まった観客を沸かせていた。
昨シーズンに2勝を挙げてランキング4位となったグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)は、19番手という後方スタートながら、今季最初のオーバルレースでトップ5フィニッシュを達成した。スピードと燃費セーブを両立させる走りを実現していた彼は、レース前半の125周で6位にまでポジションを浮上させると、上位にポジションを保ったまま走り続け、5位でゴールラインを横切った。
マルコ・アンドレッティ(前)、グレアム・レイホール(後)
ライアン・ハンターレイ
フェニックス決勝でのハンターレイは、二度もピットストップを行ったあとにフルコースコーションが出る不運に遭遇し、大きくポジションを下げた。しかし、切れ味鋭いリスタートでのダッシュによって、ポジションをばん回。最後にマシンにダメージを与えながら、ファイティングスピリットを見せ続けてトップ10フィニッシュに漕ぎ着けた。
佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は、金曜日のプラクティス1の開始早々にアクシデントを起こし、マシンの修理に長い時間が必要とされたために予選に出走できず、夕方に行われたファイナルプラクティスも参加できなかった。インディカーが決勝日のレース前に用意した5分間で、マシンのセッティングを確認した佐藤は、20番グリッドからスタート。完ぺきではないマシンで最後まで走り抜き、15位という結果を手にした。開幕戦セント・ピータースバーグで6位フィニッシュしている佐藤は、フェニックスでの粘り強い戦いぶりによってポイントスタンディング9位(8位と同点)にとどまることに成功した。
インディカー・シリーズの次のレースは、南カリフォルニアのロング・ビーチでのストリート・レースだ。決勝は4月17日に行われる。
佐藤琢磨
佐藤琢磨
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 周回数 | タイム |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | S.ディクソン | シボレー | 250 | 1:49'38.3855 |
2 | 22 | S.パジェノー | シボレー | 250 | +0.6825 |
3 | 12 | W.パワー | シボレー | 250 | +1.7264 |
4 | 10 | T.カナーン | シボレー | 250 | +1.9589 |
5 | 15 | グレアム・レイホール | ![]() | 250 | +2.5272 |
6 | 21 | J.ニューガーデン | シボレー | 250 | +2.7457 |
7 | 8 | M.チルトン | シボレー | 250 | +2.9914 |
8 | 11 | S.ブルデー | シボレー | 250 | +3.9491 |
9 | 2 | J.P.モントーヤ | シボレー | 250 | +4.4548 |
10 | 28 | ライアン・ハンターレイ | ![]() | 250 | +5.2143 |
13 | 27 | マルコ・アンドレッティ | ![]() | 250 | +10.0918 |
14 | 98 | アレクサンダー・ロッシ | ![]() | 250 | +13.0555 |
15 | 14 | 佐藤琢磨 | ![]() | 249 | +1Lap |
16 | 18 | コナー・デイリー | ![]() | 249 | +1Lap |
17 | 7 | ミハイル・アレシン | ![]() | 248 | +2Laps |
18 | 5 | ジェームズ・ヒンチクリフ | ![]() | 248 | +2Laps |
19 | 41 | ジャック・ホークスワース | ![]() | 246 | +4Laps |
20 | 19 | ルカ・フィリッピ | ![]() | 243 | +7Laps |
22 | 26 | カルロス・ムニョス | ![]() | 116 | +134Laps |
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
▲ | 1 | 22 | S.パジェノー | シボレー | 83 |
▲ | 2 | 9 | S.ディクソン | シボレー | 79 |
▼ | 3 | 2 | J.P.モントーヤ | シボレー | 74 |
▼ | 4 | 28 | ライアン・ハンターレイ | ![]() | 56 |
▲ | 5 | 10 | T.カナーン | シボレー | 54 |
▼ | 6 | 3 | H.カストロネベス | シボレー | 53 |
▲ | 7 | 15 | グレアム・レイホール | ![]() | 44 |
▼ | 8 | 7 | ミハイル・アレシン | ![]() | 43 |
▼ | 9 | 14 | 佐藤琢磨 | ![]() | 43 |
▲ | 10 | 8 | M.チルトン | シボレー | 39 |
▼ | 14 | 98 | アレクサンダー・ロッシ | ![]() | 34 |
▼ | 16 | 26 | カルロス・ムニョス | ![]() | 32 |
▼ | 17 | 27 | マルコ・アンドレッティ | ![]() | 32 |
▼ | 18 | 18 | コナー・デイリー | ![]() | 32 |
▼ | 19 | 41 | ジャック・ホークスワース | ![]() | 30 |
▼ | 20 | 5 | ジェームズ・ヒンチクリフ | ![]() | 23 |
▼ | 21 | 19 | ルカ・フィリッピ | ![]() | 20 |
▼ | 22 | 16 | スペンサー・ピゴット | ![]() | 16 |
佐藤琢磨(15位)
「チームにとって大変な週末になっていました。クルーが本当にすばらしい働きをしてくれ、壊れたマシンを修復してくれました。予選だけでなく、ファイナルプラクティスも走れなかった我々は、レース前にハイペースで走れたのが数周でしたが、チームがすべてをコントロール下に置いてくれたことで、私たちはレースを戦うことができました。250周の戦いは厳しく、長く、忘れてしまいたい週末となっていましたが、チームの全員が見事な働きをしてくれた点はよかったと感じています」