決勝日:8月1日(日) サーキット:ミシガン・インターナショナル・スピードウェイ 天候:快晴 気温:31℃
IRL IndyCarシリーズは夏期に2度の3連戦がスケジュールされているが、その前半3連戦の最後を飾るのが今回の第10戦ミシガン・インディ400だ。アメリカ自動車界の首都デトロイトから西に70マイルほどの距離にあるミシガン・インターナショナル・スピードウェイは、インディアナポリス・モーター・スピードウェイに次ぐ全長である2マイルのスーパー・スピードウェイ。そして、Indy500に次ぐ400マイルの長距離を出場22台のマシンが緊迫したハイスピード・バトルで展開した。
目下8連勝中のHonda Indy V-8勢は今回も好調を維持し、ポイントリーダーのトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)がポールポジションを獲得。ルーキーの松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/Gフォース)が予選3位につけ、予選2位だったエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)が決勝を前にエンジン交換により2番グリッドを放棄したため、カナーンと松浦がフロント・ローからレースをスタートすることとなった。この結果、6人のHondaドライバーたちが予選でトップ10入りを果たした。
決勝レースは、ポールポジション・スタートのカナーンが速いペースで183周をリード。コース上では一切アクシデントが起きなかったレース展開となったが、緊迫感の高さがピットでのアクシデントを誘発していた。
200周のレースが156周を迎えたところで4回目のフルコースコーションが発生。残り39周で最後のグリーンフラッグが振られると、カナーンはここでもリードを保ち続けた。トップが交代したのは、190周目のターン3だった。予選6位からスタートしたバディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング/Gフォース)がカナーンを抜き去った。残り4周となった197周目にカナーンは逆襲を試み、ライスの横へと並びかけた。そのままHondaドライバー2人によるトップ争いはゴールまで続き、0.0796秒の僅差でカナーンを抑えきったライスが今シーズン3勝目を獲得した。ダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)が3位でゴールし、Hondaは9連勝を1-2-3フィニッシュで飾った。ヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング/Gフォース)が5位、ブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)が6位と、Honda Indy V-8勢は5人がトップ10フィニッシュを果たした。
2位スタートだった松浦はレース序盤ではカナーンの背後にぴたりとつける2位を走行し、その後も上位フィニッシュが十分に可能なポジションを走り続けていた。しかし、残り23周のターン2で3位のポジションを争う集団を走行中にカストロネベスと接触し、フロントウィングの翼端板を失ったためにトップ5フィニッシュを諦めなくてはならなくなった。ピットでノーズ交換を行って周回遅れとなった松浦は17位でゴールした。
Honda Indy V-8を使うカナーンは、最多リードラップを記録しての2位フィニッシュにより43点を加算。ポイントスタンディング・トップの座をキープしている。ライスはカナーンと並ぶ3勝目をマークし、ポイント差を64点から57点へと縮めた。そして、ランキング3位のウェルドンもチャンピオン争いに踏みとどまっている。ここまでのトップ3はすべてHonda Indy V-8勢である。
今回の勝利によってHondaのマニュファクチャラーズ・ポイントでのリードは26点へと広がった。Hondaは次戦以降、マニュファクチャラーズ・ポイントで2位につけているトヨタより一度でも上位でフィニッシュすれば、今年度のマニュファクチャラーズ・タイトルを手にすることができることとなった。
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