決勝日:7月17日(土) サーキット:ナッシュビル・スーパースピードウェイ 天候:晴れ 気温:30℃
2004年のシーズン後半戦に突入するIndyCarシリーズ第8戦は7月17日(土)、アメリカ南部のテネシー州ナッシュビルでナイター・レースとして開催され、Honda Indy V-8搭載のトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)が今季3勝目を挙げた。
予選でHonda Indy V-8勢はトップ5を独占。まだ日の高い6時15分過ぎにスタートを告げるグリーンフラッグがグランドスタンドを埋めた満員のファンの前で振り下ろされると、予選2位のヴィットール・メイラ(レイホール・レターマン・レーシング/Gフォース)がトップに立った。メイラは113周に渡ってリードを続けたが、ピットでのエンジンストールにより後退し、最後にはギアボックス・トラブルも出たために12位でゴールした。
メイラ後退の後を受けてトップに立ったのは、彼のチームメイトであるバディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング/Gフォース)だった。彼はレース中盤に8秒以上の大差を2位以下に突き付ける独走を見せたが、165周目のピットストップで4位から一気にトップへと浮上して来たダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)と177周目のリスタート直後に接触。どちらも絶妙のマシンコントロールでクラッシュは避けたものの、ライスはフロントウィングに、ウェルドンはタイヤにダメージを受けてポジションを落とし、優勝争いから脱落した。
ナイター照明を浴びながらの戦いとなったレース終盤、トップグループに残っていたHonda Indy V-8ドライバーは、カナーンひとりとなっていた。予選5位から安定したペースで上位を走り続けていたカナーンは、最後のグリーンフラッグが残り12周となる188周目に振られると、サム・ホーニッシュJr.(チーム・ペンスキー)の攻撃を最後まで封じ込め、0.3755秒のリードを保って今シーズン3勝目のチェッカーフラッグを受けた。ライスはアクシデント後にピットでノーズ交換を行い、残り12周で6位までポジションを挽回してゴールした。
ナッシュビルのコースは全長1.33マイルで路面はシリーズ唯一のコンクリート舗装。レースが進むに連れてタイヤ・ラバーが乗ることでグリップが上がる反面、タイヤかすの出たコースのアウト側はスピン、クラッシュの危険を孕んでいる。今日のレースでは7回ものフルコースコーションが発生し、3台がアクシデントによるリタイアを喫した。今回からアクセス・モータースポーツに加わり、今シーズンの残り全戦にHonda・Gフォースで参戦することとなったルーキーのマーク・テイラーは、レースが進むに連れてペースアップする戦いぶりを見せ、キャリア・ベストとなる7位でゴールした。アクセス・モータースポーツのオーナー・ドライバーであったグレッグ・レイは来期に向けてのスポンサー獲得などオーナー業に専念をする。松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/Gフォース)は無線のトラブルでピットとのコミュニケーションができない苦しいレースながら、着実な走りを最後まで続け、9位でゴールした。
これでHonda Indy V-8は第2戦フェニックスから7連勝。カナーンはシーズン3勝目一番乗りを果たし、ポイントリードを大きく広げることに成功。Hondaもマニュファクチャラー・ポイントでの2位との差を17点から20点へと広げた。 |