Hondaホームページへ
Motor Sportsへ
IndyCar Series
スケジュール&リザルトHonda Racing to TOP
第16戦
フォートワース
2003年10月12日 開催
IndyCar Series
To IndyCar Series TOP
 
 
サーキット&TV情報 レースレポート リザルト ポイントスタンディング
 
レースレポート

クリックで拡大できます

5位となったハータ(手前)と10位の安川
最終戦までルーキー・オブ・ザ・イヤーを争ったウェルドンと安川
HondaドライバーとHPDスタッフ
ダン・ウェルドンが自己ベストの3位でゴールし、ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得
■日時 :2003年10月12日(日)
■開催地 :テキサス州ジャステイン
■サーキット :テキサス・モーター・スピードウェイ
■レース距離 :全長1.5マイル
■天候 :晴れ
■気温 :23.4℃
3位となったウェルドンがルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得
3位となったウェルドンがルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得
 3月にスタートした2003年度IRL IndyCarシリーズもいよいよ最終戦を迎えた。スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)、トニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)、サム・ホーニッシュJr. (パンサー・レーシング)、ジル・ド・フェラン(チーム・ペンスキー)という5人のドライバーにシリーズチャンピオン獲得のチャンスが残されていることから、最終戦の500キロのロングバトルには大きな注目が集まっていた。6月に一度すでにレースを行なっているテキサス・スピードウェイでの戦いとあって、各チームともマシンセッティングは6月以上の仕上がりを獲得していた。このため、レースはスタートからゴールまで第5戦を上回る接近戦となった。

 絶好のレース日和と言っていい過ごし易い気候の下、午後3時前にスタートが切られると、チャンピオン候補の5人のドライバーたちを中心としてトップグループが形成された。Hondaドライバーでポイントランキング3位につけているカナーンも予選9位からたった3周で4位までポジションアップし、一時はトップに立つ。トップから最後尾までがほぼ同ペースを保ち、集団のまま全長1.5マイルのコースを周回する息詰まる展開が続き、レースはいよいよ終盤戦へと突入した。

 優勝争いの行方、そしてタイトル争いの行方ともに混沌としたまま、残り周回数は50周を切った。2年連続シリーズチャンピオンのホーニッシュJr.は、152周目に最後のピットストップを行った直後にトラブルによって失速し、ゴールまで24周を残してピットレーンでレースを終えた。

 その後も残された4人のタイトルコンテンダーたちがトップ争いを繰り広げた。そして、ゴールまで20周となった180周目、2位のポジションを争ってターン2をサイド・バイ・サイドで回ったカナーンとカストロネベスのタイヤが僅かに接触。カナーンの左リヤタイヤからはすぐに空気が漏れ出し、スローダウンしてピットに向かった。この2周後にはカストロネベスも同様の理由でスローダウンし、2人のタイトル獲得の希望は絶たれた。

 優勝争いはド・フェラン、ディクソン、そしてHonda Indy V-8勢の一人でルーキーのダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)の間で争われる展開になった。ゴールが近づくにつれてバトルはさらに激化し、残り12周となる188周目のターン3では、Hondaドライバーのケニー・ブラック(チーム・レイホール)とトーマス・シェクター(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が接触し、アウト側にいたブラックのマシンが宙に浮いた後に外側のフェンスに激突した。

 コース上に散らばったマシンの破片を完全に清掃し、安全な状態へと復旧させるのに時間がかかるのは明白で、フルコースコーションのままでゴールになることは間違いない状況となったこと、そして、大きなダメージを受けたターン3のフェンスを修復しない限り、レースの続行は不可能であるとの判断から、レース主催者は予定されていた200周より5周短い195周でチェッカーフラッグを振り下ろした。

 優勝はポールポジションスタートだったド・フェランで、2位でゴールしたディクソンがシリーズチャンピオンの座に初めて就いた。ウェルドンは自己ベストを更新してキャリア初のトップ3フィニッシュを達成、ロジャー安川(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング)を逆転してルーキー・オブ・ザ・イヤー賞を獲得した。安川はギヤボックストラブルに見舞われ、5、6速ギヤを失ったが、粘り強くゴールまでを走り抜き、10位でフィニッシュした。

 ブラックは事故現場からダラス市内のパークランド病院に運ばれ、手足などの負傷部分の検査と治療を受けている。ブラックは重症を負ったが、容態は安定している。


●14位 トニー・カナーン(シリーズランキング4位)
 「チームのみんなには「ごめんなさい」と言った。でも、今日の僕は本当に全力を出し切った。自分たちのできることは全てやったから、僕はこの結果にも満足している。エリオとの接触のようなアクシデントは、レースでは起きてしまうものだ。残念ながら、それは今日起きてしまった。長い1年だった。しかし、とても素晴らしい年だった。来年もまた頑張りたい」

●3位 ダン・ウェルドン(シリーズランキング11位)
 「厳しいレースだった。予選順位の悪かったことは自分たちのレースをさらに難しいものにしていた。しかし、僕のコクピットの後ろには強力なHonda Indy V-8が搭載されており、おかげでトップグループへとポジションを上げて行くことができた。トップグループに食い込んでからは、彼らと同じペースで走り続けることができていた。IndyCarシリーズで初めてトップ3に入ることができた。本当に嬉しい。もっと良い成績を収めるために来年も是非とも参戦したい」

●10位 ロジャー安川(シリーズランキング12位)
 「レース前半は自分たちの考えた通りの展開になっていました。トップグループのペースで問題なく走れていましたから、いい順位でゴールできるものと考えていました。ところが、5速ギヤを失い、それは6速ギヤも使えないことを意味していました。5・6速ギヤが使えなくなってからは、単独で走るのは問題なかったのですが、トラフィックでは戦えない状況になってしまいました。トラフィックの中では誰をパスすることもできず、ゴールまで走り続けることだけを目指すしかなくなりました。ダン(・ウェルドン)の3位入賞、そしてルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得に対しては、オメデトウと言いたいですね。彼はシーズンを通して頑張り続けていました。彼は実力で賞を勝ち取ったと思います」

●5位 ブライアン・ハータ(シリーズランキング13位)
 「今日のマシンのハンドリングは素晴らしかった。勝てるだけの力を秘めたものになっていた。しかし、最後のピットストップでエンジンをストールさせてしまい、勝つチャンスを失ってしまった。まったく残念なことだ。しかし、今の僕の頭にあるのは、ケニー(・ブラック)が早く良くなって欲しいということだけだ」

●8位 グレッグ・レイ(シリーズランキング15位)
 「今日のレースに向けて僕らの目標は高く、大きな期待を抱いてもいた。しかし、レース序盤にはマシンのハンドリングで苦しんだ。ピット・インできるチャンスがあれば、必ずピットに入ってマシンの調整を行うようにしていた。それによってハンドリングはどんどん良くなって行った。レースが終盤を迎えた時、僕はもう誰とでも走れるという自信を手にしていた。残念ながらレースの周回数が減らされ、僕らにはポジションをさらに上げるチャンスは与えられなかった。500キロじゃなく、500マイルのレースであればという感じだ」

●ロバート・クラーク:HPD VP&ゼネラルマネージャー
 「トニー・カナーンとエリオ・カストロネベスが接触する瞬間までは、パーフェクトなレースだった。我々が考えていたとおりの展開になっていた。エンジン、チーム、シャシー、すべてが万全で、ピットストップも素晴らしかった。トニー自身も、ハンドリングはとても良いと言っていた。エンジンは何の問題もなくスムーズにパワーを発揮しており、優勝を賭けた最後の戦いに加わることに対しては何の疑いも持っていなかった。

 我々は我々のなすべきことをすべてやり、チームもトニーもできる限りのことを達成していた。しかし、接触というミスは起きてしまった。我々はこの結果に失望はしていない。やるべきことをすべてやり、競争力の高さと、誰とでもレースを戦うことのできる力を証明したからだ。

 ダン・ウェルドンのルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得を嬉しく思う。彼のシーズンはダリオ・フランキッティの代役という形で少し遅れてスタートしたが、素晴らしい戦いを見せ続けた。アップダウンもあったが、ルーキーとしては高いパフォーマンスを発揮していたと言えるだろう。

 我々のエンジンプログラムは、シーズンを通して大きく進歩した。IRLのプロジェクトは遅れてスタートした。我々はそのことを十分に理解していた。しかし、ホームステッドとフェニックスでの開幕2戦の高成績獲得によって、少しばかり自信をつけ過ぎてしまった面はあった。シーズンが進むにつれ、我々は自分たちの追いつくべき目標は更に高いものにすべきであると知った。コンペティターたちの開発はさらに進んでいたからだ。

 しかし、シーズンを今振り返ると、我々は短時間で大きな進歩を達成したと言えると思う。1シーズンを戦って、我々はIRLというシリーズへの理解を深めることができ、どのような性格のエンジンにして行くべきかなど、多くを学んだ。そして、同じように初めてのシーズンを戦った我々のチームも、IRLというチャンピオンシップ、そしてコースなど、多くを学んだ。来シーズンの我々は、今年よりも遥かに高いレベルで開幕を迎えることができると考えている」

PAGE TOP
フッタ
ホームへ 検索へ お客様窓口へ ご意見・ご感想へ マップへ ホットニュースへ ホームへ