決勝1日目
毎年恒例となっている、ツインリンクもてぎでのトライアル世界選手権。今年は例年にも増して厳しいセクション揃いの戦いとなりました。この戦いで、トニー・ボウ(Repsol Honda Team)はランキングトップをキープするため、チームメートの藤波貴久はトライアルの歴史を作るため、地元で開催されるGPを全力で戦いました。
今回は2016年世界選手権の第2戦。ボウは肩の負傷がまだ癒えておらず、今回も苦しい戦いとなりました。結果は2位となりましたが、ランキングではトップを死守。完全なライディングができない現状を考えれば、これはよい結果といえるでしょう。
ツインリンクもてぎは木曜日に激しい雨に見舞われ、それが厳しいコンディションとなってライダーを苦しめることになりました。湿った泥は滑る路面となり、マシンの行く手を阻みます。そしてライダーの体力を奪っていきます。
そんな中で、ランキングトップをキープする2位入賞という結果は、ボウが現段階でできるほぼ完ぺきな仕事をした結果といえるでしょう。
藤波は、いまや世界選手権一番のベテランとなりましたが、デビューしたときのような闘志をしっかり抱いてトライアルに取り組んでいます。日曜日には、彼自身の300戦目となるトライアルです。記念すべき戦いを前にして、地元で見事表彰台を獲得。これは世界選手権で藤波が経験した154回目の表彰台となりました。
1ラップ目、藤波は大クラッシュがあり、6位から追い上げとなります。1ラップが終わり、痛めたフロント回りを修理したところで追撃を開始しました。2ラップ目、藤波が見事なライディングを披露します。このライディングで、藤波に表彰台の可能性が出てきたのでした。
また、ハイメ・ブスト(Repsol Honda Team)もよい滑り出しを見せました。1ラップ目はボウに1点差の3位。初めての表彰台がいよいよ実現するかという展開でした。ブストはよく戦いきりましたが、追い上げてきた藤波に対し、わずか1点差で表彰台をゆずって、4位という結果に終わっています。
翌日曜日は日本GPの2日目、土曜日同様に12セクションを3ラップする戦いとなります。最終ライダーのスタートは、午前11時です。
トニー・ボウ(2位)
「体調は、前回よりもわずかによくなっていますが、困難はまだ多く残っています。100%の実力を発揮できませんでした。第1セクションで3点となり、出鼻をくじかれることにもなりました。汗をかいて、テーピングがはがれてテープを貼り直さなければならない状況でした。しかし、今日の2位は、そんな状況の私には満足いくものでした。私たちはまだ戦いを続けます」
藤波貴久(3位)
「出だしはとてもよいとはいえませんでした。それでも今日の3位表彰台はとてもよい結果で、うれしいです。第3セクションでのクラッシュはたいへんでした。マシンのフロント回りに大きなダメージを受けて、その後のセクショントライは苦しいものになりました。時間がないので修復はできず、そのまま残るセクションを走りきり、2ラップ目に入る前に修復することになったので、1ラップ目の成績は不本意なものとなりました。マシンと同様にスコアも修復ができ、表彰台獲得という結果だったのは本当に幸いでした。明日もまた、いい結果を出したいと思います」
ハイメ・ブスト(4位)
「今日はいい走りができました。しかし、またもや1点差で表彰台を逃してしまいました。それでもランキング4位をキープしているという結果は満足すべきものだと思っています。セクションは滑りまくりで、ラップごとにコンディションも変化していました。アクセルを開けに開けて難関を克服できたと思います。明日は、さらによい結果を目指したいです」