World Trial 第4戦 イギリス 決勝
2015/06/14

トニー・ボウ、開幕8連勝。ブストが両日5位となる

第4戦目はイギリスでの開催。設定の難しいトライアルは、多くのライダーを苦しめましたが、トニー・ボウ(Repsol Honda Team)は土曜日、日曜日ともに勝利し、開幕以来負けなしの8連勝を飾りました。ハイメ・ブスト(Repsol Honda Team)は両日ともに5位。藤波貴久(Repsol Honda Team)は土曜日が7位と、今季最も厳しい結果となりました。日曜日は6位で終えています。

■決勝1日目

イギリスは雨の多い地域です。降ったり止んだりの天候は、難度の高いセクションをさらに難しくしていました。ところがボウは、1ラップ目にわずか5点というスコアをマーク。2位のA.ラガ(ガスガス)の1ラップ目が16点ですから、その突出した好調ぶりがうかがえます。

しかし、2ラップ目のボウは、第1セクションから第3セクションまで連続で5点となり、やや苦しい状況に。それでも残るセクションをしっかりと走り、減点は21点。トップスコアはラガの18点で、序盤の失敗の影響を最小限にすることができました。

3ラップ目、今度は大きな失敗もなく戦いを続けました。最終12セクションで5点となってしまいましたが、それでも3ラップ目のスコアは15点。ラガに1点差で3ラップ目もトップスコアをマークしました。総減点を41点とし、これでボウは開幕から7連勝です。

チーム加入1年目のハイメ・ブストは5位。2ラップ目までジェロニ・ファハルド(ベータ)と6位争いを展開していましたが、3ラップ目に追い上げて5位の座を獲得しています。

藤波貴久は、1ラップ目に6個の5点をとって、苦しいトライアルとなりました。それでも2ラップ目にはジェイムス・ダビル(ヴァーティゴ)に2点差の5位につけていたのですが、4位から7位までは大接戦。3ラップ目の失敗により、藤波は1日目を7位で終えました。

決勝1日目コメント

トニー・ボウ(優勝)
「今日の試合の流れは、非常に満足のいくものでした。今日のトライアルは、1ラップ目がすべてだったように思います。ここでよい走りができたので、そのあとに失敗があっても落ち着いてばん回できました。今日はラガ選手もよい走りをしていましたから、その勝負に打ち勝つことができて、たいへんうれしいです。7戦を終えて、チャンピオンシップのリードは34点になりました。この時期にこんなに大きなリードをとれるなんて、自分でも信じられないほどです。この勢いが続けられるようにがんばります」

ハイメ・ブスト(5位)
「1ラップ目のセクションはよかったと思います。でも2ラップ目に雨が降ってきて、厳しい戦いになりました。それでも走るたび、試合を重ねるたび、自分が強くなっているという実感があります。このマシン、このチームだからできる成長だと思っています」

藤波貴久(7位)
「今日は苦しい出だしでした。それ以後もなにもいい仕事ができずに終わったという感じです。集中もできず、自信も失ってしまいました。2ラップ目は失敗を抑えられて、少し状況を改善できましたが、3ラップ目の第1セクションで失敗してしまい、5位から7位に脱落してしまいました。これは私の今季ワーストの結果です。明日はこの結果を改善しなければいけません」

ミケール・シレラ監督
「今回の勝利はランキング争いの上でも、たいへん重要なものでした。今日は難しいトライアルになりました。セクションはとても微妙な設定だったので、減点の多い大会になると読んでいました。そんな中でのボウの勝利は、すばらしかったと思います。ブストの5位もよい結果です。しかし、ブストは藤波と同様に多くの5点をとってしまっています。そこが課題であり、ブストがさらに成長するためのポイントだと思います。明日はまた雨が降るということなので、今日と同様に困難な戦いになると思います。よりよい結果を求めて戦います」

■決勝2日目

トニー・ボウは、この日も最高のパフォーマンスを発揮しました。開幕以来、負けなしの8連勝。この結果は、過去最高のリザルトだった2012年に勝るもので、これまで最高のシーズンとなっています。

雨は降り続き、しかも午後になって豪雨となりました。セクションの難易度は増し、たいへん厳しいものとなりました。それでもボウの減点は、1ラップ目の第3セクションでの5点のほかは、わずかしかありませんでした。1ラップ目の減点は8点、2位が24点ですから、土曜日に輪をかけてボウの好調が証明されました。

2ラップ目、ボウはさらに調子を上げて、ラップ減点は2点。1点の減点が二つあっただけでした。2ラップ目はライバルも調子を上げてきましたが、その出鼻をくじく勢いを見せました。

3ラップ目、ボウはますます好調になり、ついに1度も足をつかずに、12セクションを走りきってしまいました。2位のラガも3ラップ目を6点で回り、調子を上げてきたのですが、トータルでは30点の大差をつけて8勝目に花を添えました。

ブストが5位、藤波が6位と、ほかの2人はチームメート同士での争いとなりました。3ラップとも、2人はほぼ同じ減点で進み、わずかの差でブストが5位を獲得しました。

世界選手権第5戦は、6月27日、28日にフランスのアンドンで開催されます。

決勝2日目コメント

トニー・ボウ(優勝)
「とても興奮しています。今日は快適に試合を運べました。1ラップ目も悪くなかったですが、2ラップ目3ラップ目とどんどんよくなっていきました。この結果にたいへん満足しています。ノーストップルールが採用されて、トライアルは非常に厳しいものとなっていますが、ノーストップルールになる前の2012年の勢いを完全に取り戻したという実感を得ています」

ハイメ・ブスト(5位)
「1ラップ目は、とても滑りやすく、難しいトライアルでした。なんとか自分のリズムを取り戻そうと模索したのが、功を奏したのだと思います。この難しい大会で両日とも5位になれたので、今回の結果には満足しています」

藤波貴久(6位)
「セクションは昨日同様に厳しいものでした。いくつか設定が変更され、さらに難しくなっていました。1ラップ目は、多くの5点をとってしまい、厳しい結果となりました。こんなに失敗が続いたのは、私のレースキャリアの中で初めてだと思います。2ラップ目に少し調子を上げることができましたが、それでも結果はよくありません。今回のことは早く忘れて、フランスでは強いフジガスを取り戻したいです」

ミケール・シレラ監督
「今日は非常にうれしい日になりました。ボウは完ぺきなライディングを見せてくれました。藤波は表彰台を目指して戦いましたが、なかなかうまくいきませんでした。フランスまでの2週間で、膝をしっかり休めて、再び上位の戦いに戻ってほしいです。ブストの今シーズンの仕事は、学ぶことだと考えています。ですから、結果については、すべてがボーナスだと思っています。しかし、彼は確実に上位に上りはじめています。3人のそれぞれのライダーの活躍と、チームのスタッフ、すべてに感謝の気持ちを捧げます」

決勝1日目リザルト

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 5 21 15 41 24
2 2 A.ラガ ガスガス 16 18 16 50 13
3 3 A.カベスタニー シェルコ 19 34 25 78 12
4 4 J.ファハルド ベータ 36 36 15 88 12
5 15 ハイメ・ブスト モンテッサ(Honda) 33 37 32 102 9
6 6 J.ダビル ヴァーティゴ 28 39 36 103 7
 
7 5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 39 30 35 104 9
9 14 エディー・カールソン モンテッサ(Honda) 43 40 54 137 2

決勝2日目リザルト

順位 No. ライダー マシン ラップ1 ラップ2 ラップ3 総減点 クリーン数
1 1 トニー・ボウ モンテッサ(Honda) 8 2 0 10 30
2 2 A.ラガ ガスガス 24 10 6 40 22
3 4 J.ファハルド ベータ 34 17 12 63 19
4 3 A.カベスタニー シェルコ 32 23 16 71 16
5 15 ハイメ・ブスト モンテッサ(Honda) 44 24 13 81 12
6 5 藤波貴久 モンテッサ(Honda) 45 27 12 84 12
 
9 14 エディー・カールソン モンテッサ(Honda) 53 48 35 136 3

総合順位

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1トニー・ボウモンテッサ(Honda)160
2 A.ラガ ガスガス126
3 J.ファハルド ベータ114
4 A.カベスタニー シェルコ101
5藤波貴久モンテッサ(Honda)98
6ハイメ・ブストモンテッサ(Honda)82
 
10エディー・カールソンモンテッサ(Honda)40
13小川友幸Honda16
22佐藤優樹Honda1

スケジュール

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