Grand Prix of Italy | ![]() |
2014/06/01 |
トニー・ボウ、気力の勝負でランキングトップに
アラーニャ・ヴァルセージアで開催されたFIMトライアル世界選手権第4戦。前回のヨーロッパ大会で、最大のライバル、アダム・ラガ(ガスガス)にランキングトップの座を奪われていたトニー・ボウ(Repsol Honda Team)でしたが、今回は見事な勝ちっぷりが復活し、ランキングも再びトップに浮上しました。
一方、日本が誇るチャンピオン、藤波貴久(Repsol Honda Team)には残念な一日となりました。結果は6位でランキングは4位に、一つポジションを落としてしまいました。
今回、イタリア大会の会場となったのは、ミラノの北西、約100kmのアラーニャ・ヴァルセージアという町を中心とした高地で、標高は1000m以上にもなります。
地元の町からの1000人以上のギャラリーは、選手たちのライディングに歓声を上げ、シーズン4戦目にしてわが町にやってきた世界選手権を存分に楽しんでいました。山の町の世界選手権は、大成功だったようです。
セクションは町を見下ろすエリアに設営されていて、岩や木立など、すばらしいトライアルフィールドでした。深い霧に覆われていたのは、少し残念でしたが、山岳地帯のこのあたりではよくあること。過ごしやすい暖かな気温でした。
ボウの出だしは、必ずしも順調とは言えませんでした。第2セクションと第6セクションで減点5をとってしまい、さらにいくつかの細かい減点があり、1ラップ目のスコアは19点。しかし最大のライバルとなったラガが3つの5点で苦しんでいました。1ラップ目のラガは21点。わずかですが、ボウがリードをとりました。
2ラップ目、ボウのリードは揺るぎません。このラップ、ボウのスコアは7点で、ただ一人、10点以下の好スコアをマークしました。対してラガは19点。1ラップを残して、14点のリードを奪ったことになりました。
3ラップ目、この日の最終ラップでは、ボウが再び一ケタ減点をマークしました。しかも2ラップ目を上回る6点。ヨーロッパ大会まで3連勝を果たしたラガですが、この日のラガは、残念ながら勝利を許してはもらえませんでした。3ラップ目、17点をマークしたラガは、ボウに27点差をつけられての2位となりました。
ボウが久々の勝利を獲得し、前回ヨーロッパ大会で奪われていたポイントランキングのリーダーの座も、再び奪い返すことができました。しかし、そのポイント差はたったの1点。今年はボウとラガの間で、し烈なタイトル争いが続きそうです。
藤波は、1ラップ目の7番手から2ラップ目に6番手へと浮上し、3ラップ目に21点をマークして、トップライダーとしての実力を見せました。しかし1ラップ目の減点42点があまりに重く、6位となりました。これで藤波は、ランキングでアルベルト・カベスタニー(シェルコ)に3位を譲ってしまうことになりました。カベスタニーには3点差、そしてジェロ二・ファハルド(ベータ)には6点差の、ランキング4位です。
FIMトライアル世界選手権は、このあと約1カ月のインターバルのあと、第5戦は7月13日(日)のベルギー大会となります。
リザルト
順位 | No. | ライダー | マシン | ラップ1 | ラップ2 | ラップ3 | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 19 | 7 | 6 | 32 | 24 |
2 | 2 | A.ラガ | ガスガス | 21 | 21 | 17 | 59 | 17 |
3 | 4 | A.カベスタニー | シェルコ | 22 | 25 | 22 | 69 | 15 |
4 | 3 | J.ファハルド | ベータ | 30 | 21 | 19 | 70 | 13 |
5 | 6 | J.ダビル | ベータ | 37 | 24 | 22 | 83 | 12 |
6 | 5 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 42 | 30 | 24 | 96 | 10 |
総合順位
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | トニー・ボウ | モンテッサ(Honda) | 108 |
2 | A.ラガ | ガスガス | 107 |
3 | A.カベスタニー | シェルコ | 81 |
4 | 藤波貴久 | モンテッサ(Honda) | 78 |
5 | J.ファハルド | ベータ | 72 |
6 | J.ダビル | ベータ | 58 |
コメント
「今日はいい結果を残すことができました。私にとってもすばらしい結果だったし、チームにとってもすばらしかったと思います。1ラップ目に19点の減点をマークしましたが、この時、私はチームの仲間に、2ラップ目と3ラップ目は一ケタで回ってこれると確信を告げていました。セクションはとても滑りやすくなっていました。おそらく、霧の影響だったのではないかと思います。それでもよい走りができました。これでランキングもトップに戻りました。次のベルギー大会まで、少し休憩をして、万全の態勢で次の戦いに臨みます」