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セッティング

RS250R キャブレターセッティングの方向性

RS250R / セッティング情報

各年式別特性

年度 特徴 セッティングの方向性
1997年型〜1998年型 無鉛ガソリン/PJキャブ ピークパワー重視のセッティングとなリます。(MAX回転13000rpm前後)
冬場デトネーションが多発する場合は点火時期を遅角する方向でセッティングを進めます。
1999年型〜2000年型 Pwjキャブレター装着 Pwjが切れてからのエンジンのレブ特性を生かしたセッティングとなります。
MAX使用回転は13750rpm前後。
中速域はスロットルONでハンチングが出るレベルまで濃い方向に持って行くと力強い特性となります。
2001年型〜2004年型 Pwjキャブレター仕様変更 ピークパワー重視(MAX13300rpm前後)。
2000年モデルまでの様にPwjが切れてからのレブ特性はないものの、早めのシフトUPを心がけ、力感のあるピーク回転付近を積極的に使います。

2001年・2002年キャブセッティング

エンジン特性とセッティング

2000年までのモデルとの比較で、さらに中低速を力強い特性にし、コーナー立ち上がりのスピードを重視したのが2000年と2002年のエンジンです。 ECUの点火特性変更やチャンバーの変更に伴い全域でトルクがアップされていますので、コーナー立ち上がりからのスピードを活かした高い最高速も特徴です。 2000年・2002年RSの実際のキャブセッティングでは中速域の力強さを失わない様に注意してセッティングを進めて行くことになります。 特にパワージェット・メインジェットホルダーをHRC推奨から大幅に変更してしまうと狙いである中速での力強さが失われます。 まず始めは推奨セッティングでメインジェットのみ絞って行き、乗ってみてください。 スロットル微開でのもたつき感はジェットニードルのストレート系及びエアースクリュウで、中速域のもたつき感はジェットニードルのクリップ段数をメインにセッティングしていってください。 高回転域のセッティングは3速以上のギヤで13000rpmまで回ることを前提にピストンの焼け・デトカンのカウント(2〜4回)で合わせていってください。 (デトカンのMAX数は10回/kmです。この状態では約30分の走行でピストンのヘッドにうっすらとデトネが発生します。)

点火時期変更

点火時期変更

ACGのステーターベースを目盛り1つ分時計方向(右回転)に回して下さい。(1°遅角する方向)

キャブレター本体のセッティングとして

パワージェット・メインジェットホルダーの推奨オーダーは年間を通して変更の必要はありません。スロットル開度に応じ、ジェットニードル及びエアースクリュウで開けやすく、トルク感のある中低速にセッティングして下さい。スロットル全開の高回転時はメインジェットでの調整となりますが2001年モデルは今までのモデルと比較して、1番(前)と2番(後)のメインジェットが大きく離れる傾向にあります(#15〜#20番位、1番が濃くなる)。メインジェットの1番、2番のオーダーがくっついた状態で走ると、燃焼バランスが悪くなり、高回転(13000rpm以上)で伸びがなかったり、細かな振動を伴うなど本来のポテンシャルを発揮できなくなります。又、片側が極端に濃く、回ろうとしない状態で走ると、もう一方に仕事が集中するので、回ろうとしている側のみデトネーションが多発することもあります。1番2番がピストンの焼け、デトカンのカウント(2〜3回/km)が揃うようにセッティングを進めてもらえればスムーズに回る(3速なら13500rpm、5速13200rpm)エンジンとなるはずです。

基本キャブセッティングデータ

2000年モデル

  10℃以下 15〜25℃ 30℃以上
メインジェット #190/#185 #185/#180 #175/#170
スロージェット #45 #45 #42
ジェットニードル #1267-34 #1268-34 #1269-33
クリップ段数 4 4 3
パワージェット #48 #48 #48
スロットバルブ #5.5 #5.5 #5.5
エアスクリュー 2 2
メインジェットホルダー φ3.9 φ3.7 φ3.7

※上記のデータはあくまでも参考値です。セッティングは気象状況により異なりますので、マシンの状態を確認しながらセッティングを行ってください。

2001年モデル

  10℃以下 15〜25℃ 30℃以上
メインジェット #250/#185 #195/#180 #185/#170
スロージェット #45 #45 #42
ジェットニードル #1267-34 #1268-34 #1269-33
クリップ段数 4 4 3
パワージェット #48 #48 #48
スロットルバルブ #5.5 #5.5 #5.5
エアスクリュー 2 2 2
カプラー モード4 モード4 モード1
IGタイミング -1° ±0° ±0°

※上記のデータはあくまでも参考値です。セッティングは気象状況により異なりますのでマシンの状態を確認しながらセッティングを行ってください。

RS250Rは2001年モデルからパワージェットのカット回転の変更幅が変わりました。
STD:13000rpm、モード2:12750rpm(モード4.については13000rpmでSTDと変更なし)
これは2000年モデルまでがエンジンのオーバーレブ特性を積極的に使っていたのに対し、2001年ではピークパワー付近をより積極的に使う様に変化した為です。
その結果2001 RS250Rにおいてはマップカプラーによってパワージェットのカット回転数をコントロールするだけでなく、ECUの点火特性を変える事が出来ます。
STDのモード1とモード2が同じ点火特性でPWJカット違いであるのに対して、モード4はデトネーションの出やすい12000rpm〜13000rpmで点火特性を遅角させた仕様となっています。

マップモード PWJ CUT Ne 点火特性 備考
1 13000rpm STD 夏BASE
2 12750rpm STD 夏低速コース
4 13000rpm ピーク域で遅角 冬低速コース
4-1℃ 13000rpm 全域及びピーク域遅角 冬BASE

以上の様に2001 RS250Rはコースによってこのモードでなければいけないと言った物は有りませんが、季節によって変更が必要となっています。
特に冬場気温が下がった状態では、夏ベースのモード1から点火特性を遅らせるモード4+(ステーターベース−1°)に変更して下さい。
季節に合わせた点火特性を選ぶ事でポテンシャルを引き出します。
ちなみに点火時期を進める方向にした場合、中低速の力感は良くなる傾向ですが、高回転の伸びは無くなる方向となります。

シフトアップ回転

RS250Rの場合1999年・2000年モデルと2001年モデルではシフトアップ回転が変わってきます。1999年・2000年まではトップエンドの伸びきりの良さをいかし各ギヤ13500rpm前後のシフトに対し、2001年モデルではピークパワー領域を有効に使った13200rpm前後のシフトアップがベストでしょう。

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