デトネーションカウンターから見るセッティング
RS125R / RS250R / セッティング情報
デトネーションとは
デトネーションは、最大出力回転の前後に発生します(12,500rpmがピークの場合12,250rpm〜12,750rpm)この回転数から外れていればデトネーションの発生はほとんどありません。 下図からわかる様に1速・2速ギヤよりも5速・6速の方が加速が遅い為、長くデトネーション発生領域を使用する事となり加減速の多いサーキットより5速・6速での全開キープ時間が長いサーキットの方がデトネーションが発生しやすくなります。レシオ選択でローレシオと12,750rpm以上を多用するようにするとデトネーションが発生しづらくなります。 又、出来るだけメリハリを付けて乗ることでスロットルパーシャル時のデトネーションも出にくくなります。


上図のようにエンジンの出力特性図で全開出力のピーク回転とパーシャルでのピーク回転が変化しています。したがってスロットル開度の変化でデトネーションの発生領域も変化し仮に11,000rpmで全開からスロットルを戻して行く過程で急激に発生する場合があります。
全開領域でカウントを打つときはダメージが出やすいのですが、パーシャル時はダメージが出にくくなります。したがってライダーの乗り方や、コースのレイアウトでカウントが異なりますので自分のベースを見つけて下さい。
デストネーションカウンターの目安
デトネーションカウンターをマシンに取り付けて、セッティングの参考にしている人も多いと思いますが、RS125R・RS250R共にキロ当たり1〜2回を目安にして下さい。
鈴鹿なら1周約6キロですから1周で12回程度が目安となります。
但し前記したようにデトネーションの発生は全開であるメイン領域以外にもパーシャル時などニードル領域でも発生します。カウントされた数値がどの領域で発生しているかを確認し、メイン領域で1〜2回/kmとして下さい。
デトネーション対応
キャブセッティングが特に薄くなくても、デトネーションが発生する事があります。それには以下の様な原因が考えられます。
(1)エンジンメンテで実際にピストンやヘッドにダメージがある場合に考えられる原因。
2次圧縮が高い
点火時期が進んでいる
チャンバーやサイレンサーが交換してある。又つぶれや変形がある
2次エアーを吸っている
燃料ストレーナーやタンクのワンウェイバルブがつまっている
古いガソリンを使っている
MJ以外のJN、SJ、PWJが薄い
パワージェットのカットが早すぎる
(2)エンジンダメージは無いがカウントの数字が多い場合の原因。
カウンターセンサー取り付けトルク異常
カウンターのセンサーやカウンター本体が振動を拾っている
カウンターのコードが電気的ノイズを拾っている
カウンターコードが断線している
カウンターの電圧不足
すでにダメージのあるピストンやヘッドを使っている
(3)エンジンにダメージはあるがカウントしない場合の原因。
センサー締め付けトルクが規定値以下
センサー/カウンターが壊れている
カプラー部の抜け・水入り
キャブ不調(フロートの動き確認)