慣らし走行・暖機・ポジション合わせ
RS125R / RS250R / メンテナンス情報
パワージェットキャップ(Pwj)装着車の暖機
RS125は1998年から、RS250は1999年からキャブレターにパワージェットが装着となりました。このパワージェットはアクセル開度に関係なく、4000回転以下では常に燃料を噴射しているので、暖機時に4000回転以下をキープ又は度々4000回転以下に回転を落とす暖機では、燃料が非常に濃い状態になってカブリ症状が頻繁に繰り返される恐れがあります。
特に冬場はセッティングが濃いめとなるためカブリ易くなります。
暖機の方法
(1) エンジンが始動したら6000rpm〜7000rpmをキープし、スロットル開度を一定にして水温を40〜50℃まで上げる。
(2) 水温が上がってきたら、スロットルをゆっくりと操作し10000rpmまで上昇させる。その後スナップにて暖機を続け水温が55℃位まで上昇したらガソリンコックをOFFにし、水温が60〜65℃又はエンジン回転の吹け上がりが軽くなった時点で暖機を終了する。
(3) エンジンを止める時は、スロットルを全閉にし自然に停止させる。スロットルを開けたままキルスイッチをOFFにしないこと。

慣らし走行
慣らし走行は体調確認、トラブル防止等重要な確認走行です。新車及び部品交換時は必ず慣らしを行うこと。
(1)
・走行距離はマニュアルを参考のこと
・水温は55℃前後
・キャブセッティングはベストより大きく外さないこと(特に薄目は禁物)
(2)
・走行は出来るだけ高いギヤ(5速、6速)のスロットル全開で行うのがBEST。エンジン回転が
上昇し設定回転を超える時は、スロットル全閉、全開をくり返しコントロールすること。
・シフトダウン時のエンジン回転数も慣らし中はあまり上げない様に注意。
(シフトダウンのエンジンブレーキ回転数も徐々に回転を上げて行く)
(3)
・エンジンを止める時は、スロットルを全閉状態で自然に停止させる。スロットルを開けたままキルスイッチをOFFにしないこと。
慣らしが必要な訳
慣らしとは、動く物が抵抗なくスムーズに動く状態にした事です。
もちろんスムーズを通り越してガタが出たのでは問題外です。
スムーズにガタがなくと言うことは、本来動くべき所に正確に、早く抵抗なく動けることで、部品を組み合わせたときに一番性能が出る状態となります。又、良い慣らし方をすると言うことは部品に対してやさしく、ライフをのばし、安定した性能を長く出せると言うことです。
例えば、ピストンの慣らしをするときに慣らし初期で一気に負荷をかけてしまうとピストンの変形をまねき、走行距離が延びた時、すでに変形しているピストンの為、アタリが部分的に強く出るなどピストン以外のシリンダーのライフまでも縮めてしまいます。又、性能面でも良い状態は望めません。慣らしをしっかりすることで、定期交換距離まで安定した性能を維持します。
ポジション
市販マシンであるRSは不特定多数ユーザー対象の為、全てのユーザーに合ったポジションであるとは言えません。
いわば吊しの服みたいなものですから、手足の長さがマシンと合わない事もあるでしょう。
ポジション決定のポイントはライダーがマシン操作がしやすい事ですが、まず大事にしたいのが下半身のマシンホールドと力まない上半身です。
コーナーリング中の突然の滑りに対応して一体感の有る下半身ホールドが重要になります。マシンの持つ旋回力や、微妙なブレーキコントロールに有効なのが、力まない上半身です。
シート高さ、着座位置、ハンドル位置などを自分の体に合わせて変更し、上半身をフリーな状態に、かつ、しっかりとしたマシンホールドを行えるよう、位置を見つけて下さい。又、下半身でのマシンホールドの方法として、くるぶしでマシンを挟み込むようにするとマシンとライダーの一体感が生まれやすくなります。積極的なマシンコントロールを行えるポジションを見つけて下さい。