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お知らせ

2012 MFJ国内競技規則変更点<GPフォーミュラ基本仕様>

2012年のMFJ国内競技規則のロードレースレギュレーション改訂に伴い、変更箇所のご案内をいたします。
尚、規則詳細については「2012 MFJ国内競技規則」をご参照ください。

<付則7>
GPフォーミュラ技術仕様

2012年より全日本選手権J-GP3クラスは、4ストローク化にともない、車両規則が改定された。
世界選手権MotoGPのMoto 3クラスを基本とした部分を追記・改訂し、昨年までのプロト、プロト2、GP-MONO車両も本規則に従い参加できるクラスとなる。
※2011年までのプロト、プロト2、GP-MONO規則は、本規則に統合される。

また、地方選手権においては、引き続き2ストローク車両の参加が認められる。
2ストローク車両の技術仕様は、「国内GPフォーミュラ技術規則」を廃止し、総合仕様の2ストローク車両規則のみとなる。
下記の表は、2012年J-GP3クラス参加車両区分を表す。

<J-GP3クラスに参加できる車両>
J-GP3クラス ライセンス 4ストローク 2ストローク
新4ストローク適合車両 GP125車両
(GP-MONOペース車両含む)
全日本選手権 国際 ×
地方選手権 インタークラス 国際
ナショナルクラス 国内
○参加可能車両   ×参加不可車両

1 : 序論

1-3
用語の定義
改造=オリジナルパーツ (車両公認時に装着されたもの) に対し切削、追加、研磨を行なう行為
変更=オリジナルパーツ (車両公認時に装着されたもの) を、他のパーツに置き換える行為
材質=「鉄、アルミニウム、マグネシウム、カーボンなど」の分類を指し、製造方法まで規制するものではない。各材質は、各々の材質を主成分としたものである。
材質については、必要に応じて製造方法も併記して規制の運用を行う。
素材=材質と製造方法を含む。

1-4
規則の追加、改訂はMFJホームページにて告示される。

3 : エンジン

3-5
J-GP2車両に関する技術仕様は9項 「全日本選手権J-GP2クラス 4ストローク車両技術仕様」による。

3-6
J-GP3 4ストローク車両に関する技術仕様は10項 「J-GP3クラス 4ストローク車両技術仕様」による。

3-7
J-GP3 2ストローク車両に関する技術仕様は11項 「J-GP3クラス 2ストローク車両技術仕様」による。

5 : ギヤ

5-2
電子制御を使ったクラッチ作動システムは認められない。ただし、オートシフターは認められる。

7-1 : 材質

7-1-1
フレーム、フロントフォーク、ハンドルバー、スイングアーム・スピンドル、およびホイール・スピンドルにチタニウムを使用することは禁止される。ホイール・スピンドルに関しては、アルミニウム、マグネシウムの使用も禁止される。
チタニウムのナットとボルトの使用は許可される。
クランクシャフト、カムシャフト、ピストンピンの材質は鉄でなければならない。
ピストン、シリンダーヘッド、シリンダーブロックの構成はカーボン、あるいはアラミド繊維強化材を用いた、複合材であってはならない。

7-11 : ボディーワーク (フェアリング・ウインドスクリーン・フェンダー)

7-11-9
車両の下部フェアリングは、取り付けられていなけらばならず、エンジンの破損または故障時に、そのエンジンに使用されるエンジンオイルおよびエンジン・クーラント総量の最低半分 (J-GP2は最低5リットル、J-GP3は2.5リットル) をフェアリング下部 (オイル受け) で保持できる構造になっていなくてはならない。
フェアリング下部の内側には、オイルを吸収する難燃性の素材が貼られても良い。
フェアリング下部 (オイル受け) の端部は、一番低いところから最低50mmの高さでなければならない。
車両の下部フェアリングには、直径20mm (許容範囲+5mm) の孔を1個または2個設けなければならない。

7-11-10
これらの孔はドライコンディション時には閉じられ、競技監督がウェットレースを宣言した場合、開けなければならない。

7-11-11
転倒時に車両のダメージを最小限に抑えるためのフレームにプロテクティブコーンのとりつけは認められる。プロテクティブコーンは、フェアリング表面より飛び出し量を20mmまでとし、先端のRは10R以上とする。

7-12 ホイール、リム、およびタイヤ

7-12-1
ホイール
ホイールリムに使用される材質はマグネシウム及びアルミニウムのみが認められる。

7-12-3
リムの幅およびリム径は以下のとおりとする。
リムの最大幅およびリム径は以下のとおりとする。

クラス フロント リヤ
直径 直径
J-GP3 2.5インチのみ 17インチのみ 3.5インチのみ 17インチのみ
J-GP2 最大3.75インチ 17インチのみ 最大6.00インチ 17インチのみ

7-12-4-1
レーシングタイヤが使用されなくてはならない。
タイヤには、「NOT FOR HIGHWAY USE」または、「NOT FOR HIGHWAY SERVICE」と表示されていなくてはならない。

7-14 : 燃料タンク及びオイルタンク

7-14-1
燃料タンクの材質は、鉄またはアルミニウムのみが認められる。

7-14-8
オイルキャッチタンクとブリーザーシステム
オイルブリーザーパイプが装着される場合、オイル放出は容易に手が届く場所に設けられたキャッチタンクに行う。このタンクは競技の前に空にしなくてはならない。
4ストローク車両はクローズドブリーザー・システムを採用していなければならない。
すなわちオイル・ブリーザー・ラインはオイル・キャッチタンク、およびエアクリーナー・ボックスに連結され、これに排出する構造となっていること。容量はオイル・キャッチタンクが最低500cc、オイル・キャッチタンクとエアクリーナー・ボックスの合計でJ-GP2最低1000cc/J-GP3最低800ccとする。

7-16 : 音量規制

7-16-8
GPフォーミュラ
音量測定は、下記固定回転数方式が適用される。
エンジン型式および排気量ごとに、エンジンストロークはほぼ同等とみなされるので、測定は下記固定回転数にて実施する。

  1気筒 4気筒
J-GP2 (4ストローク)   7,000rpm
J-GP3 250cc (4ストローク) 6,000rpm  
J-GP3 125cc (2ストローク) 7,000rpm  

7-17 : テレメトリー

7-17-2
データーロガー (データ収取器、コンピューター記録装置など) の使用が認められる。

7-18 : 最低重量

7-18-1
下記が許可される最低車重である :

クラス 車両 最低重量
J-GP2 600cc (4ストローク) 148kg
J-GP3 600cc (4ストローク) ※全日本除く 80kg
125cc (2ストローク) 77kg

7-18-3
車両重量は大会期間中いかなる時においてもマシン重量 (燃料含む) は、最低重量以下であってならない。

7-18-4
車重は最初の車検でチェックされる。しかし、最終的な車重検査は、プラクティスセッション終了後、あるいはレース終了後に実施される。
モーターサイクルの車重は、燃料タンクを装着した状態でガソリン、オイル、水、及び他の液体を含み、すべての追加の装備 (例えばオフィシャルのタイム計測装置、カメラ装備等) を装着した状態で計測される。

7-18-5
全日本選手権J-GP3クラスの最低車両重量は、完全装備のライダー重量と車両重量を合算して145kgとする。
GP-MONOベース車両 (モトクロス、エンデューロエンジンを搭載したもの) は、135kgとする。

10 : J-GP3クラス4ストローク車両技術仕様

本規則は全日本選手権ならび地方選手権J-GP3クラスの4ストローク250cc車両の仕様を定める規則である。参加車両は、下記の技術仕様に適合すること。

10-1 : J-GP3車両の技術仕様

10-1-1
J-GP3車両は、国内競技規則 付則7 GPフォーミュラ技術仕様第1項から7項の基本仕様に適合してなければならない。
ただし、GPフォーミュラ技術仕様第1項から7項と相反する項目は、10-1項が優先される。

10-1-2
クラス
エンジン容積に基づいて下記のクラスに分類される。

クラス エンジン排気量 最大気筒数 エンジン型式
J-GP3 175ccを超え250ccまで 1 4ストローク

10-1-3
エンジン

10-1-3-1
4ストロークレシプロエンジンのみとする。

10-1-3-2
エンジンは自然吸気でなくてはならない。ターボチャージャー、スーパーチャージャーは認められない。

10-1-3-3
エンジンとは吸気システム (スロットルボディ、インジェクター) 及び1つの完全なトランスミッションを含む完全なエンジン本体をいう。

10-1-3-4
最大ボアサイズは81mmとし、楕円ピストンは認められない。

10-1-3-5
空気圧 (ニューマチック) あるいは油圧バルブシステムは認められない。

10-1-3-6
最大1つのスパークプラグが認められる。

10-1-3-7
カムシャフトの駆動システムは必ず一部チェーンによって作動するものとする。

10-1-3-8
可変バルブタイミング及び可変バルブオープニングシステムは認められない。

10-1-3-9
クランクシャフト回転数規制は14,000rpmを上限とする。

10-1-3-10
キャブレターおよびスロットルボディーの口径サイズは自由とする。

10-1-3-11
転倒時に地面と接触する恐れのあるオイルを保持する全てのエンジンケース、カバーは樹脂製の2次カバーによって保護されなければならない。
この全ての2次カバーは、厚さ2mm以上とし、強固な接着剤またはボルトにて適切かつ確実に固定されていなければならない。
また、2次カバーの接着性向上のための、必要最低限のエンジンカバーの塗装の剥離は認められる。
ただし、フェアリングの延長による接触部がカバーされる場合は2次カバーの取り付けなくても認められる。

10-2 : 材質

10-2-1
カムシャフト、クランクシャフト、ピストンピンの材質は鉄でなければならない。
クランクシャフトのバランスを取るために別の材質をインサート (圧入など)する事ができる。

10-2-2
ピストンはアルミニウム合金製でなければならない。

10-2-3
エンジンクランクケース、シリンダーブロック及びシリンダーヘッドはアルミニウム合金鋳物製でなければならない。

10-2-4
コネクティングロッド、バルブ、バルブスプリングの材質は鉄またはチタニウムでなければならない。
ただし、特殊材料 (例 Ti-Al (チタンアルミ) 材、インターメリック材 (Ti-Al、NiAl、FeAl、Cu3Au、NiCo)等の金属間化合物相を基本としている材料) の使用は禁止される。

10-3
インレット (エアファンネル) 及びフューエルシステム

10-3-1
可変長インレットトラクトシステムは認められない。

10-3-2
機械的手段 (例ケーブル) にてライダーによってのみ作動される1つのスロットルコントロールバルブのみ認められる。インジェクターを除き、エンジンインテーク前のインレットトラクトには如何なる作動装置も認められない。ECUによってコントロールされるエアバイパスシステムのアイドリングスピード調整(エンジンブレーキ含む) は認められる。

10-3-3
フューエルインジェクターは、エンジン吸気バルブの上方に位置されなければならない。

10-3-4
最大2つのフューエルインジェクター及び2つの独立したフューエルインジェクタードライバーが認められる。

10-3-5
フューエルインジェクションの燃料噴射圧力 (燃圧) は最大5バール以上あってはならない。
MFJ公認部品として登録された燃料ポンプアッセンブリーのみ使用することが認められる。
この燃料ポンプアッセンブリーは、公認部品の状態から一切改造、変更する事は認められない。
車検長は、如何なる時も、その車両に装着されている燃料ポンプアッセンブリーを他の燃料ポンプアッセンブリーに交換を指示することができる。
GP-MONOベース車両 (モトクロス、エンデューロエンジン搭載したもの) は、そのエンジンに装着された燃料ポンプアッセンブリーのみ使用が認められる。この燃料ポンプユニットアッセンブリーも販売の状態から一切改造、変更することはできない。
ただし、エンジンの型式が同一もしくはエンジンメーカーが指定したモデル内で一切の加工なしで組み付け可能な場合、相互に互換が認められる。

  モトクロッサー 指定エンジン
本田技研工業 CRF250R CRF250X
ヤマハ発動機 YZ250F WR250F
スズキ RMZ250 -
川崎重工業 KX250F -

10-3-6
空気、空気と燃料の混合気、ブリーザーシステムから排出されるガス以外は、吸気管および燃焼室に供給されてはならない。

10-4
エキゾーストシステム

10-4-1
可変長エキゾーストシステムは認められない。

10-4-2
作動するパーツ (例バルブ、バッフル等) をエキゾーストシステムに使用することは認められない。

10-5
トランスミッション

10-5-1
シームレスシフト・ミッションは禁止される。

10-5-2
予告 2013年より全日本選手権においては、トランスミッションギアレシオ、プライマリーレシオのレシオ登録制を導入する。
トランスミッションギア、プライマリーギアには、それぞれ異なる2種類 (2セット) のレシオが認められる。

10-6
イグニッション、電子部品及びデータロガー

10-6-1
MFJ公認部品として登録されたイグニッション/フューエルイグニッションコントロールユニット (ECU) のみ使用することが認められる。
このECUは公認部品の状態からハード、ソフトウエアとも一切改造、変更することは認められない。
ソフトウエアに含まれるセッティング (チューニング) のオプションの変更のみ認められる。
また、車検長は、如何なる場合もその車両に装着されているECUを他のECUに交換を指示することができる。

10-6-2
GP-MONOベース車両 (モトクロス、エンデューロエンジン搭載したもの) は、そのエンジンに装着された 「CDIまたはECU」 のみ使用が認められる。このCDIまたはECUエンジンに装着された状態からハード、ソフトウエアとも一切改造、変更することは認められない。
ソフトウエアに含まれるセッティング (チューニング) オプションの変更のみ認められる。
ただし、エンジン型式が同一もしくはエンジンメーカーが指定したモデル内で一切の加工なしで組み付け可能な場合、相互に互換が認められる。

  モトクロッサー 指定エンジン
本田技研工業 CRF250R CRF250X
ヤマハ発動機 YZ250F WR250F
スズキ RMZ250 -
川崎重工業 KX250F -

10-6-3
ECUにはエンジンrpmリミッターが含まれる。

10-7
フロントフォーク/リヤサスペンション
前後サスペンションの電子制御は禁止。サスペンションシステムとは一般的なメカニカルタイプとする。
アクティブ、セミアクティブサスペンションシステム、サスペンション機能の電子制御による車高調整は認められない。スプリングは鉄を基本としたコイルスプリングでなければならない。

11 : J-GP3クラス 2ストローク車両の技術仕様

11-1
本規則は、地方選手権のインターおよびナショナルクラスのJ-GP3クラスの2ストローク車両 (GP125)に関する追加の技術仕様とする。

11-1-1
2ストローク車両 (GP125) 車両は、国内競技規則 付則7 GPフォーミュラ技術仕様第1項から7項の基本仕様に適合してなければならない。
ただし、GPフォーミュラ技術仕様7-11-9、7-11-10を除く。
また、GPフォーミュラ技術仕様第1項から7項と相反する項目は、本項が優先される。

12 : 部品の買い取り制度

12-2
部品買取価格 (単位 : 円)
J-GP2クラス : フロントフォーク単品左右セット (フォークブラケット含まず) 60万円
J-GP3クラス : エンジン150万円
エンジンとは吸気システム (スロットルボディ、インジェクター) 及び1つの完全なトランスミッションを含む完全なエンジン本体を言う。

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