2010 MFJ国内競技規則変更点<GPフォーミュラ基本仕様>
2010年のMFJ国内競技規則のロードレースレギュレーション改訂に伴い、変更箇所をご案内をいたします。下記をお読みください。
尚、規則詳細については「2010 MFJ国内競技規則」をお読みください。
<付則7>
GPフォーミュラ技術仕様
2 クラス
2-1
エンジン容積に基づいて下記のクラスに分類される。
クラス | エンジン排気量 | 最大気筒数 | |
---|---|---|---|
J-GP3 | 2ストローク | 85ccを超え125ccまで | 1 |
4ストローク | 175ccを超え250ccまで | ||
J-GP2 | 4ストローク | 401ccを超え600ccまで | 4 |
3 エンジン
3-5
J-GP3 GP125(2ストローク)車両のエンジンに関する技術仕様は9項「J-GP3 2ストローク車両の技術仕様」による。
3-6
J-GP3プロト、プロト2車両のエンジンに関する技術仕様は10項「全日本選手権 J-GP3クラス4ストロークプロトタイプ車両技術仕様」による。
3-7
J-GP2車両のエンジンに関する技術仕様は11項「全日本選手権 J-GP2クラス4ストローク車両技術仕様」による。
6 キャブレター
6-2
キャブサイズとはキャブレターの吸入混合気通路最小断面積部分の面積が各クラス別技術仕様のサイズ相当以下であること。この場合、ジェット、ニードル、バタフライシャフト、バルブ、スロットバルブ等の形状、断面積は考慮されないものとする。
7 一般的なアイテム
7-1 材質
クランクシャフト、カムシャフトの基本構造は鉄製でなければならない。ピストン、シリンダーヘッド、シリンダーブロックの構成はカーボン、あるいはアラミド繊維強化材を用いた、複合材であってはならない。
ブレーキキャリパーは弾性率80GPAより小さいアルミニウム材で製造されなければならない。エンジンのいかなる部品も、50GPA (g/p3) より大きい比弾性率をもつ金属材料で製造されてはならない。
7-3 リヤスプロケットガード
7-3-4
スイングアームの補強とリヤスプロケットガードを兼ねることは認められる。
7-4 エキゾーストパイプ
7-4-5
エキゾーストパイプの後端は、リヤタイヤの位置にかかわらず、リアタイヤ後端の垂直線より後ろにあってはならない。
7-6 コントロールレバー
7-6-1
すべてのハンドルバー、レバー(クラッチ、ブレーキなど)は、原則として先端がボール状(このボールの直径は最低19mmとする)となっていなくてはならない。
このボールの上下の面は平らでもよいが、どのような場合においても先端は丸められなくてはならない(平らな部分の厚みは最低14mmとする)。この先端部分は、レバーと完全に一体となっていなくてはならない。
7-7 スロットルグリップ
7-7-1
スロットル・グリップは、手で握っていない時、に自動的に閉じるものでなくてはならない。
7-9 フットレスト
7-9-1
フットレストの先端は、中空でない一体構造の最低半径8mmの球状でなければならない。
7-10 ブレーキ
7-10-4
ブレーキパット脱落防止のためにβピン付きのパッドピンを使っている場合は、βピンにワイヤーロックをしなければならない。
7-10-5
ブレーキキャリパー脱落防止のためのワイヤーロックを目的としてキャリパーボルトへの穴あけが認められる。
7-11 ボディーワーク(フェアリング・ウインドスクリーン・フェンダー)
7-11-3
フェアリングの前端はフロントタイヤの前端から垂直に引かれた線より前に出てはならない。シートカウルの後端はリヤタイヤの位置にかかわらず、リヤタイヤの後端から垂直に引かれた線より後ろに出てはならない。この測定はサスペンションが伸びた状態(空車1G)で測定される(図2参照)。
7-11-4
横から見た場合、下記が見えなければならない。
7-11-5
モーターサイクルのいかなる部分も、リヤタイヤの位置にかかわらず、リヤタイヤの後端から垂直に引かれた線より後方に突出してはならない。
7-11-9-1
空車1G状態のモーターサイクルは、タイヤ以外が路面に接地しない状態で、垂直線から50°以上の角度で傾斜が可能でなくてはならない。
7-12 ホイール、リム、およびタイヤ
7-12-1
ホイール
カーボン製ホイールは禁止される。
J-GP2クラスのホイールの材質はアルミニウムに限定される。
7-12-3
リムの最低直径は400mmとし、最大幅は以下のとおりとする。
クラス | フロント | リヤ |
---|---|---|
J-GP3 | 2.5インチ | 3.5インチ |
J-GP2 | 3.75インチ | 6.00インチ |
J-GP2は、直径17インチのホイールリムに限定される。
7-12-4-1
レーシングタイヤが使用されなくてはならない。
J-GP2クラスは、ST600公認タイヤの使用も認められる。
7-13 ナンバープレート
7-13-1
モーターサイクルのフロントとシートカウルの両サイドにゼッケンナンバーが装着され、観客とオフィシャルが明白に認識できるようにしなければならない。さらに、モーターサイクルのいかなる部分によっても、またはライダーが自分のシートに座った身体によっても隠れてはいけない。
7-13-8
すべてのナンバープレートの数字の周囲には最低25mmの余白が残され、ここにはいかなる広告も表示されてはならない。
7-13-9
ナンバープレートの地色及び数字の色は下記のとおりとする(蛍光色は禁止)。
ナンバープレートの地色は、単色でなければならない。
J-GP3 | 黒地に白文字 | J-GP2 | 緑地に白文字 |
7-14 燃料タンク及びオイルタンク
7-14-1
燃料タンクの最大容量は下記の通りとする。
2ストローク車両:21リットル | 4ストローク車両:18リットル |
7-14-7
オイルキャッチタンクとブリーザーシステム
オイルブリーザーパイプが装着される場合、オイル放出は容易に手が届く場所に設けられたキャッチタンクに行う。このタンクは競技の前に空にしなくてはならない。
オイルキャッチタンクの最低サイズは、クラス別技術仕様に準ずる。
7-16 音量規制
7-16-4
ギヤはニュートラルにしてエンジンを回転させ、所定の回転数域に達するまでエンジンの回転を増していかなくてはならない。測定は所定の回転数に達した時に行うものとする。
7-16-5
回転数は、エンジンのストロークに相応するピストンの平均速度に基づく次の式にて求められる。
7-16-7
音量規制値
ピストンスピード2ストローク13m/sec、4ストローク11m/secで測って105dB/Aまでとする。
レース終了後は3dB/Aの許容誤差が認められる。
7-16-8
GPフォーミュラ
音量測定は、下記固定回転数方式が適用される。
エンジン型式および排気量ごとに、エンジンストロークはほぼ同等と見なされるので、測定は下記固定回転数にて実施する。
1気筒 | 4気筒 | |
---|---|---|
J-GP3 125cc (2ストローク) | 7,000rpm | |
J-GP3 250cc (4ストロークプロト・プロト2) | 6,000rpm | |
J-GP2 (4ストローク) | 7,000rpm |
7-16-9
サイレンサーが1本を超えるエンジンの音量計測は、各エキゾーストパイプの先端で測定される。
7-16-14
メーターの読み方は常に小数点以下を切り捨てとする。(105.9dB/A=105dB/A)
7-18 最低重量
7-18-1
下記が許可される最低重量である:
クラス | 車両 | 最低重量 |
---|---|---|
J-GP3 | 125cc (2ストローク) | 77kg |
250cc (4ストロークプロト・プロト2) | 75kg | |
J-GP2 | ST600公認時フレームを使用の場合 | 148kg |
新作フレーム使用の場合 | 153kg |
9 J-GP3 2ストローク車両の技術仕様
本規則は、全日本選手権、チャレンジカップ選手権、地方選手権のJ-GP3クラスの2ストローク車両(GP125)に関する追加の技術仕様とする。
9-1 2ストローク車両(GP125)
9-1-1
2ストローク車両(GP125)車両は、国内競技規則 付則7 GPフォーミュラ技術仕様第1項から7項の基本仕様に適合してなければならない。
ただし、GPフォーミュラ技術仕様第1項から7項と相反する項目は、本項が優先される。
9-1-2
クラス
エンジン容積に基づいて下記のクラスに分類される。
クラス | エンジン排気量 | 最大気筒数 | エンジン形式 |
---|---|---|---|
J-GP3 | 85ccを超え125ccまで | 1 | 2ストローク |
9-1-3
エンジン
エンジンは2ストロークの原理で作動するもののみとする。
9-1-3-1
エンジンは自然吸気でなくてはならない。
ラム圧は禁止される。
エアーボックスは取り付けなくても良い。
エアーボックスを取り付ける場合には、エアボックス上部は開放し、上端と隣接する部分(例えばフューエルタンク)との間には、40mm以上の隙間を最低100mmの区間で設けなければならない。
走行可能な車両状態でその隙間を確認出来なければならない。
9-1-4
キャブレター
キャブレターのサイズ(気筒あたりの最大径)は直径39mm相当以下。
9-1-5
オイル・キャッチタンクとブリーザーシステム
オイル・ブリーザーパイプが装着される場合、オイル放出は容易に手が届く場所に設けられたキャッチタンクに行う。このタンクは競技の前に空にしなくてはならない。
オイル・キャッチタンクの最低サイズはギヤ・ボックス・ブリーザーの場合250ccとし、エンジン・ブリーザーの場合には500ccとする。
10 全日本選手権J-GP3クラス4ストロークプロトタイプ車両技術仕様
本規則は全日本選手権J-GP3クラスに4ストローク250cc単気筒のプロトタイプ車両の参加を許可することに伴い、その仕様を定めるために制定する。
参加車両(以下プロトと呼ぶ)は、下記の技術仕様に適合すること。
また、GP-MONO用としてメーカーから供給されたエンジンを使用する場合、改造については一定の制限が設けられ、10-2項に定められる。
10-1 プロトタイプ車両の技術仕様
10-1-1
プロトタイプ車両は、国内競技規則 付則7 GPフォーミュラ技術仕様第1項から7項の基本仕様に適合してなければならない。
ただし、GPフォーミュラ技術仕様第1項から7項と相反する項目は、10-1項が優先される。
10-1-3-2
転倒時に地面と接触する恐れのあるオイルを保持する全てのエンジンケースは複合材(カーボンまたはケブラー)の2次カバーによって保護されなければならない。
この全ての2次カバーは、厚さは2mm以上とし、強固な接着剤またはボルトにて適切かつ確実に固定されていなければならない。
10-2 モトクロス、エンデューロエンジンベース(プロト2)の技術仕様
全日本選手権J-GP3クラスにモトクロス、エンデューロエンジンベース車両(以下プロト2と呼ぶ)にて参加する場合の制限について以下に定める。
10-2-1
プロト2車両は、国内競技規則 付則10 GP-MONO技術仕様および以下の規制に適合してなければならない。
ただし、GP-MONO技術仕様と相反する項目は、10-2項が優先される。
10-2-2-4
転倒時に地面と接触する恐れのあるオイルを保持する全てのエンジンケースは、複合材(カーボンまたはケブラー)の2次カバーによって保護されなければならない。
この全ての2次カバーは、厚さは2mm以上とし、強固な接着剤またはボルトにて適切かつ確実に固定されていなければならない。また、2次カバーの接着性向上のための、必要最低限のエンジンカバーの塗装の剥離は認められる。
11 全日本選手権J-GP2クラス4ストローク車両技術仕様
本規則は全日本選手権J-GP2クラスに4ストローク車両の仕様を定めるため制定する。
参加車両(以下J-GP2と呼ぶ)は、下記の技術仕様に適合すること。
11-1 J-GP2車両の技術仕様
11-1-1
J-GP2の車両は、国内競技規則 付則7 GPフォーミュラ技術仕様第1項から7項の基本仕様に適合してなければならない。
ただし、GPフォーミュラ技術仕様第1項から7項と相反する項目は、11-1項が優先される。
11-1-2
クラス
エンジンの容積に基づいて下記のクラスに分類される。
クラス | エンジン排気量 | 最大気筒数 | エンジン形式 |
---|---|---|---|
J-GP2 | 401ccを超え600ccまで | 4 | 4ストローク |
11-2
エンジン
11-2-1
一般生産型モーターサイクルでMFJが公認したST600車両のエンジンでなければならない。
11-2-2
エンジンとは、スロットルボディーを含むエンジン本体をいい、エンジンの変更、改造は下記以外禁止とする。
11-2-3
シリンダーヘッド
シリンダーヘッドは、公認車両の状態に対して燃焼室の研磨およびポーティングのみ認められる。
ベース面の研磨による圧縮比の変更は認められない。
11-2-4
カムスプロケット
公認車両時の状態からカムスプロケットの取り付け穴の変更は認められる。
11-2-5
エンジン内部以外の排気ガス対策装置の取り外し(エンジン外部に装備されたパイプ・チューブ類を取り外し、回路を閉塞すること)は認められる。
11-2-6
クラッチスプリングの変更は認められる。
11-2-7
転倒時に地面と接触する恐れのあるオイルを保持する全てのエンジンケースは、複合材(カーボンまたはケブラー製)の2次カバーによって保護されなければならない。
この全ての2次カバーは、厚さは2mm以上とし、強固な接着剤またはボルトにて適切かつ確実に固定されていなければならない。
また、2次カバーの接着性向上のための、必要最低限のエンジンカバーの塗装の剥離は認められる。
11-2-8
エンジンレブリミッター/スピードリミッター(イグナイター含む)は変更してもよい。
11-2-9
点火時期/スパークプラグ/プラグキャップ/ハイテンションコードは変更しても良い。
11-2-10
ボルト・ナット類は変更しても良い。
11-2-11
キャブレター/フューエルインジェクション
11-2-11-1
キャブレター/スロットルボディーは、MFJが公認した状態を維持しなければならない。
11-2-11-2
フュエルインジェクション・マネージメント・コンピューターアッセンブリーおよびフラッシュRAMは変更してよい。
11-2-11-3
インジェクターは公認されたモーターサイクルに装備されているのと同じものでなくてはならない。
11-2-11-4
エレクトリック、またはメカニカル・エンリッチング(濃くする)・デバイスは、作動しないようにすることができる。また、そのためにデバイス本体を取り外すこと、およびそのための変更は許可される。
11-2-11-5
メカニカル・エンリッチング・デバイスの温水配管の取り外しも認められる。
11-2-11-6
キャブレターのジェット類、およびニードル類のみ変更が認められる。
11-3
フレーム
11-3-1
フレームは、MFJが公認した車両のフレームまたは新作フレームを使用することができる。
フレームによって車両の最低重量が異なる。
最低重量は付則7GPフォーミュラ技術仕様7-18項に定められる。
11-3-2
MFJが公認した車両のフレームの改造は許可される。
11-4
フロントフォーク
11-4-1
フロントフォークのアウターチューブ・インナーチューブはMFJが公認した車両のものを使用しなければならない。
11-4-2
フロントフォークの内部パーツは改造または変更することができる。
11-4-3
フォーク・キャップは、外部から調節できるように改造、または交換することができる。
11-4-4
車両公認時のフォークチューブ(フォークパイプ)の表面仕上げは変更しても良い。
追加の表面処理が認められる。
11-5
リヤフォーク(スイングアーム)
11-5-1
リヤフォークは車両公認時のものから変更または交換することができる。
11-6
ボディーワーク(フェアリング・ウインドスクリーン・フェンダー)
11-6-1
車両には下部フェアリングを、取り付けなければならず、エンジンの破損または故障時に、そのエンジンに使用されるエンジンオイルおよびエンジン・クーラント総量の最低半分をフェアリング下部(オイル受け) で保持できる構造になっていなければならない。
フェアリング下部 (オイル受け) の端部は、一番低いところから最低50mmの高さでなくてはならない。
11-6-2
車両の下部フェアリングは、直径20mm以上(許容範囲+5mm)の孔が1個または2個開けられるものとする。
これらの孔はドライコンディション時には閉鎖され、競技監督がウェットレースコンディションを宣言した場合にのみ開けられる。
11-6-3
クローズドブリーザー・システム
車両はクローズドブリーザー・システムを採用していなければならない。すなわちオイル・ブリーザー・ラインはオイル・キャッチタンク、およびエアクリーナー・ボックスに連結され、これに排出する構造となっていること。
容量はオイル・キャッチタンクが最低500cc、オイル・キャッチタンクとエアクリーナー・ボックスの合計で最低1000ccとする。
11-7
ナンバープレート
11-7-1
7-13項ナンバープレートに合致していなければならない。シートカウルの両サイドにスペースを確保できない場合は、シートカウル上部で数字の上部をライダーに向けるようにゼッケンナンバーが装着され、観客とオフィシャルが明確に認識できるようにしなければならない。
シートカウル上部のゼッケンサイズはフロントナンバーと同じサイズでなければならない。
この場合、アンダーカウルの左右両面にサポートナンバーを付けなければならない。
サポートナンバーの貼り付け位置は、アンダーカウル内で、前後のタイヤの上端を結ぶ線の下部内とし、アンダーカウル後端部を推奨位置とする。
サポートナンバーの最低寸法は、2桁ゼッケン幅185mm×150mm、3桁ゼッケンの最低幅は260mmとする。
ナンバーの地色は、自由とし、文字の色は黒か白文字とする。いかなる場合においても、文字は判別しやすいようにしなければならない。
11-7-2
数字の最低寸法は下記のとおりとする。
フロントナンバーおよびシートカウル上部の寸法は
最低高:140mm
最低幅:80mm(1の場合 25mm)
数字の最低の太さ:25mm
数字間のスペース:15mm
サイドナンバー及びサポートナンバーの寸法は
最低高:120mm
最低幅:60mm(1の場合 25mm)
数字の最低の太さ:25mm
数字間のスペース:15mm
12-1 出場車両
12-1-1
GP125車両はMFJ公認車両のみとする。
12-1-2
GP125車両は国内競技規則およびGPフォーミュラ技術仕様第1項〜第7項の基本仕様に示されているすべての条項に適合していること。
- 2010年度 MFJ国内競技規則変更点
- ロードレース競技規則
- 全日本ロードレース選手権大会特別規則
- GPフォーミュラ技術仕様
- JSB1000技術仕様
- ST600技術仕様
- GP-MONO技術仕様
- ST250F技術仕様
- 耐久レース技術仕様
- モトクロス競技規則
- 全日本モトクロス選手権大会特別規則
- モトクロス基本仕様
- 国内モトクロスの仕様
- トライアル競技規則
- 全日本トライアル選手権大会特別規則
- トライアル基本仕様