※リザルトは暫定結果であり、現在主催者側による審議が行われています。正式結果が確定し次第、本サイトを更新します
ステージ9でエンジン冷却用のラジエターに枝が刺さるトラブルにより、優勝争いから一歩後退する形になったTeam HRCのパウロ・ゴンサルヴェス。しかし、いくつかの幸運とチームメートに助けられ、ダカールラリー後半戦の山場である、マラソンステージ(ビバークでチームからのサポートを受けずに2日間を走るステージ)を終え、トップと6分1秒差のステージ4位で、チームが待つラ・リオハのビバークへと到着しました。
序盤同様、天候の影響がラリーに再び影響を与えました。豪雨の影響でルート上を横切る川の水位が上がり、午前7時から予定されていたスタートが見合わせられ、1時間後の午前8時からレースが始まりました。それでも、フィニッシュ手前にある川の水位は高く、結果的にステージ10は、30kmほど短縮されて終了となりました。なお、通常はカテゴリー別にスタートするラリーですが、このステージ10では2輪、4輪、トラックの各クラスのリザルト上位者が同じグループでスタートを切るという、新たな試みがされました。
長い砂丘ステージが設定されたこのステージを、ゴンサルヴェスはマシンをいたわりつつ走りきり、ステージ4位のタイムで明日へとつなげました。また、ダカール初挑戦のリッキー・ブラベックも、ステージ8位で調子を上げています。サポートライダーとしての仕事をこなし、チームに貢献したパオロ・セッシは24位でこの日を終えました。
一方、マイケル・メッジは今朝のスタートを切れませんでした。メッジは「ゴンサルヴェス選手のトラブルを修復できてとてもよかった。ただ、自分のスタートを迎えたとき、マシンにトラブルが起き、修復を試みましたが、スタートを切ることができませんでした。残念ながら、私のラリーはここで終わります」と状況をコメントしています。
Honda South America Rally Teamのケビン・ベナバイズは、この日もすばらしい活躍をみせます。このステージを制したKTMのステファン・ソヴィッツコ(スロバキア)、総合トップであるKTMファクトリーチームのトビー・プライス(オーストラリア)と、終盤までマッチレースを続け、2分54秒差の2位でこのステージを終えました。Honda Brasilのアドリアン・メッジはステージ12位でフィニッシュし、残りのステージへと挑みます。
ラ・リオハのビバークでは、残す3ステージに向け、CRF450 RALLYを徹底的にメンテナンスし、ラリーのゴールを目指します。
パウロ・ゴンサルヴェス(ステージ10 4位/総合 8位)
「今日は積極的にいきました。スタートはトラックの後ろで、あまりよくはなかったです。砂地はコンディションが変わりやすい状況でしたが、私はスムーズに走れました。なにも問題なくフィニッシュできてよかったです。私はまだトップグループにいて、明日を戦うためにマシンをセットアップしています。火曜日のマラソンステージで起こった出来事は、勝利を難しくしました。しかし、まだ終わってはいません。あの出来事のあとも私はここにいて、とてもポジティブです。私は明日からも、毎日いいペースをキープしたいのです」
ケビン・ベナバイズ(ステージ10 2位/総合 5位)
「いいステージでした。転倒しましたが、大したことはありません。コースは難しかったですね。ルートを見つけ出さなければならないですし、大雨の影響で川の増水があり、マディなところも多かったです。この辺りでは珍しいことです。砂丘はウエットで緩んでいました。プライス選手とソヴィッツコ選手とバトルをしました。ミスコースすることなく、タイムロスもなく、速いタイムでステージを終えられてうれしいです。ラリーの終わりも近いです。私としては、プレッシャーを感じることなく集中したいです」
本田太一 | プロジェクトリーダー
「ラリー2度目のマラソンステージが終わりました。初日、ブッシュ(低木)が生い茂ったエリアを走行中、ゴンサルヴェス選手が乗るマシンのラジエターに枝が当たり、冷却水が漏れるトラブルが発生しました。ダメージがエンジンに及び、ビバークでライダーたちが協力して、エンジンのシリンダーから上を交換。ゴンサルヴェス選手をラリーに復帰させました。今日のゴンサルヴェス選手は慎重に走って4位。今回が初のダカールであるブラベック選手も、ラリーに馴れてきて好調なペースで走っています。残りが少なくなりましたが、全力でダカールと戦います。応援よろしくお願いします」
※レポート、コメントは暫定結果に基づくものです。
TOMORROW'S STAGE
STAGE 11
ラ・リオハ 〜 サン・フアン
リエゾン(移動区間):281km スペシャルステージ(競技区間):431km 総移動距離:712km
2016年のダカールラリーも残すところ3日。ライバルとのタイム差を広げる、縮めるという機会が多くないことは、理解いただけるだろう。ただ、そのチャンスはまだ残されている。明日のステージは距離が長いからだ。ルートは山脈に沿うように、やや南西に向かってサン・フアンへ。サンド路面を主体に、時に現れるフェシフェシ(沈殿土がパウダー状に溜まった場所。走りにくく、たくさんの埃が上がる)が立ちはだかる。巧さと忍耐が必要になるが、ルートには砂利路面のハイスピードな直線も含まれる。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | S.ソヴィッツコ | KTM | 03:47'23 | - | - | |
2 | 47 | ケビン・ベナバイズ | ![]() | 03:50'17 | 00:02'54 | - | |
3 | 3 | T.プライス | KTM | 03:53'10 | 00:05'47 | - | |
4 | 2 | パウロ・ゴンサルヴェス | ![]() | 03:53'24 | 00:06'01 | - | |
5 | 49 | A.メオ | KTM | 03:55'06 | 00:07'43 | - | |
6 | 4 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 03:57'18 | 00:09'55 | - | |
8 | 48 | リッキー・ブラベック | ![]() | 04:01'10 | 00:13'47 | - | |
12 | 61 | アドリアン・メッジ | ![]() | 04:18'10 | 00:30'47 | - | |
24 | 32 | パオロ・セッシ | ![]() | 04:50'16 | 01:02'53 | - | |
25 | 123 | マイケル・フェルカーデ | ![]() | 04:55'03 | 01:07'40 | - | |
74 | 137 | ロブ・スミッツ | ![]() | 07:34'42 | 03:47'19 | - | |
82 | 70 | ペドロ・ビアンキ・プラタ | ![]() | 08:39'05 | 04:51'42 | - |
総合順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 3 | T.プライス | KTM | 34:49'04 | - | - |
- | 2 | 5 | S.ソヴィッツコ | KTM | 35:12'16 | 00:23'12 | 00:01'00 |
▲ | 3 | 4 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 35:31'53 | 00:42'49 | - |
▲ | 4 | 49 | A.メオ | KTM | 35:33'08 | 00:44'04 | - |
▲ | 5 | 47 | ケビン・ベナバイズ | ![]() | 35:34'14 | 00:45'10 | - |
▲ | 6 | 7 | H.ロドリゲス | ヤマハ | 35:45'21 | 00:56'17 | 00:02'00 |
▲ | 7 | 48 | リッキー・ブラベック | ![]() | 36:01'12 | 01:12'08 | - |
▼ | 8 | 2 | パウロ・ゴンサルヴェス | ![]() | 36:03'49 | 01:14'45 | 00:39'56 |
▲ | 12 | 61 | アドリアン・メッジ | ![]() | 37:40'32 | 02:51'28 | - |
▲ | 36 | 32 | パオロ・セッシ | ![]() | 42:38'02 | 07:48'58 | 00:05'00 |
▲ | 40 | 123 | マイケル・フェルカーデ | ![]() | 43:35'53 | 08:46'49 | - |
▼ | 55 | 137 | ロブ・スミッツ | ![]() | 47:02'16 | 12:13'12 | - |
▼ | 61 | 70 | ペドロ・ビアンキ・プラタ | ![]() | 48:41'12 | 13:52'08 | 00:29'00 |
※ リザルトは暫定結果に基づくものです