Team HRCは、2016年のダカールラリーを終え、次なるラリーを見据えつつ、帰国の準備をしています。今回のラリーで得たデータを解析し、2017年のラリーで優勝を達成するためのプロジェクトを始動させる準備に入りました。
Team HRCにとってダカールラリー復帰4年目の挑戦が終わりました。今回の15日間に及ぶダカールラリーでは、有望に思えた最初の週に対し、2週目は順調とは言えませんでした。しかしこれは、勝利へと向かう意思をさらに強くさせるものとなりました。
2016年1月2日に始まったダカールラリーは、チームにとってさまざまな面でタフでした。前半戦の山場、ステージ4、5、6で総合トップをキープしていたTeam HRCでしたが、不運にも1月10日に設定されたレストデイを前にメインライダーのホアン・バレダをトラブルで失うことになりました。そのような状況でも、今回初めてダカールラリーに参戦したライダーのリッキー・ブラベックは、ステージ9で2番手タイムを出すなど、力強い走りをみせ、総合9位へとファクトリーマシン「CRF450 RALLY」を導いてくれました。
また、パオロ・セッシはサポートライダーとして大切な役割を果たし、バレダやパウロ・ゴンサルヴェスに起きたトラブルをバックアップしてチームに貢献しました。ゴンサルヴェスはステージ4で勝利し、バレダもプロローグでのトップタイム、また速度違反ペナルティの加算がなければ、さらに2つのステージで最速タイムを記録しています。
今回のラリーで特筆すべきはHonda South America Rally Teamの活躍です。Team HRCへの大きな協力はもちろん、ステージ3でのケビン・ベナバイズのステージ優勝をはじめ、今大会を通して常に上位争いを続けてきました。
アルゼンチン人ライダーであるベナバイズが残した総合4位というポジションは大いに注目されるはずです。彼の今後のキャリアでも、大きなマイルストーンになったに違いありません。Honda Brasilのアドリアン・メッジも初出場ながら総合11位で、この難しいラリーを終えています。ジェアン・アゼベド、ハビエル・ピゾリトは、ステージ中の転倒が原因でリタイアをしていますが、南米チームの活躍はダカールラリー2016での大きな話題となった一つとなりました。
Team HRCは、ダカールラリー参戦にあたり、多くの協力、スポンサードをいただいたサポーターの皆さまに対し、心より感謝を申し上げます。また、多くのファンの皆さまから、SNSなどを通じていただいた励ましや情報の発信にも感謝いたします。ありがとうございました。
今回のダカールラリーで起こったことを分析、評価し、次回に向けた活動を続けます。引き続き、応援をよろしくお願い申し上げます。
本田太一|プロジェクトリーダー
「最初に、2016年のダカール挑戦を支え、ともに戦ってくれたTeam HRCのメンバーであるライダー、メカニックや技術者たちにお礼を申し上げます。同様にレースの間、私たちを応援して下さったすべてのHondaファンの皆さまにも感謝します。ありがとうございました。ダカールラリー2016は終わりました。私たちにとってはとても厳しいレースでしたが、何度かステージ優勝を果たすなど、いくつかのいい結果もありました。Team HRC、そしてHonda South America Rally Teamの若いライダーたちが、いい結果を残してくれました。加えて、次の挑戦へ向けた効果的な成果も得ることができました。私たちは、マシンを改善し、またこの場所に帰ってきて、そして次のダカールでは勝利します」
マルティーノ・ビアンキ | Team HRC ゼネラルマネージャー
「ダカールでの、Team HRCへの期待はとても大きいものでした。残念ながら、私たちが望んだ結果を得ることはできませんでした。特に重要なライダーであるホアン・バレダ選手、パウロ・ゴンサルヴェス選手の2人がレースから去ってしまいました。レストデイまで、ゴンサルヴェス選手は常にラリーをリードする主人公でした。バレダ選手も、事前のプラン通りにトップ集団で戦っていました。勝利するためにはなにが欠如していたのか、私たちが抱えた技術的な問題はなにか、多くの問題を分析しなければなりません。一方で、若いライダーを見いだす目的もあるのですが、彼らはよくやってくれました。Team HRC、そしてHonda South America Rally Teamは、将来ダカールで活躍してくれる若い有望なライダーを求めていました。Honda South America Rally Teamのケビン・ベナバイズ選手は、ルーキーの中でトップの成績を収めてくれました。彼はこのラリーの中で、本当に強くなりました。そして、地元であるアルゼンチンの多くのファンに支えられました。同じくルーキーのリッキー・ブラベック選手、アドリアン・メッジ選手もいい仕事をしてくれました。本当にタフだったこの2週間、私たちはよくやりました。今年のルートは難しくはありませんでした。特に最初の1週間はそう感じました。一方で、チームはとても困難な状況下での作業を強いられました。天候は非常に極端でした。後半の週はウエットで寒くあったり、暑かったりと。その厳しく苦しい戦いで、残念ながら私たちの結果はほろ苦いものでした。これらの課題を受け入れて準備します。そして、次回はもっと強くなり、もっと成功するためにここに帰ってきます」
ウルフギャング・フィッシャー | Team HRC マネージャー
「ダカールラリー2016で勝利するという私たちの目標は、残念ながら達成できませんでした。メインライダーであるホアン・バレダ選手とパウロ・ゴンサルヴェス選手がフィニッシュラインを越えることができませんでした。これは来年もっとよくなって帰ってくるための宿題を残してくれたということです。それとは別にいい時もあり、前半はレースをリードでき、そして若いライダーの成長があったことが、特にうれしいですね。今年はルーキーの年でした。多くの若いライダーが、15位までの中に入っています。特にアルゼンチンのケビン・ベナバイズ選手が総合4位に入賞できたことはとても幸せです。そしてアメリカの若者、リッキー・ブラベック選手にも満足しています。アドリアン・メッジ選手も、よいレースをしました。将来、彼らと仕事をするためのモチベーションを高めてくれました。私たちはもっと強くなり、目的を達成するために帰ってきます」
総合順位 | No. | ライダー | マシン | タイム | 差 | ペナルティー | |
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- | 1 | 3 | T.プライス | KTM | 48:09'15 | - | - |
- | 2 | 5 | S.ソヴィッツコ | KTM | 48:48'56 | 00:39'41 | 00:01'00 |
- | 3 | 4 | P.クインタニラ | ハスクバーナ | 48:58'03 | 00:48'48 | - |
- | 4 | 47 | ケビン・ベナバイズ | ![]() | 49:04'02 | 00:54'47 | - |
- | 5 | 7 | H.ロドリゲス | ヤマハ | 49:04'59 | 00:55'44 | 00:05'00 |
▲ | 6 | 42 | A.ファン・ベヴェレン | ヤマハ | 49:55'44 | 01:46'29 | - |
- | 9 | 48 | リッキー・ブラベック | ![]() | 50:20'42 | 02:11'27 | - |
- | 11 | 61 | アドリアン・メッジ | ![]() | 51:59'20 | 03:50'05 | - |
- | 32 | 32 | パオロ・セッシ | ![]() | 57:38'15 | 09:29'00 | 00:03'00 |
- | 40 | 123 | マイケル・フェルカーデ | ![]() | 60:20'19 | 12:11'04 | - |
- | 58 | 137 | ロブ・スミッツ | ![]() | 66:45'41 | 18:36'26 | 00:40'00 |
▲ | 69 | 70 | ペドロ・ビアンキ・プラタ | ![]() | 70:37'50 | 22:28'35 | 00:29'00 |