モロッコ モロッコラリー2015 第4ステージ
2015/10/8
Liaison:348kmSpecial stage:293km

Team HRCはアクシデントによって厳しい一日に

モロッコラリー第4ステージの舞台は、ザゴラ〜アガディール。1-2フィニッシュを飾った前日から一転して、Team HRCにとっては厳しい一日となりました。総合首位の座に立っていたホアン・バレダ選手が転倒によってリタイアを余儀なくされ、パウロ・ゴンサルヴェス選手も複雑な岩地の路面に苦しみました。

293qのスペシャルステージを先頭でスタートしたゴンサルヴェス選手でしたが、岩にヒットしてフロントから空中に放り出されるアクシデントに遭遇。これによって燃料タンクとポンプに深刻なダメージを負いました。その後燃料漏れを修復できず、残りの区間ではスロー走行せざるを得なかったため、大幅にタイムをロス。総合順位は4位と上がったものの、タイムは優勝圏外とも言える差が付いてしまいました。

バレダ選手もスペシャルステージの13qあたりで転倒を喫しました。コース上で脳震盪を起こしていたため、空路で病院へ運ばれました。マラケシュの病院でCTスキャンを受診し、現時点では深刻なケガは見つかっていません。

この場を借りて、バレダ選手のアクシデントを主催者に知らせるためにマシンを止めて対応してくれたクインタニラ選手、ウォークナー選手、ベナバイズ選手にお礼を申し上げます。

パオロ・セッシ選手は、この日もマシンの習熟を目的としてリスクを避けながらペースアップを図りました。Honda CRF450 RALLYを快調に扱えるようになっています。

Hondaサウスアメリカラリーチームのケビン・ベナバイズ選手は、初の世界選手権参戦にもかかわらず、この日も上位でフィニッシュ。ステージ8位、総合順位を5位としています。ジェアン・アゼベド選手も、レース直前に手にした新型マシンでペースを上げ、上位陣に近づいています。

コメント

パウロ・ゴンサルヴェス選手(ステージ1位 / 総合5位)
「スタートから数qの地点で大きな岩にぶつかり、燃料タンクとポンプを破損してしまいました。修復を試みましたが、難しかったので、ペースを落として最小限の燃料でゴールにたどり着けるように走りました。大きくタイムを失ってしまったので、明日はできる限りいい成績で完走できるようにがんばります」

パオロ・セッシ選手(ステージ13位 / 総合11位)
「距離が長く危険も多いステージでしたが、すばらしい走りをすることができました。ホアンが運ばれる場面を目にしましたが、深刻なケガでないことを願っています。いいリズムで走れてペースもよく、日増しにマシンに慣れて速くなっているので、自分の走りには満足しています。ダカールに向けたいい準備になると思います」

ホアン・バレダ選手(リタイア)
「いまだに何が起きたのかよく分かっていません。大会を通じていい感覚で走れていましたし、今日も勝利を決定づけるためにいいレースをしようとしていたところでした。おそらく3分ほど意識を失っていたのだと思いますが、気付いたら地面に倒れていました。ほかのライダーたちが私を助けるためにマシンを止めてくれて、本当に感謝しています。総合優勝を狙える走りができていたので、本当に残念です。HondaとHRCの皆さんにも申し訳なく思っています。チームは最高の仕事をしてくれ、マシンは非常にいい状態でした。病院で検査を受け、特に異常はありません。ダカールでまたお会いしましょう」

ケビン・ベナバイズ選手(ステージ8位 / 総合5位)
「ここまでのステージで一番危険が多いと感じました。かなりの高速路面でしたが、かなり狭く、路面の凹凸やジャンプする箇所など、いたるところに危険がありました。序盤でホアンが倒れているのを見つけたので、約6分間マシンを止めてヘリコプターを呼びました。その後他のライダーたちを追い抜きました。いいリズムで走れましたが、常に危険個所の書いてあるロードブックに注意を払いながら進み、安全にスペシャルステージを終えました」

ジェアン・アゼベド選手(ステージ16位 / 総合13位)
「石が非常に多い危険なルートだったので、プランを変更せざるを得ませんでした。リスクを取る状況ではなかったので、冷静に、安全にゴールへたどり着くことを心がけました。問題なく一日を終えられて満足しています」

※レポート、コメントは暫定結果に基づくものです。

リザルト

SS4順位
順位 ライダー マシン タイム/差
1 S.サンダーランド KTM 2:56'29
2 P.クインタニラ KTM +8'37
3 H.ロドリゲス ヤマハ +8'50
4 A.ボッツーリ ヤマハ +10'17
5 M.ウォークナー KTM +10'23
6 J.ペドレロ シェルコ +11'01
 
8 ケビン・ベナバイズ Honda +12'37
13 パオロ・セッシ Honda +20'08
19 ジェアン・アゼベド Honda +24'26
21 パウロ・ゴンサルヴェス Honda +37'06
総合順位
順位 ライダー マシン タイム/差
1 S.サンダーランド KTM 11:52'25
2 P.クインタニラ KTM +10'46
3 M.ウォークナー KTM +11'48
4 パウロ・ゴンサルヴェス Honda +39'43
5 ケビン・ベナバイズ Honda +50'56
6 R.ファリア ハスクバーナ +52'06
 
11 パオロ・セッシ Honda +1:50'15
12 ジェアン・アゼベド Honda +1:52'01

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