7月31日(日)、ベルギーのロンメルでモトクロス世界選手権の第14戦が開催され、Team Honda Gariboldi Racingのティム・ガイザーが、レース2で勝利を挙げました。
今季すでに13勝を挙げ、ランキングトップをひた走るガイザーにとって、ロンメルでの2レースは順風満帆とは言えませんでした。それでも、彼はレース2で勝つことによって、連勝の勢いが衰えていないことを証明し、今大会を総合5位で終えました。
レース1はガイザーにとってチャレンジそのもので、2度の転倒を喫しました。スタートで挟まれて8番手となったガイザーですが、集団をすり抜け、4番手まで浮上して強さをアピール。ロマン・フェーヴル(ヤマハ)とケビン・ストリボス(スズキ)とで、三つ巴の3番手争いを展開しました。
そんな中、混戦のまま終盤に入り、ガイザーはティアオフを使い果たしたゴーグルを外さなければならなくなるという困難に直面しました。すると、残り7分の時点でスリップダウンによりポジションを2つ下げ、残り5周での転倒でさらに時間をロスした結果、15位でフィニッシュしました。
巻き返しを図ろうとするガイザーは、レース2では得意のゲート・トゥ・フラッグ(先行逃げきり)での優勝を果たしました。アントニオ・カイローリ(KTM)からのプレッシャーに耐え、ロンメルの信じられないほど深いわだちだらけのサンドを、冷静に走りきりました。これでガイザーは、前日の予選における8勝目に加えて、ルーキーシーズン14勝目を挙げたことになります。
また、Team HRCのイブジェニー・バブリシェフとゴーティエ・ポーリンは、両レースともに、集団の後方からスタートすることになり、2人とも追い上げのレースを強いられました。
バブリシェフは非常に不利な外側のゲートしか選べませんでしたが、そんな状況を帳消しにするスタートダッシュで10番手に浮上。集団の混乱が落ち着いてくると、一進一退の末に、10位でチェッカーフラッグを受けました。
一方のポーリンは1周目の2コーナーで転倒。23番手からの追い上げという試練に立ち向うことになり、後方から這い上がったポーリンは、13位でフィニッシュしました。
深いわだち、穴、バンプだらけのディープサンドだけでも大変だった今大会。加えて、先に行われたMX2のレース中に降った豪雨の影響で、ティアオフを使い果たしてしまい、途中でゴーグルを脱ぎ捨てたライダーが多くみられる困難なレースでした。
レース2ではレース1以上に力強い走りをみせたバブリシェフは、終盤のバトルを経て6位でゴールしました。ポーリンは1コーナーを24番手でクリアしたあと、9番手までポジションを上げましたが、不運にも終盤のクラッシュで転倒。大会期間中は体調不良で力を削がれていたこともあり、再スタートすることができませんでした。
ティム・ガイザー(MXGP 15位/優勝 総合5位)
「今日の2レースを振り返ると、とてもうれしい半面、とてもがっかりしました。レース1とレース2は対照的でした。このようなコースではあっという間にこういうことが起きます。ほんの少しのミスで転倒してしまいます。そして、集中していないとミスを再発してしまいます。レース1は厳しい内容でしたが、レース2ではスタートから最後までリードして、思い通りの結果を残せてうれしいです。総合的にはレース2での勝利に救われた気がします。新しく学んだことがあり、今週末の結果には満足しています」
イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 10位/6位 総合9位)
「正直に言うと、今日のレース1には失望しましたが、レース2の方はいくらかよかったです。外側のゲートは不利だと分かっていました。それでもレース1では好スタートを切ることができ、トップ10の少し後方につけられましたが、それ以上のばん回はできませんでした。レース2では少しセッティングを変えてみましたが、これが功を奏し、不利なグリッドから5番手まで浮上。最終的に6位でフィニッシュできました。自分のレベルではないし、この位置には納得できないですが、2レースとも後方からスタートしなければならず、厳しい戦いになることは分かっていました」
ゴーティエ・ポーリン(MXGP 13位/24位 総合17位)
「今大会中はずっと体調を崩していて、今日になって初めて快方に向かう兆しがありました。昨日はスピードが足らなかったですが、今日のレース1では進展があり、24番手からトップ10までばん回できました。ただ、ラスト2周というところでフィニッシュジャンプの着地でクラッシュし、身体がハンドルバーの上を越えて前転しました。そのクラッシュ以降は走れず、リタイアとなりました」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 17 | 34'19.494 |
2 | 24 | S.シンプソン | KTM | 17 | +09.152 |
3 | 22 | K.ストリボス | スズキ | 17 | +13.700 |
4 | 25 | C.デサール | カワサキ | 17 | +16.852 |
5 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 17 | +18.247 |
6 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | +18.848 |
10 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | ![]() | 17 | +55.033 |
13 | 21 | ゴーティエ・ポーリン | ![]() | 17 | +1'21.255 |
15 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 17 | +1'23.239 |
24 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | ![]() | 16 | +1Lap |
27 | 221 | プリット・ラトセップ | ![]() | 14 | +3Laps |
30 | 37 | ゲート・クレスティノフ | ![]() | 7 | +10Laps |
31 | 71 | デイモン・グラウルス | ![]() | 5 | +12Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 243 | ティム・ガイザー | ![]() | 17 | 34'41.636 |
2 | 222 | A.カイローリ | KTM | 17 | +13.289 |
3 | 22 | K.ストリボス | スズキ | 17 | +36.471 |
4 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 17 | +40.503 |
5 | 259 | G.コルデンホフ | KTM | 17 | +47.864 |
6 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | ![]() | 17 | +53.330 |
16 | 37 | ゲート・クレスティノフ | ![]() | 17 | +1'55.511 |
21 | 53 | ミカボーイ・デ・ワール | ![]() | 16 | +1Lap |
23 | 71 | デイモン・グラウルス | ![]() | 16 | +1Lap |
24 | 21 | ゴーティエ・ポーリン | ![]() | 15 | +2Laps |
28 | 221 | プリット・ラトセップ | ![]() | 9 | +8Laps |
34 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | ![]() | 2 | +15Laps |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|
- | 1 | ティム・ガイザー | ![]() | 607 |
- | 2 | A.カイローリ | KTM | 504 |
- | 3 | M.ナグル | ハスクバーナ | 490 |
- | 4 | R.フェーヴル | ヤマハ | 464 |
- | 5 | イブジェニー・バブリシェフ | ![]() | 445 |
- | 6 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 417 |
- | 14 | ゴーティエ・ポーリン | ![]() | 193 |
▼ | 21 | アレッサンドロ・ルピーノ | ![]() | 90 |
- | 23 | スティーヴン・ルノワ | ![]() | 38 |
- | 25 | 山本鯨 | ![]() | 34 |
▲ | 30 | ゲート・クレスティノフ | ![]() | 13 |
▼ | 32 | プリット・ラトセップ | ![]() | 11 |
▼ | 37 | デイモン・グラウルス | ![]() | 7 |
- | 41 | ヴァレンティン・テイレット | ![]() | 5 |
▼ | 49 | ニコラス・カレンツァ | ![]() | 1 |
▼ | 53 | タンナラ・ペンジャン | ![]() | 1 |