Team HRCのイブジェニー・バブリシェフが、ドイツ大会ですばらしいパフォーマンスを披露し、3位入賞。今シーズン2度目の表彰台登壇を果たしました。また、隣にはHRCの同僚としてTeam Honda Gariboldi Racingから出場しているティム・ガイザーが立ち、今季2度目のダブル表彰台となりました。
バブリシェフは、まだ100%完治とはいえない肩をかばいながらの走行となり、レース1では8位にとどまりましたが、レース2では渾身の全開走行で路面を深く掘り下げながら、リーダーのアントニオ・カイローリ(KTM)を追撃。終盤になるとロマン・フェーヴル(ヤマハ)が近づき、最後の4周は猛烈な接近戦となりましたが、1秒を切る僅差でバブリシェフが逃げきりました。
一方、マキシミリアン・ナグル(ハスクバーナ)とジェレミー・バン・ホービーク(ヤマハ)が転倒で脱落し、ガイザーもクラッシュによって3番手から9番手まで一時後退、これによって総合順位が分刻みで変動することになりました。
バブリシェフは強烈なプレッシャーを受けながらも、持てる力をすべて注ぎ込み最後まで2番手をキープし、そのままフィニッシュ。これは今季ベストで、昨年のマントヴァ(ロンバルディアGP)以来となるベストリザルトでもありました。フェーヴルを0.6秒差で振り切ったバブリシェフは総合で3位となり、#777のCRF450RWを表彰台に押し上げました。
ガイザーはレース1で2位入賞、レース2では転倒後4位までばん回したことで、総合2位を獲得。それよりも重要なことは、7戦を終えた時点でガイザーが、世界選手権のポイントリーダーを示すレッドナンバープレートを取り戻したことです。
ティム・ガイザーの目覚ましい快進撃は、今大会でも衰えることはありませんでした。ドイツ大会は熱狂とドラマに満ちたレースとなりましたが、ガイザーは目前に立ちふさがる困難に立ち向かい挑戦し続けました。
レース1ではカイローリを相手に死力を尽くす戦いを繰り広げ、入れ替わり立ち替わりファステストラップを更新しました。カイローリがラストスパートをかけると、ガイザーは冷静にスロットルを少し戻して2位に落ち着きました。深いわだちが掘れた今日の難しいコンディションに鑑み、分別ある判断をすることも勇気ある行動となります。
レース2に力強く出走したガイザーは、Team HRCの同僚であるバブリシェフを追いかけました。レースが3分の1を経過した時点でアンラッキーな転倒を喫し9番手まで下がってしまいましたが、ラトビアでみせたような猛追撃を披露。深いわだちや突風に襲われて多数が転倒する中、ガイザーは4位までばん回しました。その結果、総合2位となり、バブリシェフと同じくCRF450RWを表彰台に導きました。
現時点でガイザーは8ポイントをリードして世界選手権のランキング首位に立っています。同時にHondaはメーカーランキングのポイントリーダーになりました。
ティム・ガイザー(MXGP 2位/4位 総合2位)
「赤いマシンに赤いプレートが戻ってきてうれしいです。シーズンの7戦を消化した今、感触はとてもいいものがあります。ここ2戦に限っては、少しばかげたミスをしてしまいましたが、いずれにしても今週末の結果には満足しています。ここまで毎戦ポディウムに立っているということは、とてもすばらしいことです。マシンの調子がとてもいいので、HondaとHRCに対してとても感謝しています。それから父親に対しても。父親は大会のインターバルやレースウイークエンドの間、常に自分を助けてくれています。我々を強くしてくれる尽力に対してとても感謝しています。とてもすばらしい週末でした。ボビー(イブジェニー・バブリシェフ)と一緒に表彰台に立つことができてよかったです」
イブジェニー・バブリシェフ(MXGP 8位/2位 総合3位)
「痛みをこらえながら攻め続けたので、最後の数ラップは疲労困憊でした。肩に力が入らず、マシンをきちんと押さえることができませんでした。それでも"全力を尽くすしかない"と言い聞かせて走りました。終盤になっても総合3位に入れたかどうか分からなかったです。表彰台の上に戻って来ることができてうれしいです。前戦ラトビアGPで転倒してから今大会まで、全然マシンに乗っていません。それにこのドイツGPのコースは難しいので、表彰台とは驚きました。チームの尽力と肩のケアをしてくれたメディカルセンターの献身がなければ、このような好成績を挙げることはできませんでした。チームの働きに感謝するとともに、チームのために表彰台に立てたことが喜びです。レース2のスタートで2番手にいることが分かると"よし、トニー(アントニオ・カイローリ)の後ろだ。どこまでついていけるかやってみよう"と思いました。結果的にはその位置をキープできました。終盤は(ロマン)フェーヴルのアタックが激しくなりましたが、なんとか2位でフィニッシュ。ティム(ガイザー)と2人でHRCダブル表彰台を実現できてうれしいです」
| 順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 19 | 35'21.882 |
| 2 | 243 | ティム・ガイザー | 19 | +04.991 | |
| 3 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 19 | +12.252 |
| 4 | 23 | C.シャルリエ | ハスクバーナ | 19 | +16.655 |
| 5 | 22 | K.ストリボス | スズキ | 19 | +26.742 |
| 6 | 89 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 19 | +28.779 |
| 8 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 19 | +49.103 | |
| 19 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 18 | +1Lap | |
| 20 | 685 | スティーヴン・ルノワ | 18 | +1Lap | |
| 22 | 922 | ケヴィン・フォルス | 18 | +1Lap | |
| 28 | 400 | 山本鯨 | 18 | +1Lap | |
| 32 | 173 | ピエル・フィリッポ・ベルトゥッツォ | 7 | +12Laps | |
| 34 | 926 | ジェレミー・デリンス | 3 | +16Laps | |
| 順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 222 | A.カイローリ | KTM | 18 | 33'52.905 |
| 2 | 777 | イブジェニー・バブリシェフ | 18 | +02.783 | |
| 3 | 461 | R.フェーヴル | ヤマハ | 18 | +03.349 |
| 4 | 243 | ティム・ガイザー | 18 | +19.696 | |
| 5 | 92 | V.ギロド | ヤマハ | 18 | +22.314 |
| 6 | 12 | M.ナグル | ハスクバーナ | 18 | +25.657 |
| 17 | 400 | 山本鯨 | 18 | +1'38.278 | |
| 28 | 922 | ケヴィン・フォルス | 11 | +7Laps | |
| 30 | 77 | アレッサンドロ・ルピーノ | 9 | +9Laps | |
| 31 | 173 | ピエル・フィリッポ・ベルトゥッツォ | 8 | +10Laps | |
| 32 | 926 | ジェレミー・デリンス | 6 | +12Laps | |
| 34 | 685 | スティーヴン・ルノワ | 0 | +19Laps | |
| 順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
|---|---|---|---|---|
| ▲ | 1 | ティム・ガイザー | 299 | |
| ▼ | 2 | R.フェーヴル | ヤマハ | 291 |
| - | 3 | A.カイローリ | KTM | 263 |
| - | 4 | M.ナグル | ハスクバーナ | 238 |
| ▲ | 5 | イブジェニー・バブリシェフ | 232 | |
| ▼ | 6 | J.バン・ホービーク | ヤマハ | 215 |
| - | 18 | アレッサンドロ・ルピーノ | 48 | |
| ▲ | 19 | スティーヴン・ルノワ | 38 | |
| ▼ | 20 | ゴーティエ・ポーリン | 37 | |
| ▼ | 22 | 山本鯨 | 28 | |
| ▼ | 25 | ゲート・クレスティノフ | 8 | |
| ▼ | 36 | ニコラス・カレンツァ | 1 | |
| ▼ | 38 | タンナラ・ペンジャン | 1 | |