HRCの歴史

はじめに

HRCと共に歩む

2007年9月1日はHRCの創立25周年にあたります。

HRCが誕生した1982年という年は、世界グランプリ500ccクラスに2ストローク、3気筒のNS500を投入した年です。

それまで、Hondaは1979年から4ストロークのNR500で世界GPに復帰していましたが、優勝はおろか1ポイントも獲得することができませんでした。当時は私もスタッフのひとりとしてレースの最前線で戦っていました。勝つことができず、悔しかったのですが、“このままでは絶対に終わらない。いつか絶対に勝つ。絶対に世界チャンピオンになってやる!”と悪戦苦闘していました。

そして、1982年7月4日。ベルギーのスパフランコルシャンでF・スペンサーが初優勝をすることが出来ました。あの日のことは、今でも昨日のことのようによく覚えています。

そして、1979年から1982年にいたる努力が、翌1983年のF・スペンサーによるHonda初の500ccライダータイトル獲得につながり、さらには今日に至るまでのHondaライダー達の活躍につながってきたのだと思います。

それから四半世紀を経た今日、私たちは新たな四半世紀に向かって、さらなる挑戦を続けてまいります。

これまでHRCを支えてくださった関係者の皆様に、節目となる25周年を祝っていただけることを感謝しております。

これからもHRCをよろしくお願いいたします。


福井威夫
2007年8月31日
本田技研工業取締役社長(当時)
福井威夫

概要

素晴らしい技術革新の四半世紀

2007年9月1日
株式会社ホンダ・レーシング生誕25周年

ホンダにとってレースとは常に魂であり、DNAとも言うべきものです。
創業者である本田宗一郎は、レースの場でエンジニアの技術が鍛えられることは自社の製品レベルを著しく向上させる事に繋がると常に考えていました。
この考え方は、ホンダの初期モデルであるA型から最新のMotoGPマシンRC212Vまで引き継がれてきています。
HRC代表取締役である濱根眞澄はこのように述べています。
「レーシングマシンは我々に生きた情報をもたらす走る研究室であり、またサーキットは我々の夢を叶える場所なのです」

当初、レース活動は本田技研工業社内で行われていましたが、1970年代はじめ、会社のレースプログラムをサポートする目的でRSC(Honda Racing Service Center)が設立されました。
1982年9月1日、レース用車両、パーツの開発、製造、販売を目的としたHRC(Honda Racing Corporation)が設立されました。