MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSの第16戦は、4月30日(土)にニュージャージー州のイーストラザフォードにあるメットライフ・スタジアムで開催されました。Team Honda HRCのコール・シーリーは、CRF450Rを駆って力強い走りをみせ、今シーズン4度目の表彰台登壇を果たしました。
ヒートレースの組分けを決めるタイムアタック予選。Team Honda HRCのトレイ・カナードは、2回目のセッションで全体3番手となる46秒086の好タイムをマークしました。チームメートのコール・シーリーは47秒416で14番手、GEICO Hondaのジャスティン・ボーグルは47秒057で10番手でした。
予選ヒートレース。1組目に出場したシーリーは、オープニングラップを5番手でクリアすると、2周目に1つ順位を上げて4番手に浮上しました。シーリーはこのポジションを確実にキープして、4番手でフィニッシュ。同組に出場したボーグルは、好スタートを決めて1周目をトップで終えると、2周目に1つ順位を落としたものの、2番手でチェッカーを受けました。一方、2組目に出走したカナードは、こちらもよいスタートを切り、オープニングラップを3番手でクリア。先行するチャド・リード(ヤマハ)を、5周目にパスしたカナードは、2番手でチェッカーを受け、カナード、シーリー、ボーグルともにファイナルへの直接進出を果たしました。
ファイナル決勝レース。シーリーはスタートゲートが倒れると同時に、素早いダッシュを見せて2番手のポジションを確保。トップを追いかけ、このポジションをキープし続けたシーリーは、終盤に順位を1つ下げたものの、3番手をキープしてフィニッシュ。サンディエゴでの第6戦以来となる、表彰台への登壇を果たしました。一方、10番手からのスタートとなったカナードは、前半に順位を1つ上げると、中盤には7番手までばん回するも、順位を1つ下げて8位でチェッカーを受けました。ボーグルは8番手でオープニングラップをクリアしましたが、順位を2つ下げて、10位でフィニッシュしました。この結果シーリーはポイントランキング7位をキープ。カナードは9位、ボーグルは11位となっています。
なお、イースト地区最終戦となった250SXでは、オープニングラップ3番手から3周目にトップに立ったGEICO Hondaのマルコム・スチュワートが、そのまま後続を振り切って今季2勝目をマークし、シリーズランキング2位との差を14ポイントに広げました。
次の最終戦ラスベガスにてイースト地区チャンピオン獲得に期待がかかります。
Team Honda HRCは、最良の結果でシーズンを終えることを目標に、5月7日にラスベガスのサム・ボイド・スタジアムで行われるAMAスーパークロス選手権の最終戦に臨みます。
NOTES
Team Honda HRCのトレイ・カナードとコール・シーリーは、GEICO Hondaのジャスティン・ボーグル、マルコム・スチュワート、RJ・ハンプシャーとともに、金曜日にベルヴィルのニュージャージー・モーターサイクル・モールで行われたスーパークロス開催記念パーティに出席しました。土曜日のレース前に、ファンは好きなライダーと写真を撮ったりサインをもらったりしました。
Team Honda HRCは、4月中旬に九州地方を襲った地震で被災した住民の皆さんやHondaの仲間たちへ敬意を払い、CRF450Rのフロントフェンダーに「がんばろう、九州!」と書かれた日の丸を貼ってニュージャージーラウンドに参戦しました。HRCのMXGPやMotoGPチームでも同じシンボルマークをご覧いただけたかと思います。
カナードは、最初のプラクティスセッションで、大きなクラッシュに見舞われたものの、苦境を跳ね返して全体3番手タイムをマーク。カナードがクラッシュしたあと、メカニックのブレント・プレスネルは、次のプラクティスセッションに備えてマシンの応急修理に取りかかりました。レース後、その迅速な仕事ぶりが認められたプレスネスには、MMIトップテック賞の賞金1000ドルが授与されました。
プレスネスは、「トレイが宙に投げ出されたとき、彼のマシンはトラックの外のコンクリートに落ちて壁に突っ込んだんです。引き上げに向うと、マシンはかなり曲がっていました。私はハンドル、クラッチケーブル、両方のレバー、フロントゼッケンとフェンダー、トリプルクランプとフロントフォーク、リアのサブフレームとマフラー、エアボックス、リアフェンダーを交換しなければなりませんでした。前後ともほぼ全取り替えですよね」と語っています。
駐車場の一角に設けた小さなダートトラックでは、カリフォルニアのコルトンにあるHondaのライダー教育センターから遠征したスタッフが、6〜12歳の子供たちを対象に、CRF50FとCRF110Fを用いたラーン・ツー・ライド・プログラムを実施しました。
また、レース当日は、モーターサイクル技術学院の卒業生であるシーリーのメカニック、リッチ・シモンズと、ボーグルのメカニックであるグラント・ハッチンソンは、現役学生のグループを迎えてファクトリーの作業を見学してもらいました。
THE FOCUS: Honda and the New York Media
今大会は、世界の情報発信の中心であるニューヨーク市から、ハドソン川を渡ってすぐの場所で開催されたこともあり、通常よりも多くの報道がなされました。Team Honda HRCのコール・シーリーとトレイ・カナードは、木曜日にメットライフ・スタジアムで行われたプレスデーに参加するため、一足先に大都市ニューヨークに到着。地元メディアの取材に応じたあと、2人はトラックを走行する機会を得ました。
金曜日、Hondaライダーたちは、普段のトレーニングやスーパークロスのプロレーサーになるための条件について、ギア・パトロールやスカウト・ドットコムの取材を受けるなどマンハッタンで多忙な一日を過ごしました。
土曜日には、アメリカン・ホンダモーターが、モーニング・ロード・ライドにジャーナリストたちを招待し、2016年モデルのラインナップに試乗する機会を提供しました。
スタジアムでは、Selectism、Men’s Health、Bloomberg、Popular Mechanicsといった媒体の記者たちがTeam Honda HRCのパドック見学ツアーに参加し、その後メカニックとスタッフへのインタビューが行われました。
コール・シーリー(3位)
「本当にタフなレースでしたが、3位に入れてうれしいです。20周いいレースができました。椎骨のケガのあと、痛みで動けなかったことを考えると、状況はよくなったと思います。2番手でスタートして、前を走るケン・ロクスンのラインやペースに合わせようとしたのですが、彼の方が速かったですね。非常に正確に走っていたし、先週勝ったことで、自信を得たように感じました。結果、追い付くことはできませんでした。最後の数周、ライアン・ダンジーが迫ってきたので、全神経を集中し、全力で3位のポジションをキープしました。シーズンを通じて目標としてきた表彰台に、再び戻ることができて本当によかったです。最終戦ラスベガスでも表彰台に上がり、シーズンを締めくくりたいと思っています」
トレイ・カナード(8位)
「今朝のクラッシュは、一日の始まりとしてよくないものでした。何度か軽い転倒があるなど、悪い要素があって、乗りきれませんでした。ただ、ケガがなかったことが本当にラッキーでした。大きな転倒があったにもかかわらず、予選はよかったです。マシンもライディングも満足のいくものでした。スタートは悪くなかったのですが、1周目に混戦に巻き込まれてしまい、満足のいく結果を得ることができませんでした。追い上げもあまり上手くいきませんでしたね。最後はジェイソン・アンダーソンとマーヴィン・ムスキャンに抜かれてしまいました。しかし、全体を考えれば、元気でいられたことは感謝に値しますし、気持ちは前向きです」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「表彰台獲得を目標に戦ってきたので、そこに戻ることができて本当によかったです。2人とも気合の入った走りをみせてくれました。コールは本当によく乗れていましたね。そして、ライアン・ダンジーを抑えきったこともよかったです。特に最後の何周かは、表彰台に立つために彼がどれほど頑張ったか、みんな分かっていたと思います。トレイの結果は我々が望んだものとは違いますが、プラクティスでの激しいクラッシュのあと、レースに出られただけでも十分だったのではないでしょうか」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「私は今夜のコールを誇りに思います。ケガから復帰したものの、先週のレースは非常に厳しい内容でしたし、もう一度表彰台に戻ることこそが彼に託した目標でした。プレッシャーを受けながら頑張り通したレース後半の走りは本当にすばらしかったです。ケガをして丸々3週間休み、彼はその間本当になにもできなかったんです。だから、今夜彼がなし遂げた結果は、彼の不退転の決意を物語っていますし、彼のさらなる可能性を示したと思います。来週の最終戦、そしてアウトドアに向けていい自信になると思います」
ブレント・プレスネル | トレイ・カナード担当メカニック
「今回のトレイのクラッシュは、これまでに起きたど派手なクラッシュの中の一つに数えられるものだと思います。それにもかかわらず彼が無事で、こうしてコメントできるのは、ほんとうによかったと思います。実際怖かったですし、まさか彼が歩いて戻れるとは思いませんでした。トリプルジャンプで彼のリアタイヤが路面の柔らかい部分にヒットして、彼はコントロールを失い、マシンから振り落とされて宙に投げ出されました。そこから予選3番手タイムを出したんです。スタートはよかったと思います。それがポジション取りに上手くつながりませんでした。そこからどうやって抜け出すかトライしましたが、素早くパスして前に出ることもできませんでしたし、逆に2台に捕まってしまいました」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 94 | K.ロクスン | スズキ | 15'13.858 |
2 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +19.687 |
3 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +21.318 |
4 | 1 | R.ダンジー | KTM | +23.201 |
5 | 10 | J.ブレイトン | KTM | +23.769 |
6 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +24.645 |
7 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +24.902 |
8 | 41 | トレイ・カナード | ![]() | +26.763 |
9 | 22 | C.リード | ヤマハ | +27.487 |
10 | 19 | ジャスティン・ボーグル | ![]() | +31.921 |
14 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +40.967 |
18 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 366 |
- | 2 | 94 | K.ロクスン | スズキ | 330 |
- | 3 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 293 |
- | 4 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 270 |
- | 5 | 22 | C.リード | ヤマハ | 232 |
- | 6 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 213 |
- | 7 | 14 | コール・シーリー | Honda | 207 |
▲ | 8 | 10 | J.ブレイトン | KTM | 186 |
▼ | 9 | 41 | トレイ・カナード | Honda | 183 |
- | 10 | 28 | W.パイク | ヤマハ | 125 |
▲ | 11 | 19 | ジャスティン・ボーグル | Honda | 120 |
- | 12 | 800 | マイク・アレッシ | Honda | 120 |
- | 16 | 55 | ビンス・フリージー | Honda | 84 |
- | 28 | 761 | ケイド・クレイソン | Honda | 15 |
- | 34 | 314 | アレックス・レイ | Honda | 5 |
- | 35 | 801 | ジェフ・アレッシ | Honda | 5 |
- | 39 | 11 | カイル・チゾム | Honda | 2 |
▼ | 41 | 291 | カイル・ホワイト | Honda | 1 |
▼ | 43 | 722 | アダム・エンティクナップ | Honda | 1 |