MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSの第13戦は、4月9日(土)にインディアナ州マリオン郡の屋内競技施設ルーカス・オイル・スタジアムで開催されました。
日中に行われたタイムアタック予選で、Team Honda HRCのトレイ・カナードは46秒488の全体5番目、GEICO Hondaのジャスティン・ボーグルは47秒685で9番手のタイムをマークしました。
インディアナポリスは、今シーズンのこれまでで、最も難易度の高いトラックだったように思われました。カナードは「今日は一日、本当にタフな状況でした。ダートが柔らかくて最初の練習ですぐに崩れてしまいました。全体的にすべてがすごく大ざっぱでした。メインイベントのときはワダチが深く、フィニッシュジャンプではタイム計測用のケーブルが露出していました」と振り返りました。
予選ヒートレース。2組目に出走したカナードは、オープニングラップを3番手でクリアすると、5周目には、先行するGEICO Hondaのジャスティン・ボーグルをパスして2番手でフィニッシュ。ボーグルは3番手でチェッカーを受けました。
夕方からのレースを前に、カナードは、ボーグルとRJ・ハンプシャー、マルコム・スチュワートをともなって、ダウンタウンのウエストフィールド・パワースポーツで行われたスーパークロスパーティーに出席。サイン会を行うなど、ファンとの交流を図りました。
そうして迎えたファイナル決勝レース。まずまずのスタートを決め、5番手で1周目のコントロールラインを通過したカナードは、序盤このポジションをキープすると、7周目にクリストフ・プーセル(ハスクバーナ)をパスして4番手に浮上。終盤、後続から追い上げを受けたカナードですが、最後まで堅実な走りでこれを振りきり、今シーズン自己ベストとなる4位でチェッカーを受けました。Honda勢ではSmartop MotoConcepts Racingのマイク・アレッシが10位。ボーグルは13位でフィニッシュました。
なお、3月31日(木)の練習中にクラッシュし、ケガをしたTeam Honda HRCのもう一人のライダーであるコール・シーリーは、ケガから2週間が経過しましたが、今大会も欠場となりました。シーリーは「ケガの状況は、かなりよくなっていると感じています。まだ動きが固く痛みもありますが、動き回ることは可能ですし、トレーナーに診てもらって、軽く身体をひねることができるようにもなり、完治に向かっています。レースに参加できる日が待ちきれません」と語っています。
一方、イースト地区5戦目となった250SXでは、オープニングラップから2番手のポジションをキープし続けたGEICO Hondaのマルコム・スチュワートが2位表彰台を獲得し、ランキング首位をキープしています。
また、カナードとボーグルがインディアナポリスで戦ったのと同じ週末、南西に約1000マイル離れたテキサス州のオースティンでは、HRCの仲間であるMotoGPライダーのマルク・マルケス(Repsol Honda Team)とダニ・ペドロサが(Repsol Honda Team)がレースに参戦し、マルケスがサーキット・オブ・ジ・アメリカズでの4年連続優勝を達成。さらに、トライアル世界選手権の開幕戦スペインGPでは、Repsol Honda Teamのトニー・ボウが優勝、モトクロス世界選手権の第4戦アルゼンチン大会では、Team Honda Gariboldi Racingのティム・ガイザーが、総合優勝を果たしました。
Team Honda HRCは、ライド・フォー・キッズを通じて、今大会もあるご家族を招待できたことをうれしく思います。今シーズン、これで5度目のこととなりました。ダニエル君は脳腫瘍と戦う幼い少年で、ご家族の分も合わせてレースの観戦チケットを受け取っていただきました。彼らは、チームの作業トラックやホスピタリティー用のセミトラックを見学。その後はカナードに面会し、チームと夕食を共にしました。ダニエル君は、インディアナポリス地区のライディングイベントに何度も参加してくれています。ダニエル君の母親であるカレンさんには「私たち家族はスーパークロスの大ファンで、この大会には毎年訪れていたんです。ライド・フォー・キッズから、Hondaと一緒に一日を過ごし、ダニエルにとって最も好きなライダーであるカナード選手に会えるという、今回の特別な機会をいただいて本当に感激です。感謝の気持ちをどう表現すればいいか分からないほどです」と、お言葉をいただきました。
Team Honda HRCは、4月16日(土)に行われる第14戦に向け、セントルイスへと向います。
FOCUS :「Honda Showdown」
土曜日のレース開始に先立って、カナードとハンプシャーは、インディアナ州フィッシャーズのK1スピードで、ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)がサポートするインディカードライバーのアレクサンダー・ロッシ(Andretti Herta Autosport w/ Curb-Agajanian)、コナー・デイリー(Dale Coyne Racing)とゴーカートで対決しました。練習走行、タイムアタック予選、そしてメインイベントのレースと、グランプリ形式で行われたイベントの合間に、ファンは好きな選手にサインをもらうことができます。
翌日、ロッシとデイリーの2人が、今度はTeam Honda HRCを訪れ、スーパークロスがどんなイベントなのか、見学しました。カナードは対決を終えて「金曜日のイベントはすばらしい経験でした。コナーとアレクサンダーに会えるなんてすごいことです。彼らにとって、私たちを負かすことなど、簡単なことだと思います。でも、彼らはぼくたちを勝たせてくれました。彼らとレースをし、すごく楽しかったです。インディカーとスーパークロスはまったく異なる世界ですが、共通することもたくさんあると感じました。それが理解できて、本当によかったです。彼らが我々のレースに参加してくれたらそれもすばらしいですし、いつか自分も、インディカーレースに参加してみたですね」と、振り返りました。
アレクサンダーとコナーの2人も、このイベントをすごく楽しんでくれました。ロッシは「トレイとRJと一緒にレースができたこと、モータースポーツのカテゴリーとしてはまったく別の分野ですが、Hondaファミリーとして一緒に過ごせたことは、本当に最高でした。多くのファンが来てくれて、一緒に体験できたことがとても楽しかったですし、すばらしいことです」と満足げなコメント。一方のデイリーも「私はずっとファンでした。ですから、レース当日の舞台裏を見ることができ、本当に最高でした。チームとライダーが毎週末にこれだけの準備をしてレースに臨んでいたなんて驚きですね。最後の練習のあと、トレイと一緒に映像を見たんです。彼がどう評価するかも見ていました。それからコースを歩いてみて、これは初めてのことだったので、遠くから見るのとはまったく違って、それが現実とは思えませんでした。こんなところを走るなんて、才能を通り越してクレイジーだとさえ感じました」と語りました。
トレイ・カナード(4位)
「今シーズンのベストフィニッシュを果たせたものの、表彰台を逃したことが残念で仕方ありません。ただ、差はなくなってきています。ここ何戦かでよりいいポジションにつけたことはよかったと思います。ただ、(ジェイソン)アンダーソン(ハスクバーナ)にパスされたときに大きなミスをして、彼を逃してしまいました。最後はサバイバル状態でしたね。今日のことは終わりにし、自分を信じて戦い続けるだけです」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「トレイが今年のベストフィニッシュを果たしたことに興奮しています。今夜のコースは非常にテクニカルでした。大きなトラブルがなく終えたこともよかったですね。ナイトセッションでは、ワダチに合わせてサスペンションを締める方向でマシンを調整しました。我々のゴールは、昨年のように毎週表彰台に上がることですから、全体としては、我々が望むべき結果ではありません。もちろん、そのために努力を続けています。厳しい戦いですが、さらにステップアップする必要があります。まだ数レース残っていますし、最後まであきらめるつもりはありません」
ブレント・プレスネル | トレイ・カナード担当メカニック
「トレイにとって、今回の4位はシーズンを通じてのベストフィニッシュです。ようやくここまで来ました。もちろん悪くはないですが、今日一日、彼が最高の輝きを放ったわけでもありません。ですから、4位という結果を手放しで喜ぶこともできません。コースに関しては、それほど攻めがいのあるコンディションではありませんでした。タイトル争いから外れている状況で、ミスをしてケガをするようなリスクはだれも望みませんよね。しかしトレイは、アンダーソンに表彰台圏内のポジションを奪われてからも粘りをみせました。次のレースに向けて、より強くあれるようにトライします」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 15'43.653 |
2 | 94 | K.ロクスン | スズキ | +01.785 |
3 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +29.609 |
4 | 41 | トレイ・カナード | ![]() | +40.416 |
5 | 4 | B.バゲット | スズキ | +41.317 |
6 | 22 | C.リード | ヤマハ | +55.506 |
7 | 377 | C.プーセル | ハスクバーナ | +1Lap |
8 | 10 | J.ブレイトン | KTM | +1Lap |
9 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +1Lap |
10 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +1Lap |
11 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | +1Lap |
13 | 19 | ジャスティン・ボーグル | ![]() | +1Lap |
18 | 761 | ケイド・クレイソン | ![]() | +3Laps |
22 | 801 | ジェフ・アレッシ | ![]() | +9Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 303 |
- | 2 | 94 | K.ロクスン | スズキ | 258 |
- | 3 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 240 |
- | 4 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 212 |
▲ | 5 | 22 | C.リード | ヤマハ | 193 |
▼ | 6 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 182 |
- | 7 | 14 | コール・シーリー | Honda | 173 |
- | 8 | 10 | J.ブレイトン | KTM | 149 |
- | 9 | 41 | トレイ・カナード | Honda | 138 |
▲ | 10 | 12 | J.ワイマー | スズキ | 106 |
- | 13 | 800 | マイク・アレッシ | Honda | 94 |
- | 15 | 19 | ジャスティン・ボーグル | Honda | 76 |
- | 16 | 55 | ビンス・フリージー | Honda | 72 |
▲ | 30 | 761 | ケイド・クレイソン | Honda | 11 |
- | 36 | 801 | ジェフ・アレッシ | Honda | 4 |
- | 37 | 314 | アレックス・レイ | Honda | 3 |
- | 39 | 11 | カイル・チゾム | Honda | 2 |
- | 40 | 291 | カイル・ホワイト | Honda | 1 |
▼ | 42 | 722 | アダム・エンティクナップ | Honda | 1 |