MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSの第9戦は、3月5日(土)にフロリダ州デイトナ・ビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されました。今大会は、Hondaの後援によって行われたとあって、いつも以上にTeam Honda HRCに期待が集まりました。
通常のスタジアムではなく、オーバルサーキットのインフィールドにコース作って行われるデイトナは、1周の距離、周回タイムも通常より長く、アウトドアの要素も組み込まれた特別なレース。オートバイの祭典として知られるデイトナ・バイク・ウイークに組み込まれた伝統の一戦です。
Team Honda HRCとGEICO Hondaのライダーは、金曜日にイベント前日に行われるプレスデイに参加して地元メディアのインタビューを受けたほかに、本番を翌日に控えたレーストラックを試走する機会が得ることができました。トレイ・カナードは「実際に走行できたのは短時間ですが、事前に土曜日のコースレイアウトをチェックし、トラックのポイントを確認できたのは非常に有益なことでした」とコメントしています。
Team Honda HRCは、プロモーション活動に当選したお客さまをデイトナ・インターナショナル・スピードウェイに招待し、ピット見学ツアーへの参加と、レースの前にカナードとコール・シーリーに会う機会を用意しました。ライダーたちはレースモードとなる前に、ファンの求めに応じてサインや、一緒に写真撮影を行いました。
レース当日、午後1時に開始されたタイムアタック予選。Team Honda HRCのカナードは、2回目のセッションで1分05秒589のタイムをマークし全体5番手。1分06秒396をマークしたシーリーは11番手。GEICO Hondaのジャスティン・ボーグルは1分06秒018で全体7番手となりました。
予選ヒートレース。2組目に出場したカナード、シーリー、ボーグルは、カナードがオープニングラップ4番手から3周目に1つ順位を上げ3位でフィニッシュしファイナルに進出。5位でフィニッシュしたボーグルと1周目11番手から8番手まで順位を上げたシーリーは、セミファイナルを経由し、シーリー、ボーグルともに3位でファイナルに駒を進めました。
迎えたファイナル決勝レース。有利なスタート位置を獲得したカナードは確実にスタートを切って、オープニングラップで7番手。一方、シーリーはスタート直後の混戦に飲み込まれ、最後尾の一つ前で1周目を終えました。レース前半を折り返し、この時点で5番手を走行していたカナードは、フープスでミスを犯したことで順位を1つ下げ、6位でフィニッシュ。ほぼ最後尾からの追い上げとなったシーリーは、レース中盤に13番手まで順位をばん回すると、後半粘り強い走りで3つポジションを上げ10位でチェッカーを受けました。ボーグルは、シーリーに続く11位でフィニッシュしています。
なお、イースト地区2戦目として行われた250SXでは、GEICO Hondaのマルコム・スチュワートが4位入賞を果たし、ランキングは3番手としています。
来週ホンダレッドライダーたちは、第10戦出場のため北の国境を超えて、カナダのトロントに向かいます。
FOCUS :「Hondaとデイトナの四半世紀に及ぶ協力関係について」
ホンダ・デイトナスーパークロスとしてHondaがタイトルスポンサーを努めるようになって今年で25年。今年もデイトナのトラックには、Hondaの赤い看板が並び大会に彩りを添えました。「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイと我々は、スーパークロスのカレンダーの中で最高のレースにするために、長年協力関係を築いてきました。我々はこれからも、ホンダ・デイトナスーパークロスというすばらしいレースを楽しみにしています」と昨年複数年契約を結んだ際に、アメリカンホンダ2輪部門の副社長ボブ・ガルガはそう語りました。
レース前の夕暮れ、Hondaはともにレースを戦うレッドライダーたちに呼びかけて、デイトナ・キックオフパーティを主催しました。Team Honda HRCのカナードとシーリー、GEICO Hondaのボーグルと、RJ・ハンプシャー、そしてスチュワート。JCR GNCCに参戦するクリス・バッチとトレヴァー・ボリンジャー、それにAMAプロフラットトラックレーサーのシャイナ・テクスターらが揃ってサイン会とインタビューに参加しました。サイン入りのジャージは抽選で手渡され、また集められた募金はライド・フォー・キッズと小児脳腫瘍の子どもたちのサポート援助に寄付されました。またライド・フォー・キッズはそのプロジェクトバイクとKlock Werksがカスタマイズした「ホンダ・ゴールドウイングF6B」を展示しました。
Hondaはデイトナ・バイク・ウイークを通じ、ミッドウェイエリアのテントにおいて大がかりな展示を行いました。並べられたHondaのマシンは、希望者が小型のダイナモメーター上でオートマチック・デュアル・クラッチ・トランスミッションを体感できる「NC700X」。ホンダファクトリーモトクロッサーのコレクション、ロードレーサーとフラットトラックバイクなども同様に展示されました。
Hondaのバイクウイークレースはホンダ・デイトナスーパークロスだけではありません。日曜日に行われたレースでは、ボリンジャーがCRF250RをXC2クラスの勝利(CX1クラスでは4位)に導いたほか、テクスターが今週木曜日と金曜日に行われるデイトナ・フラットトラックに出場します。
トレイ・カナード(6位)
「今日はいくらかよかったけど、決してこれが望んでいる順位ではありません。トップ10でフィニッシュし、ケガなく終われたことは決して悪くはないです。ここまでのシーズンを振り返ると、今日は全体的にはよかったと思います。決勝もいい感じで乗れていて、フープスで転倒してからも最後まで走りきることができました。ちょっと狭いし、パッシングポイントも少なくて、このトラックがすごく好きというわけではありません。みんなもそうだったと思います。しかし、それはみんな同じ条件ですから言い訳にできません」
コール・シーリー(10位)
「正直大変な一日でした。練習走行から苦戦してしまい、セミファイナルに回ったことで選べるゲートも悪かったです。メインレースはオープニングラップの混戦の中で、追突に巻き込まれて、完全に出遅れてしまいました。21番手からがんばって追い上げ、フィニッシュしたときには10番手までばん回することができました。それは良かったのですが、やはりコースは抜き難かったですね。いったん地元に帰るれることでモチベーションは高まっているし、次週に向けて取り組みます。チームと後援してくれる皆さんにはいつも感謝しています」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「チームにとって厳しい一日となりましたが、私はトレイががんばって5位でフィニッシュしてくれたことをうれしく思っています。ヒートレース、ファイナルともにスタートも決まって、確実に走ってくれました。コールはかなり苦戦を強いられてしまいました。メインイベントの1周目にマイク・アレッシ(Honda)やほかのライダーたちと絡んで最後尾となってしまいました。そこからフィニッシュまで、気合の走りをみせてくれたと思います。もちろん望んだ成績ではありません。しかし2人とも本当にがんばってくれました。それに関しては言うことはありません」
ブレント・プレスネル | トレイ・カナード担当メカニック
「今夜は内容もよかったと思うし、間違いなくいいステップを踏めたと感じました。デイトナの6位は悪くないです。特にレースの進行に合わせてしっかり適応できたことがよかったです。レース中盤も回りの状況がしっかりと見ていたし、それを自分のものとしていました。フープスをうまく走れたことで冷静になれたし、集中できたと思います。トレイが喜んでくれれば自分もうれしいし、今回私たちは間違いなくなにかをつかむことができたと思います」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「シーズンを通じて最悪のレースだったと思います。自分よりもコールの方が苛立っているはずです。10位なんていう成績を求めてきたわけではないですから。本当に苦戦を強いられましたが、どうしてそうなったのかを正確に言い表すのは難しいですね。メインレースは不運だったとしか思えない。だれだって追突されたら転倒してしまいます。唯一前向きに考えられるのは、もちろん我々が望んだことではないですが、コールが遥か方向からいい走りでしっかりと追い上げてくれたことです」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 22'09.070 |
2 | 1 | R.ダンジー | KTM | +02.160 |
3 | 25 | M.ムスキャン | KTM | +20.177 |
4 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | +36.164 |
5 | 94 | K.ロクスン | スズキ | +38.579 |
6 | 41 | トレイ・カナード | ![]() | +52.598 |
7 | 33 | J.グラント | スズキ | +59.500 |
8 | 377 | C.プーセル | ハスクバーナ | +1'01.090 |
9 | 10 | J.ブレイトン | KTM | +1'02.541 |
10 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +1'04.747 |
11 | 19 | ジャスティン・ボーグル | ![]() | +1'05.957 |
14 | 55 | ビンス・フリージー | ![]() | +1Lap |
16 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 1 | R.ダンジー | KTM | 213 |
- | 2 | 94 | K.ロクスン | スズキ | 174 |
- | 3 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 163 |
▲ | 4 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 154 |
▼ | 5 | 14 | コール・シーリー | Honda | 145 |
▼ | 6 | 22 | C.リード | ヤマハ | 141 |
- | 7 | 25 | M.ムスキャン | KTM | 134 |
▲ | 8 | 10 | J.ブレイトン | KTM | 110 |
▼ | 9 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 105 |
- | 10 | 12 | J.ワイマー | スズキ | 81 |
▲ | 11 | 41 | トレイ・カナード | Honda | 77 |
▲ | 14 | 800 | マイク・アレッシ | Honda | 53 |
▲ | 16 | 19 | ジャスティン・ボーグル | Honda | 41 |
▼ | 17 | 55 | ビンス・フリージー | Honda | 39 |
▼ | 31 | 11 | カイル・チゾム | Honda | 2 |
▼ | 32 | 761 | ケイド・クレイソン | Honda | 2 |
▼ | 34 | 314 | アレックス・レイ | Honda | 2 |
▼ | 36 | 722 | アダム・エンティクナップ | Honda | 1 |