MONSTER ENERGY AMA SUPERCROSSの開幕戦アナハイム1は、1月9日(土)にアメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルスのエンゼル・スタジアム・オブ・アナハイムで行われました。
世界が注目する開幕戦で、Team Honda HRCのコール・シーリーが3位表彰台を獲得し、シーズンをスタートさせました。スタート直後、上位で発生したアクシデントによりレッドフラッグが提示され、リスタートとなったメインイベント。鮮やかなホールショットを決めたシーリーは、20周中13周をリードしました。地元での劇的な開幕戦勝利に挑んだシーリーでしたが、後半のミスによりペースを落とさざるを得なくなり、結果として順位を2つ下げましたが、450ccクラスへの参戦2年目となる今シーズンにおける、勝利への手応えを明確にアピールしました。また、タイムアタック予選、ヒートレースでライバルを圧倒するなど、すばらしいパフォーマンスを披露したチームメートのトレイ・カナードは、レース中盤まで3番手をキープしましたが、アクシデントにより7位でチェッカーを受けました。
開幕戦のプレイベントとなったピットパーティでは、レースマシンや2016年型CRFを展示。ライダーのサイン会やノベルティグッズのプレゼントなどが行われ、訪れた数千人のファンに喜ばれました。またTen Kate Hondaからスーパーバイク世界選手権に参戦するニッキー・ヘイデンとマイケル・ファン・デル・マークや、モトクロス世界選手権にTeam HRCより参戦するゴーティエ・ポーリンが、Hondaファミリーの一員としてこのイベントに参加。ここではケガをしたライダーを支援するチャリティ活動が行われ、Team Honda HRCもオークションなどでこの活動をサポートしました。
週の半ばに雨が降り、マディコンディションこそ回避したものの、柔らかい土質となった開幕戦。カナードは、日中に行われた予選セッションで、ただ一人1分00秒台のタイムをマークし、2番手以下に1秒近い差をつけて好調をアピールしました。このタイムアタック予選で、シーリーは全体の13番手、GEICO Hondaのジャスティン・ボーグルが19番手タイムをマークしました。レース形式で行われるヒートレース2組目では、チーム一丸となって取り組んできた事前テストの成果を証明するように、カナード、シーリーともに好スタートを決め、まずはシーリーが先行。しかし、すぐにカナードがシーリーからポジションを奪い、カナードが1位、シーリーが2位でチェッカーを受け、Hondaの1-2フィニッシュとなりました。
米国現地法人アメリカンホンダは、2016シーズンも再びHRCと本社の全面的な支援を受けてレースに取り組みます。開幕戦には中本修平HRC 取締役副社長のほか、吉田正弘Honda取締役 常務執行役員、青山真二Honda取締役 執行役員らが視察と激励に訪れ、アメリカンホンダのサム三島は「今回の訪問と日本からの支援は、Team Honda HRCが取り組むモータースポーツ活動にとって非常に重要な意味を持ち、大変光栄に感じています」とコメントしました。
コール・シーリー(3位)
「この開幕戦をとても楽しみにしていました。地元での優勝こそ逃しましたが、表彰台に立てたことにとても満足していますし、いい内容だったと思います。自分にとっては、今シーズン最初のレースというだけでなく、肩のケガからの復帰レースとなりました。そのためとても緊張していました。リスタートではいいラインに入り、ホールショットを決められました。前半はいいラップタイムでリードしました。後半はコーナーで追い上げてきたライバルが視界に入ると、250cc時代を思い出してなんとか逃げきろうと努力しましたが、彼の方がいい走りをしていて、抑えきれませんでした。それでも、3位表彰台に立てたことは本当にうれしいですし、チームとしてもシーズンのいいスタートになったと思っています」
トレイ・カナード(7位)
「全体としてはいい一日でした。マシンの調子もよかったです。自分のライディングも、予選やヒートではすごく決まっていたと思います。ただ、決勝レースに関しては思い通りにはいきませんでした。うまく乗れなかったことと、固くなってしまい、いいラインを選べませんでした。それに、ジャンプを跳びすぎたことでコース上のくぼみに着地してしまい、ブレーキングが遅れてコースアウトしてしまいました。結果は残念ですが、ノーポイントに終わった可能性もあったことを考えれば、7位のポイントを獲得できたことを喜ぶことにします。ケガもしませんでしたし、全体としてはいいです。シリーズ戦は長いですし、次戦以降のよりいい結果を目指して前向きにトライします」
中本修平 | HRC 取締役副社長
「今夜は、コール・シーリー選手の表彰台への登壇を見られてよかったです。まだまだ改善する余地を残してはいますが、両ライダーとも十分な速さがありましたし、調子もいいです。全体として見れば、いい内容でシーズンをスタートさせることができました。長いシーズン、タイトル獲得に向けて引き続き努力を続けていきます」
ダン・ベトリー | Team Honda HRC監督
「正直に言えば望んだ結果とは異なりますが、全体を通して見れば、決して悪い一日ではなかったと思います。前向きに考えれば、我々の速さを披露できましたし、注目してもらえたと思います。我々のマシンと2人のライダーには、本当に満足しています。もちろん、引き続きマシンをさらによく仕上げていきます。そうすれば必ずいいシーズンになるはずです」
リッチ・シモンズ | コール・シーリー担当メカニック
「今夜は本当にうまくいったと思います。目標は、手堅くポイントを獲得して、ケガなく開幕戦を終えることでした。日中はコースが少し荒れていました。コールは予選で苦戦を強いられましたし、とてもがんばっていました。私は、彼を少しでもいい精神状態でコースに送り出すことに専念しました。その結果、彼は決勝でいいスタートを決め、レースの半分以上をリードしてくれました。それは非常にうれしいことでしたし、最高のスタートになったと思います」
ブレント・プレスネル | トレイ・カナード担当メカニック
「リザルトには残りませんでしたが、正直に言って、トレイこそが間違いなく、今日を支配したライダーだったと思います。タイムアタック予選でベストタイムをマークしたのも、ヒートレースでファステストタイムをマークしたのもトレイでした。しかし決勝レースでは、ほんの少しのミスで流れが変わってしまいました。私たちはマシンにいくつか改良を加えることになると思います。それは、彼をよりハッピーにするはずです。彼の速さは本物であり、今回の残念な結果はすぐに切り換えて、前向きに取り組みます」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 20'57.823 |
2 | 1 | R.ダンジー | KTM | +4.243 |
3 | 14 | コール・シーリー | ![]() | +5.942 |
4 | 3 | E.トーマック | カワサキ | +9.435 |
5 | 94 | K.ロクスン | スズキ | +12.371 |
6 | 22 | C.リード | ヤマハ | +18.987 |
7 | 41 | トレイ・カナード | ![]() | +21.819 |
8 | 18 | D.ミルサップス | KTM | +23.661 |
9 | 15 | D.ウィルソン | KTM | +24.648 |
10 | 10 | J.ブレイトン | KTM | +25.516 |
13 | 19 | ジャスティン・ボーグル | ![]() | +37.298 |
16 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | +1'06.939 |
19 | 11 | カイル・チゾム | ![]() | +17.745 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 21 | J.アンダーソン | ハスクバーナ | 25 |
- | 2 | 1 | R.ダンジー | KTM | 22 |
- | 3 | 14 | コール・シーリー | ![]() | 20 |
- | 4 | 3 | E.トーマック | カワサキ | 18 |
- | 5 | 94 | K.ロクスン | スズキ | 16 |
- | 6 | 22 | C.リード | ヤマハ | 15 |
- | 7 | 41 | トレイ・カナード | ![]() | 14 |
- | 8 | 18 | D.ミルサップス | KTM | 13 |
- | 9 | 15 | D.ウィルソン | KTM | 12 |
- | 10 | 10 | J.ブレイトン | KTM | 11 |
- | 13 | 19 | ジャスティン・ボーグル | ![]() | 8 |
- | 16 | 800 | マイク・アレッシ | ![]() | 5 |
- | 19 | 11 | カイル・チゾム | ![]() | 2 |