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THE BIG CHALLENGE 松下信治 GP2参戦レポート

Vol.3 オーストリア・イギリス

第4戦オーストリア
予選から速さを見せ、レース2で3位となり初の表彰台を獲得する

GP2シリーズは第4戦オーストリア・レッドブルリンクで迎えました。松下選手は事前にフォーミュラ・ルノーのマシンを調達して練習を行い、レースに臨みました。その成果もあり、予選ではチームメートのストフェル・ヴァンドーンに次ぐ2番手タイムを出し、フロントローのポジションを獲得しました。

6月20日(土)に行われたレース1では、スタートでポジションを落とし3番手となります。ソフトタイヤでスタートした松下選手は8周終了時点でタイヤ交換のためピットインしました。早めのピットインにより、順位は20番手まで落としますが、レース中盤から終盤にかけ他車のピットインと追い上げによってポジションを回復し、30周目には8番手、33周目には4番手に上昇します。35周目には前車をオーバーテイクし3番手に上がりますが、残り2周の38周目にポジションを奪われ、4位でフィニッシュしました。

翌日に行われたレース2、5番手からスタートした松下選手は、好スタートで4番手に浮上します。僅差のトップ争いが展開される中、松下選手もトップ集団で追走、ポジションアップを狙います。終盤に差し掛かる14周目、2番手の選手がコースアウトし、松下選手は3番手、表彰台圏内にポジションを上げました。その後も、トップとの差は1秒以内で激しいレースは進みますが、ポジションは変わることなく、3位でフィニッシュ。松下選手はルーキーながら、4大会8レース目にして初の表彰台を獲得しました。

松下信治選手のコメント
「フリー走行からトップ5は狙える感触がありました。予選では、1回目のアタックで、高速コーナーでオーバーステアが出て失敗してしまいましたが、次のアタックでいいタイムを出せました。トップと0.089秒差の2番手ですから、満足のいくタイムでした。レース1では、後半に仕掛ける作戦でしたので、前半少し守った分、アグレッシブさが足りなかったかもしれません。レース2はスタートが決まりポジションを上げることができましたが、その後は我慢のレースが続きました。ミスをしなければパスされることはないと思っていたので、そこに集中しました。マシンのスピード、パフォーマンスは素晴らしく、チームに感謝したいです。F1と同じ表彰台は気持ちがよかったですし、次は1番高いところへ上がりたいと思います」

 

第5戦 イギリス
優勝を狙える展開も、マシントラブルによってストップ。悔しい一戦となる。

GP2第5戦はイギリス・シルバーストーンで行われました。今回も、事前に練習を行って臨んだ松下選手は、トップから15番手までが1秒以内にひしめく僅差の予選で、トップから0.5秒差の7番手を獲得し、レースに挑みました。

7月4日(土)に行われたレース1では、好スタートを切り上位の混乱をうまく避けた松下選手は一気に3番手に上昇します。その後、後続のアクシデントでセーフティカーが導入され、4周目に再開されました。再開早々、激しいトップ争いの隙を狙い、松下選手は前車をパスして2位に浮上しました。この時点で、ミディアムタイヤでスタートしたのは松下選手のみで、上位陣はハードタイヤでの走行のため、松下選手のトップ浮上は確実視されていました。しかし、7周目、突然マシンがストップ。電気系のトラブルで悔しいリタイアとなりました。

7月5日(日)に行われたレース2では、松下選手はレース1のリタイアにより25番手からのスタートとなりました。スタートで出遅れた松下選手でしたが、すぐに22番手まで上昇。しかしその後は集団の後ろにつき、なかなか前車をパスできない展開となります。マシンのバランスも、集団の中では速さを発揮できず、苦しい状況が続き、21周のレースを19位でフェニッシュしました。

松下信治選手のコメント
「レース1はスタートがうまくいき、無理をせずに3番手まで上がれました。セーフティカー明けでは、前の2台がやり合いそうだったので様子をみていましたが、やはりその通りになり、前がアウト側にはらんでくれたので普通にインをついて2番手になれました。タイヤ選択においても、展開においても、大きなチャンスだったと思います。表彰台は確実だったと思うし、ピットストップ後の展開次第では、十分優勝争いもできたと思います。本当にもったいないことをしました。レース2では、タイヤが温まりきれていなかったため、スタートでホイールスピンしてしまいました。なかなか前を抜けない状況で、タイヤもダメになってしまいました。シルバーストンは体力的にもきついサーキットですが、体力的にも精神的にも今までで一番疲れるレースでした」

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