苦しみの末につかんだPPと勝利!
夏休みを終え、いざ終盤戦へ!
シーズン中盤戦からは、悩んだレースが多く、予選でのパフォーマンスで苦しんだように思います。それでも、ポイントを多く取れる可能性のあるサーキットもあったので、とにかくそういうときは、しぶとく生き残るレースを心がけていました。特にシルバーストーン(第6戦イギリス)は本当に苦しみましたね。第7戦ハンガリーではポイントをかせぐレースができて、優勝もできたのでよかったです。
ハンガリーGPで2度目の表彰台頂点に
しかし、その後のスパ(第8戦ベルギー)はまさかの一番つらい週末になりましたね。大クラッシュも経験して痛いし熱いしたいへんな週末でした。
でも翌週のモンツァ(第9戦イタリア)ではずっと取りたかった初のポール。これはとても大きなステップだと思います。残りの終盤戦、一つレベルの上がった走りをしたいです。
フランスの南東部の有名な観光地、ナンシーに来ました
壮大な渓谷を訪れてリフレッシュ!
夏は日本に少し戻り、家族と支えてくれる人たちに会えて、とても楽しい夏休みでした。ただし、気候が暑くジメッとしていて、これが日本の夏か……と思いました。
でもやっぱり、故郷で落ち着いて過ごすのが好きだなと改めて感じましたね。
友人たちとハンガリーGPの祝勝会。駆けつけてくれた大先輩の野尻智紀選手にも感謝
プライベートな部分では、南フランスに遊びに行ったりしました。知り合いに教えてもらい行ったのですが、かなりよかったです。ちなみにアンシーという街です。後半戦は時間が少し空くので合間に友達と電車で小旅行とかをしています。
あとそういえば、この間は初めてのテレビ撮影があっておもしろかったですね。料理の撮影があって、包丁の使い方とかすごい意識しました……。あとはひたすらトレーニングやシミュレーションに力を注いでいます。結構フィジカルなサーキットが続くので準備がすごく大事です。
恩師の金石勝智さんとの会合。シメはラーメンで
残りの終盤戦、自分の真の姿でレースをします。個人的にも好きなコースですから、またポールを狙い、優勝目指して走るだけですね。
頑張りますよ!
福江 剛司 | FIA F2・GP3 Commentator

ハンガリーでの勝利によって目標達成に近づき、その後のF1テスト参加などを経て後半戦に臨んだ松下信治選手。休み明けのベルギー、イタリアでの松下選手は、見ている我々を実にハラハラ、ドキドキさせてくれました。ベルギーでは、明らかにマシンに速さが足りず予選から低迷し、レース2では大クラッシュを喫しました。幸い大きなダメージはなく、翌週のイタリア戦に出場することができ、本当によかったと思います。ですが、後半戦のスタートとしては、本人も周りもかなりガッカリの結果でした。
そしてイタリアでは、予選でトップタイムをマークしポールポジションを獲得。レース1に期待がかかりましたが、マシンは予選ほどの速さを発揮せずにポジションを下げました。しかし、レース終盤に上位選手の脱落やペナルティーなどにより結果は2位。流れが目まぐるしく変わり、ジェットコースターのような展開でした。
注目のランキングですが、ハンガリーでの勝利で目標のランキング3位との差を縮めた松下選手でしたが、その後の4レースで、その差をさらに詰めることは叶いませんでした。シーズンは残り2大会4レース、ランキング3位との差は37ポイントです。大量ポイント獲得には、優勝によって25ポイント得られるレース1での好結果が不可欠です(レース2は優勝15ポイント)。残り4レースで目標達成は、現実的にはかなり厳しい状況ですが、不可能ではありません。全力を尽くし悔いのない戦いと、運が松下選手に味方することを期待しています。