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三浦、F3で初優勝
野尻、表彰台でランキングトップ守る

全日本F3選手権Nクラス(第3大会 富士スピードウェイ)

7月16日〜17日、静岡県富士スピードウェイで、2011年度全日本F3選手権シリーズの第3イベント(第6戦及び第7戦)が開催されました。HFDP(Honda Formula Dream Project)からは、F3参加2シーズン目となる三浦和樹、F3初年度の野尻智紀の計2名が参加しました。

前週に梅雨明けして、富士スピードウェイは早朝から夏の太陽が照りつける好天。路面はもちろん完全ドライです。このコンディションで、土曜日午前中に行われた公式予選セッションでは、練習走行から好調だった三浦がまず第6戦のポールポジションを獲得、野尻がそれに続いてHFDPがNクラスの1-2ポジションにつくことになりました。続けて行われた第7戦の公式予選では、野尻がNクラスのポールポジションを獲得、三浦は4番手となりました。

  • 照りつける太陽の下、スタート準備照りつける太陽の下、スタート準備

第6戦決勝レースは土曜日午後にスタートしました。うまく加速した三浦は上位Cクラスの選手の前に出て、そのCクラスのマシンを2番手に上がってきた選手との間に挟み、有利なポジションを築きました。一方、2番手スタートの野尻はスタートで3番手の選手に先行されたあと、さらに別の選手にも抜かれてポジションを4番手まで落としてしまいました。

三浦は前を走る上位Cクラスの選手がミスをして後退したため、2番手の選手との間に2台のCクラスマシンを挟むことになり、自分のペースで走れなくなったその選手との間隔を稼ぐという有利な展開に持ち込みました。野尻は、自分のミスから前に出してしまった選手に攻めよりました。このプレッシャーもあってか3番手の選手は9周目にコーナーでオーバーラン、野尻は3番手に順位を回復することになりました。

  • 落ち着いて首位を守る三浦落ち着いて首位を守る三浦

Nクラス2番手の選手は、三浦との間にいた上位Cクラスの選手が三浦の前へ出たのを機にペースを上げて三浦との間隔を縮め始めましたが、三浦も落ち着いてこれによく耐え、周回を重ねました。迎えた12周目、第1コーナーで三浦はシフトミスを犯し、そのスキに2番手の選手が三浦のインに飛び込んで、2車は並走状態で第1コーナーを通過しました。三浦は譲らず両車並んだまま次の左コーナーへ向かい、三浦はイン側のラインを守ってコーナーへ進入しました。その結果、2番手の選手は不利なラインを走らざるを得なくなり、グリップを失ってオーバーランして後退、三浦は自らの闘争心で首位の座を守りきりました。

このチャンスに野尻も2番手の選手に接近して追い抜きを狙いますが届かず、その後は後続の選手の攻撃をかわす構えに切り替えてフィニッシュを目指しました。こうして三浦がF3挑戦以来、初の優勝を遂げ、野尻が3位に入賞することとなりました。

  • ポールポジションについた野尻ポールポジションについた野尻

翌日も、真っ青な空から太陽が照りつける厳しいコンディションで第7戦決勝レースが行われました。野尻はポールポジションから優勝を狙っていました。しかし決勝スタート合図のあと、野尻の加速は十分ではなく、スタート時と1周目のヘアピンで立て続けに後続の選手に先行され、3番手でレースを進めることになりました。三浦は4番手を守りましたが、スタート直後の混乱で順位を落とした上位Cクラスの選手が後方から追い上げてきたためコースを譲ったうえ、その選手が野尻との間に挟まるという、第6戦とは逆に不利な状況で序盤を戦うこととなりました。

野尻は先行する2番手の選手に迫りますが、接近するとダウンフォースが抜けるという不利な状況になって、容易に順位を入れ替えることができません。この間、太陽が照りつけて路面状況は悪化し、ダウンフォースがないとその分タイヤを傷めるという悪循環に陥り、野尻、三浦とも苦戦を強いられました。

  • 真夏の太陽の下力走する野尻と三浦真夏の太陽の下力走する野尻と三浦

厳しいコンディションは他の選手も同様で、レース展開は早々に落ち着き、レースは5周目に入る頃からこう着状態に入りました。一時期は2番手の選手を攻め立てる構えを見せた野尻もタイヤに負担をかけることができず、じりじりと間隔は開いていきました。三浦もタイヤを守る走りを強いられ、ポジションを守って周回数を重ね、その後大きな順位の変動はないままフィニッシュを迎えました。

  • ポイントリーダーの座を守る野尻ポイントリーダーの座を守る野尻

三浦は第6戦の優勝ポイント、ポールポジションポイント、第7戦入賞ポイントを重ね、ランキングをひとつあげて5番手へ進出。野尻も順調にポイントを加えてランキング首位の座を守って第7戦を終えました。

リザルト

三浦和樹

 予選決勝
Rd.61番手優勝
Rd.74番手4位
 ポイントランキング5位(Nクラス シリーズ第7戦終了時点)

野尻智紀

 予選決勝
Rd.62番手3位
Rd.71番手3位
 ポイントランキング1位(Nクラス シリーズ第7戦終了時点)
コメント

三浦和樹 「金曜日の練習走行から好調で、トップタイムからそれほど後れもとっていなかったのでいい滑り出しでしたが、まさかポールポジションが取れるとは思っていませんでした。でも気持ちが充実していて、変に緊張することもなく適度な集中心をもってレースに臨めました。僕はレース中に後ろを気にしすぎて自分の走りができなくなるという悪いクセがあるのですが、今回は後ろを見ずに集中できました。シフトミスをしてNo.37の選手に並ばれましたが、僕のラインがグリップすると自信があったので、慌てずに次のコーナーへ向かい、首位を守ることができました。第7戦は、前にクルマがいてダウンフォースが抜けるので舵角を大きくしないと曲がれず、そのせいでフロントタイヤを傷めてしまい、ペースを上げられなくなってしまいました。でも、今回ようやく勝てたので自信がつきました。早く1勝しなければと焦ってもいたので、これで気持ちを切り替えられると思います。次のレースが楽しみです」

  • 三浦 和樹三浦 和樹

野尻智紀 「第6戦は、スタートがあまりよくなくて、自分でもミスして順位を落としてしまいました。勝てるレースだと思っていたのに、自分のせいで落としてしまったようなものです。第7戦はポールポジションからのスタートで、第6戦であまりいいレースができなかったので、勝つつもりでいました。ただ、新しいスタート方法を試していて、ウォームアップのときはうまくいったのですが、肝心の決勝でうまくいかず順位を落としてしまいました。ヘアピンを立ち上がるとき後ろを確認して大丈夫だなと思っていたら、後続の選手にズバっと来られて抜かれてしまったのは自分のミスです。決勝のコンディションでは、よほどタイム差がないと順位を入れ替えることはできず、結局そのままのポジションを守らざるをえませんでした。このレースも勝てるレースだったのに残念です。チームに申し訳ないことをしてしまいました。こんなレースを続けていたらレベルアップはできないと反省しています。」

  • 野尻 智紀野尻 智紀

フォーミュラチャレンジ・ジャパン

今回は該当レースはありません。