VOL2

全カテゴリー、全レースで表彰台へ
疾走した若い力

フォーミュラ・ニッポン(第2戦 ツインリンクもてぎ)

5月22日、初夏を思わせる天候の下、ツインリンクもてぎで全日本選手権フォーミュラ・ニッポンのシリーズ第2戦公式予選が行われた。HFDP RACINGから出走した塚越広大は、Q1を6番手で通過すると、Q2ではベストタイムを記録してトップで通過、Q3へ進出した。塚越はQ3でもベストタイムを記録してポールポジション奪取を狙ったが、第1、第2コーナーでオーバースピードとなってタイヤのスライドを招き、わずかにタイムロスした結果、5番手に終わった。ポールポジションからはわずか0.107秒差であった。

翌23日の決勝レースは前日とは一転、ウェットコンディションとなった。マシンの仕上がりに自信があったチームは、燃料積載量を考慮、マシンの運動性能を落とさない程度の中間的な状態で塚越をスタートさせた。

塚越は巧妙なスタートダッシュを見せて3番手へ上がり1コーナーへ飛び込んだ。後方からはアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)、ロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が並びかかろうとするが塚越は落ち着いて自分のラインを守り、3番手のポジションを守った。

その後、2番手を走っていた小暮卓史(NAKAJIMA RACING)がオーバーランしたため、塚越は2番手へ上がるが、その時点ではトップを走るファオ・パオロ・オリベイラ(Mobil1 TEAM IMPUL)との差は7秒にも広がっており、ペースもオリベイラの方が速かったためその差は開いていった。一方後方ではデュバル、ロッテラーが争いながら塚越を追走したが、塚越のペースは彼らよりもわずかに速かったため、後方との間隔も開いて、塚越は雨の中、水しぶきを上げて単独走行に入った。

  • 雨中のレースとなった決勝雨中のレースとなった決勝

34周終了時、塚越はトップグループの先陣をきって給油のためのピットインを行った。給油時間は約17秒。コースに復帰した塚越の順位は35周目の時点で5番手に下がっていた。37周目、オリベイラがピットイン。給油時間16秒4でコースに復帰した。オリベイラはそれまでにリードを稼いでいたため、38周を終えた時点でも首位を守ったまま。ピットインしていないロッテラー、大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM'S)、デュバルに続き塚越は5番手のままでいる。

39周目、大嶋がピットイン、13秒の給油ストップを行う間に塚越は大嶋をかわして前へ出た。さらにロッテラーが40周目にピットイン、やはり13秒という短時間でコースに復帰した。塚越はかろうじてロッテラーをかわして順位を3番手に上げた。

41周目にはデュバルがピットに入り給油に15秒4を欠けたため、塚越はようやく元々自分がいた2番手のポジションを取り戻した。しかし首位を走るオリベイラとの差は34秒の差がついており、むしろ給油時間を短くまとめたロッテラーが約3秒後方に近づいているという緊迫した状況となった。確かに間隔はピットイン前よりも狭まってしまったが、チームにとっては計算通りの展開である。

  • 自信にあふれた塚越の走り自信にあふれた塚越の走り

レースの周回数も残りわずか、ロッテラーのペースがわずかに速く、間隔は少しずつ縮まる。フィニッシュまで6周となった46周目、その差は2秒を切った。しかしチームはマシンとドライバーの状態に自信を崩さず、塚越に「プッシュ」の指令を出し、塚越もそれに応えてタイヤの状況を考慮しながらペースを上げて、逆にロッテラーとの差を開きにかかり、突き放す形で52周のレースを終えた。HFDP RACINGと塚越にとっては国内トップフォーミュラであるF・ニッポンにデビュー以降初めての表彰台であった。

リザルト

塚越広大

 予選決勝
Rd.25番手2位
 ポイントランキング4位
  • FN初表彰台に上がった塚越と子供たちのメダルFN初表彰台に上がった塚越と子供たちのメダル
コメント

塚越広大 「昨日Q3でトップになれなくて悔しかった。チームにも悔しい思いをさせてしまい、申し訳ないです。でも雨の走行は今年、テストでも調子が良かったので決勝ではチャンスがあると自信を持っていました。スタートに集中していたのでうまく順位を上げられたし、小暮さんがミスしたときも冷静に対応できました。ただトップが非常に速くて、ぼくも一所懸命プッシュしたのですがついてはいけませんでした。後半は後ろからアンドレ(ロッテラー)選手も近づいてきたので、決して楽なレースではありませんでしたが、念願だった表彰台に上がれたので大変嬉しいです。クルマをここまで仕上げてくれたチームに感謝するばかりです。地元なので他のサーキットよりも応援に来てくれる人が大勢いたし、今回レース前に小学校と養護施設へ挨拶に行きましたが、子供たちがメダルを作ってくれたんです。このメダルを表彰台に持って行くからと約束していたので、約束が守れて良かったです。このメダルにも、力をもらったような気がします」

田中弘監督 「スタートが勝負だと思っていた。戦略的にも間違いはなかった。これまで塚越は、スタート直後の重い状態での走りが課題だったが、それはクルマの仕上がり方にも関係のあることで、今年は去年から大幅に進歩したクルマになっているし心配はしていなかった。本当は開幕戦の鈴鹿で結果を出したかったけれども、いろいろあってそれがうまくいかず、今回ようやく結果が出せたということ。敢えて言うならば予選のQ3で(塚越が)力みすぎてトップになれなかったのが悔しかった。今回は2位だけど、これは優勝した1台だけが速すぎたということ。塚越も、プッシュしろという指示に応えて、ちゃんとタイヤの状態を考えながらペースをコントロールできた。今の状態ではベストレースでした」

全日本F3選手権Nクラス(第2ラウンド ツインリンクもてぎ)

2010全日本F3選手権シリーズの第2大会が、5月22日(土)―23日(日)にツインリンクもてぎで開催された。小林崇志は第3戦こそ2位に留まったものの、第4戦では優勝して今季3勝目を数え、シリーズランキングトップの座をより強固なものとした。三浦和樹は第3戦では3位を手にするものの、第4戦では他車との接触などによってクルマにダメージを受けたためリタイアした。

  • 先走る気持ちと走りの融合が三浦のテーマ先走る気持ちと走りの融合が三浦のテーマ

本大会に先立つ21日(金)には、夏を思わせる好天のもとでF3の占有走行が行われ、小林がNクラスのトップタイムを記録して第1大会に引き続いての好調ぶりを披露した。

翌22日(土)昼前から始まった予選で、小林は第3戦がクラス2番手で第4戦がクラストップ。一方、三浦は第3戦、第4戦ともにクラス4番手となった。

  • マシンを信じ切った小林の走りマシンを信じ切った小林の走り

22日(土)夕方に行われた第3戦の決勝(14周)で、小林はクラス2番グリッドから鋭いスタートダッシュでクラストップに立った。ところが、出足の鈍ったCクラスの選手に行く手を阻まれる不運に見舞われてしまい、再びクラス2番手へ後退。それでも前の選手を追走し、無言の圧力をかけ続けて次なる機会を待った。しかし、追い越しの難しいこのコースで二度とそれは訪れることなく、小林は2位のままレースを終えた。

クラス4番グリッドからスタートした三浦も、小林と同様になかなか追い越しの機会を得られず4番手のまま最終周に入った。そうしてゴールまで残り数百メートルとなった90度コーナーで、最後の勝負に出た。ブレーキングをギリギリまで我慢し、3番手を走る選手の内側へクルマを滑り込ませる見事な追い抜きだった。これで第1大会の第1戦に続き、今季2度目の3位表彰台を三浦は獲得した。

  • 1年目のF3、三浦に学ぶことは多い1年目のF3、三浦に学ぶことは多い

翌23日(日)午前に行われた第4戦の決勝(20周)で、クラストップの小林はCクラスの選手ふたりがアクシデントに見舞われている様を横目に、総合でも5番手の位置でNクラスの先頭に立った。背後にはクラス5番グリッドから大きく順位を上げてきた選手がピタリとつけたものの、小林は冷静沈着な走りで周回ごとにこれを引き離していった。途中、曇り空から雨粒が落ちてきたが激しくはならず、小林は余裕で今季3勝目を手にした。

  • 早くも3勝目をあげた小林早くも3勝目をあげた小林

前日と同じクラス4番グリッドだった三浦は、スタート時の前方の混乱に巻き込まれながらも4番手の位置を維持。レース序盤は前方を行く3番手の選手のペースが遅く、三浦は追突しそうになりながら何度も攻め立てた。ところが2周目には実際に追突してしまい、フロントウィングにダメージを負った。これで自身のペースが落ち、今度は背後から攻め立てられる状況に陥った。迎えた3周目の90度コーナーでのブレーキング、後ろから追い上げてきたCクラスの選手が三浦のクルマに追突してスピン。大幅に遅れながら再発進こそしたが、追突されたことが原因でしばらくするとリアウイングが大きく破損。残念ながら11周リタイアという結果に終わった。

リザルト

小林崇志

 予選決勝
Rd.32番手(Nクラス)2位(Nクラス)
Rd.41番手(Nクラス)優勝(Nクラス)
 ポイントランキング1位(Nクラス)

三浦和樹

 予選決勝
Rd.34番手(Nクラス)3位(Nクラス)
Rd.44番手(Nクラス)リタイア
 ポイントランキング4位(Nクラス)
コメント

小林崇志 「追い越しの難しいこのコースでは予選でクラストップになることが勝つには必要でしたが、残念ながら2番手でした。そのため第3戦の決勝ではスタートでトップに立つしかないと思い、実際にそれはうまくいってトップに立つことも、さらにはCクラスの選手に並ぶこともできたのですが、第2コーナー立ち上がりでその選手との位置関係で自分のほうが失速してしまい、クラス2番手に戻ってしまいました。レース中のペースも上がらず、結果として2位に終わって残念です。第4戦に向けてはスタートをしっかり決めようと思って臨みました。ただし、実際にはスタートでエンジンストール気味で決して成功とは言えませんでした。それでもCクラスの選手がエンジンストールしていたこともあって背後から抜かれることはなく、第1コーナーへは先頭で入れました。レース中盤に小雨が落ちてきたとき、少しペースが上げられなかったのは課題かもしれませんが、追いつかれることもなかったしいいレースはできたと思います」

  • 今年の小林は表情に自信があふれる今年の小林は表情に自信があふれる

三浦和樹 「第3戦はスタート直後こそホイールスピンを起こしてしまいましたが、それ以降の加速はまずまずで4番手を守ったまま第2コーナーを立ち上がりました。続く第3コーナーでは混乱がありましたが、うまく避けることができました。それからは3番手の選手をなかなか抜けずファイナルラップになってしまいましたが、90度コーナーのブレーキングがチャンスだと思っていて実際にうまく抜くことができました。表彰台には乗れましたが、もう少し早いタイミングで3番手に上がっていればいいレースになったと思うので悔しいです。第4戦のスタート直後は勢いもありましたし、いいペースだったのですが、前のクルマに追突してフロントウィングにダメージを負ってしまいました。それからペースが落ちてしまい、90度コーナーでは追突されてしまいました。初めに追突したこともレースには余計なことでしたし、次に追突されたことも自分がブレーキングで走行ラインを変えたのが原因だったと反省しています」

  • 三浦、2回目の表彰台だが、目標はもっと上にある三浦、2回目の表彰台だが、目標はもっと上にある

英国F3(第2ラウンド シルバーストン)

5月1日、2日にわたって、シルバーストンサーキットのアリーナレイアウトコースを用いて、イギリスF3選手権シリーズ第2戦が開催された。ライコネン・ロバートソン・レーシング(Raikkonen Robertson Racing)から2シーズン目の挑戦となる中嶋大祐は、公式予選でベストラップ5番手、セカンドベストラップ6番手に付けて第1レースを迎えた。

  • シルバーストンを走るHFDPカラーのマシンシルバーストンを走るHFDPカラーのマシン

好天の下で行われた決勝第1レースは波乱の幕開けとなった。3番手グリッドを手にしていた中嶋のチームメイト、F・ナスル(Raikkonen Robertson Racing)がフォーメーションラップを開始する際にグリッド上でエンジンストール、 そこに後方から走ってきたドライバーが追突したのだ。これによりスタートは延期。クラッシュした車両が回収された後再びフォーメーションラップが行なわれ、 スタートが切られた。 スタートを上手<決めた中嶋は1コーナーまでに1台をパスし4位に浮上。さらにチャンピオンシップリーダーの ジャン・エリック・ヴァーニユ(Carlin)をインサイドから一気にオーバーテイクし、3位に浮上した。3位に浮上した後は、摩耗の進むタイヤをかばいながら周回を重ねていく。

  • トップに立った中嶋トップに立った中嶋

レース終盤、先行する2台のバトルが激しくなった際には2位を走るオリ・ウェッブ(Fortec Motorsport) に急接近し、最終ラップにはオーバーテイクのチャンスを窺う事が出来るほどであったが、 残念ながら周回遅れのドライバーに行く手を阻まれてしまい、3位でチェツカーフラッグを受けた。

日曜日は冷え込み、午前中に行なわれた第 2 レースはウェットコンディションで始まった。第1レースの結果に基づくリバースグリッドにより6番手グリッドとなった中嶋は、非常にグリップの低い難しいコンディションにおいても絶好のスタートを決めると、1コーナーまでに1台、そして1コーナーでアウト側からもう1台をパスし4番手に浮上した。

さらにチャンピオンシップリーダーの J・E・ヴァ一ニュと争い、ブレーキング勝負で先行、 3番手のポジションを手に入れた。その後、いったんは2番手にまで順位を上げるが後方からアレクサンダー・シムズ(ART Grand Prix)の追い上げにあい、結局3位でフィニッシュした。ただし、シムズはインビテーショナルクラスからの参戦だったため、ポイント対象外で、中嶋は2位に相当するシリーズポイントを獲得した。

  • 激戦の2シーズン目を戦う中嶋激戦の2シーズン目を戦う中嶋

第3レースはドライコンディションで行なわれた。公式予選の結果から5番手グリッドからのスタートとなった中嶋は、スタートで1台をパスし4番手に浮上。また、3周目に2番手を走行中だった選手が1コーナーでスピンを喫したことから3番手に浮上し、表彰台圏内で順調にラップを重ねて行った。

しかしレース終盤、中嶋は不運に見舞われる。駆動系のトラブルにより徐々にマシンのスピードを失っていき、レース終了まで残り2周の時点で4番手、ファイナルラップの1コーナーで6番手まで順位を落としながらフィニッシュを目指したが、その時点で走行不能に陥り、リタイアとなった。3戦連続での表彰台を惜しいところで失った中嶋ではあったが、Driver of the Weekend Awardと呼ばれる、 その週末に最も活躍した選手に贈られる賞を受賞、この週末を締めくくった。

リザルト

中嶋大祐

 予選決勝
Rd.46番手3位
Rd.56番手2位
Rd.65番手リタイア
 ポイントランキング6位
  • 中嶋大祐中嶋大祐
コメント

中嶋大祐 「最後のリタイアは残念でしたが、3レースともエキサイティングで良いレースが出来ました。特に、(シルバーストンサーキットの)新レイアウトで初めてのウェツト走行となった第2レースで6 番手グリッドから順位を上げて表彰台に上がる事が出来たのは良い自信になりました。 このような状況は、 自分の中でも課題にしていた部分でしたので。今は本当に優勝をしたい気持ちでいっぱいですが、 今回のようなレースを出来ていればその時も近いのではないかと思います。」

フォーミュラチャレンジ・ジャパン(第2ラウンド ツインリンクもてぎ)

2010フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)の第1大会は、5月22日(土)−23日(日)にツインリンクもてぎで開催された。

今季、HFDPはFCJに参戦する4名の若手ドライバーを支援している。昨季に引き続いて2シーズン目のFCJを戦う野尻智紀のほかに、鈴鹿サーキットレーシングスクールフォーミュラ(SRS-F)修了生でスカラシップを受けた平峰一貴、中村真志、元嶋佑弥の3名が新しく顔ぶれに加わった。

22日(土)午前に行われた第1戦の予選では、FCJルーキーの平峰が3番手を獲得し、野尻が4番手でこれに続いた。元嶋は8番手、中村は15番手だった。続いて行われた第2戦の予選では、野尻が3番手を獲得し、平峰が4番手でこれに続いた。元嶋は6番手、中村は11番手だった。

  • 今年のFCJは22台フルグリッドでの激戦今年のFCJは22台フルグリッドでの激戦

同22日(土)午後に行われた第1戦の決勝(12周)では、野尻が4番グリッドからのスタートに失敗。エンジンが停止して出遅れ、再始動は果たしたものの順位を最後尾まで下げてしまった。野尻は持ち前の速さで次々と先行者を追い抜くものの、12位まで順位を上げるに留まった。

一方、3番グリッドからスタートした平峰は、先行するFCJ経験者ふたりを最後まで視界に捉えながら追走を続け、ルーキー勢では最上位となる3位でデビュー戦を飾った。8番グリッドからのスタートとなった元嶋は、ペースの遅い先行者に阻まれて苦戦。しかし、終盤に果敢な追い越しを見せて入賞目前の7位でデビュー戦を終えた。また、15番グリッドからレースに臨んだ中村は11位に留まり苦いデビュー戦となった。

翌23日(日)朝に行われた第2戦の決勝(18周)では、スタートで2番グリッドの選手が出遅れ、3番グリッドの野尻が2番手へ、平峰が3番手へ、それぞれ浮上してレースが始まった。

しかし、野尻はジャンプスタートと判断されてドライビングスルーペナルティを科されてしまった。これによって最後尾近くまで順位を落とした野尻は、ペースの上がらない先行者に行く手を阻まれたこともあり14位まで挽回するに留まった。

一方、平峰は野尻のペナルティによって自動的に2番手の座を手にした。背後からはFCJ優勝経験を持つ選手が攻め立ててきたものの、平峰はまったく動ずることなく、逆に突き放して2位の座を奪った。これで平峰は2戦連続の表彰台獲得となり、幸先のよいシーズンの滑り出しとなった。

  • ルーキーながら2戦連続表彰台の平峰ルーキーながら2戦連続表彰台の平峰

6番グリッドからのスタートとなった元嶋は、1周目に5番手へ浮上し、その後は野尻のペナルティもあって4番手へ上がった。さらに元嶋は3番手の選手の背後にピタリとつけて、レース終盤には果敢な追い越しを試みた。結果的にこれは実を結ばなかったものの、表彰台目前の4位入賞を果たした。また、11番グリッドからレースに臨んだ中村は、スタートでエンジンを停止させて20番手まで後退。それでもエンジンを再始動させたあとは、1周目の混乱を突いて数台を追い抜き16番手まで挽回した。その後も粘り強く1台、また1台と先行者を攻略し、11位まで順位を戻してレースを終えた。

リザルト

野尻智紀

 予選決勝
Rd.14番手12位
Rd.23番手14位
 ポイントランキング8位(無得点)

平峰一貴

 予選決勝
Rd.13番手3位
Rd.24番手2位
 ポイントランキング2位

元嶋佑弥

 予選決勝
Rd.18番手7位
Rd.26番手4位
 ポイントランキング5位

中村真志

 予選決勝
Rd.115番手11位
Rd.211番手11位
 ポイントランキング8位(無得点)
コメント

野尻智紀 「第1戦ではクラッチを完全に切ってもクルマが前へ動く症状がコースインの段階からあったので、グリッドではブレーキを踏みながら信号の消灯を待たざるを得ませんでした。そのためにペダル操作がうまくいかず、スタートではエンジンがストールしてしまいました。でも、スタートの失敗よりも、レース中のペースがよくなかったことのほうが課題だと思います。第2戦では気をつけていたスタートで、修復されたクラッチのミートポイントを事前に探っていたときにクルマが少し動いてしまいました。レース序盤に2番手を走っていたときはいいペースで走れていたと思いますが、実際にペナルティを科されてしまったことで、少し気が抜けたことは反省しなくてはいけません。ただ、レース序盤の段階で運転の仕方を工夫したことで、いい感触が得られたことは今回の収穫だと思います」

  • 速さはありながら空回りした野尻速さはありながら空回りした野尻

平峰一貴 「FCJ参戦は今季が初めてですが、この第1戦から表彰台に立てたことで自信がつきました。もちろん、レースでは上位2台に食いついていくのはなかなか厳しいものもありましたが、最後までしっかりと走りきれました。第2戦に向けては、2戦連続で表彰台に上ってこい! とHondaの関係者のみなさんから励まされて送り出されたので、すごくやる気になりました。第1戦よりもレース距離は長くなりましたが、体力的にも問題はありませんでしたし、タイヤのマネジメントでも問題ありませんでした。これまで自分をサポートしてくださった関係者の皆さん、メカニックの皆さんに心から感謝しています。でも、まだまだこの順位では満足していませんし、前のクルマに大きく引き離されてしまったことは悔しいですし、次の大会では絶対に優勝して表彰台の真ん中に立ちたいと思います」

  • ルーキーらしからぬ落ち着いたレース運びを見せた平峰ルーキーらしからぬ落ち着いたレース運びを見せた平峰

元嶋佑弥 「第1戦ではスタートで2、3台は抜いてやろうと臨みました。しかしそれは叶わず、それならばレースの早い段階で積極的に仕掛けようと頭を切り替えたのですが、ペースの遅いクルマに手を焼きました。そこで気持ちが先走り、抜くチャンスも何回かあったのにそのチャンスを生かすことができませんでした。レース終盤、ブレーキングでは負けないと感じたので、決して近い距離からではなかったのですが、思いきって90度コーナーで抜きました。この強い気持ちをもっと早く持っていたら、もう少し上の順位だったと思います。第2戦ではレース終盤に3番手の選手を抜くチャンスがあって仕掛けたのですが、うまくいかずにゴールしたときは少し離れた4位に終わってしまいました。でも、あのミスに後悔はありません。それでも、同期の平峰くんは表彰台に上がっていますし、自分の結果はとても悔しく思います」

  • 見事な接近戦を見せた元嶋見事な接近戦を見せた元嶋

中村真志 「F3も走り始めた金曜日の占有走行から、路面状態が大きく変化し始めました。それにうまく対応できず、土曜日の予選は不本意な結果となりました。第1戦の決勝ではそうした路面状況の変化も頭に入れて戦おうと思ったのですが、うまく行きませんでした。FCJ経験者はそうした対応がうまいから速いと思うので、自分も早く彼らに近づけるようにします。第2戦ではスタートでエンジンをストールさせてしまい、いちばん後ろのほうからレースを始めなくてはなりませんでした。でも、こうなったら行けるところまで行こうと気持ちを切り替えました。それに大きく遅れたわけではなかったし、1周目は後方集団が混乱していたので、一気に何台か抜くことができました。今大会は最悪の結果に終わってしまいましたが、第2戦のレース終盤になって少しだけ調子が上向いたと思います」

  • 変転するコンディションに翻弄された中村変転するコンディションに翻弄された中村