6月27日〜28日、富士スピードウェイで開催された全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦、全日本F3選手権第7戦及び第8戦、フォーミュラチャレンジ・ジャパン第7戦及び第8戦で、HFDPから出走した選手たちがそれぞれ健闘、好成績を挙げた。
フォーミュラ・ニッポンシリーズ第4戦は、予選は好天のドライコンディションで行われたものの、決勝は一転、本降りの雨の下、セーフティカー(SC)先導によってスタートした。立ち上る水しぶきで視界が遮られる中、塚越広大は前を行く昨年のシリーズチャンピオン松田次生選手に迫り、1コーナー立ち上がりでかわして4番手に浮上、さらに3番手の選手を追い抜こうとペースを上げた。しかし10周目に自らのミスでオーバーランして順位を6番手にまで落とした。
その後は、水しぶきで視界が遮られたこともあってペースが上がらず、給油ピットインでも順位を入れ替えることができないまま、レース後半を走り抜き、6位でフィニッシュを迎えた。これで、塚越はデビュー戦となった開幕戦以来、4戦連続で入賞を果たしたことになり、総合ポイントランキングで単独4番手につけ、ルーキーランキングでトップを守った。
予選 | 決勝 | |
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Rd.4 | 5番手 | 6位 |
ポイントランキング4位(第4戦終了時点。ルーキーランキング首位) |
全日本F3選手権Nクラスのシリーズ第7戦の決勝は27日土曜日行われた。予選3番手の山本尚貴は好スタートを切って1周目の第1コーナーで2番手へ上がり、ダンロップコーナーでさらに先頭車をとらえて首位に立つと、ファステストラップを立て続けに記録する快走を見せ、後続を引き離した。山本はそのまま逃げきり、鈴鹿サーキットで開催された第6戦に続き、今季2勝目を挙げた。なお、小林崇志も3位入賞を果たした。
第8戦は、雨の下で行われた。山本は3番手でレースを始めたが、トップ争いをする先行2台の隙を突いて先頭に抜け出そうとした際、後方から追突を受けてコースオフ、大きく順位を落としてしまった。しかし山本はそこから着実に追い上げを続け、最終ラップに同僚である小林をかわして3位まで復帰、チェッカーを受けた。小林は4位だった。
予選 | 決勝 | |
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Rd.7 | 3番手 | 優勝 |
Rd.8 | 2番手 | 3位 |
ポイントランキングNクラス2位(16戦中8戦終了時点) |
予選 | 決勝 | |
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Rd.7 | 6番手 | 3位 |
Rd.8 | 3番手 | 4位 |
ポイントランキングNクラス同点4位(16戦中8戦終了時点) |
「このところ、塚越選手や三浦選手の活躍もありHFDPの勢いがいいですから、その勢いを僕が途切れさせたくないなと思いがんばりました。第7戦では、スタート前からチャンスは1〜2周目の前半しかないと考えていたので、そこに集中していました。前回の優勝はレース序盤の戦い方に不満があったのですが、今日はそこを改善できたと思います。第8戦の3位は悔しいです。勝てるレースだったし、考えられないところから追突されてしまった結果ですから。でも、僕の目標は今年のシリーズチャンピオンなので、長い目で見ればここで3位までばん回して表彰台に上がったことは大きな意味があると思っています。しかし本当に悔しくて、このレースだけを思えば喜ぶ気にはなれないんですが、大きな目的のためにはよかったんだ、と自分に言い聞かせています」
「第7戦では、予選が6番手と後ろからのスタートだったのですが、1コーナーでのポジショニングがうまくいかず、さらに順位を最後尾近くまで落としてしまいました。しかも2周目にはコースから押し出されてしまいました。でもそこから3位が取れたのだから、よかったと思います。F3にも大分慣れたし、もう一段階高いレベル、トップ争いに加わらなければいけないと思います」
今回は該当レースはありません。
フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)シリーズ第7戦は土曜日に行われた。予選3番手だった三浦和樹は、スタートで中山雄一選手をかわして、ポールポジションの銘苅翼選手に次ぐ2番手へ浮上した。ここで銘苅選手にジャンプスタートのペナルティが下り、三浦は繰り上がって首位に立つ。一時期は後方の中山選手から追い上げられながらも三浦は落ち着いて自分のペースを守り、レース終盤には中山選手を突き放してトップの座を確実なものとし、そのまま2シーズン目にしてFCJ初優勝を飾った。
シリーズ第8戦は今にも雨が降りそうな曇天の下で行われた。予選2番手からスタートした三浦は、ポールポジションの銘苅選手に続いてレースを始めた。しかし再び銘苅にジャンプスタートの判定が下り、前日とまったく同じ流れで三浦は首位に立った。三浦の背後につけるのは、やはり前日と同じ中山選手である。しかし第8戦の三浦は、中山選手に迫られることもなくじりじりと引き離しにかかり、危なげなくレースを走りきって、2戦連続で優勝を遂げた。前回ツインリンクもてぎで行われた第5戦、第6戦から三浦は4戦連続で表彰台に上がり、ポイントランキングを大きく伸ばして2番手へ浮上した。
予選 | 決勝 | |
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Rd.7 | 3番手 | 優勝 |
Rd.8 | 2番手 | 優勝 |
ポイントランキング2位(14戦中8戦終了時点) |
「前回のもてぎでのレースで、精神的に切り替ることができました。実は、もてぎでのレースの前に、山本尚貴選手のWEBサイトに目を通していたんです。彼は以前、もてぎで2連勝していますから。そうしたら、「(コースを)飛び出してもいいや、という気持ちで走った」という言葉があって、それが心に響いたんです。それまでの僕は、ミスをしてはいけない、壊してはいけないと意識しすぎて、自分で自分の中に限界を作っていた。でも、気持ちを切り替えて走ってみたら、本当の限界はもっと高いところにあったんだ、と気がついた感じです。今回、第7戦のようなレース展開では、今までの僕ならばミラーばかり見ていたところです。でも、気持ちを前に集中させたので優勝できたのだと思っています。第8戦でも優勝できて、目標であるチャンピオンも見えてきました。でも、2戦とも予選では銘苅選手には、コンマ4秒も負けていたのは事実ですので、これは認めざるをえません。2連勝はしたけれど、正直悔しいです。まだ6レースありますから、自分をもっと成長させて、真正面から勝負して勝ちたいと思っています」
コメント
塚越広大
「今日はいいレースができたと思います。SCがコースを離れてレースが始まった直後がチャンスだと考えていたので、Aコーナーの進入で松田(次生)選手のインを刺し4番手に上がりました。すぐ松田選手を追い抜くことができたし、ペースも決して悪くなかった。でも、前の選手と近づけば近づくほど、前がほとんど見えなくなってしまい、それ以上の追い抜きを仕掛けることができませんでした。本当にタフなレースでした。自分のミスでオーバーランをしてしまったり、視界の悪い中での走行でペースを上げることができなかったりという点は反省しなければいけません。でも、きちんと入賞圏内で完走することができた点はよかったし、次の鈴鹿につながるレースだったと思います。次回の鈴鹿は自分のホームサーキットなので優勝を目指し準備したいと思います」