4月4〜5日、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(F・ニッポン)第1戦が富士スピードウェイで開催された。Honda Formula Dream Projectからは塚越広大(HFDP RACING)が出走した。昨年はユーロF3に参戦していた塚越にとって、F・ニッポンのデビュー戦である。経済状況の悪化を受け、今季のF・ニッポンでは合同テスト及びレースウィークでの走行機会が削減された。条件は各チームとも同じだが、今季は新しいシャシー、新しいエンジンによってレースが行われる。塚越にとっては、必ずしも十分な練習を積んで万全の状態へ調整して迎えるシーズン開幕ではない。
結局チームと塚越は、セッティングを進めながら土曜午前中の練習走行と公式予選を行うことになった。塚越はこの状況の中、慎重に走行を重ね、ノックアウト方式の公式予選ではQ2まで進出したが惜しくもQ3へは残れず、参加13台中11番手で予選を終えた。
決勝レースのスタートまで、残された走行セッションは日曜日朝のウォームアップのみ。チームと塚越は、綿密なミーティングを行い、ここで決勝レースを想定したシミュレーションを行った。チーム側のセッティングも急速に進み、塚越の走りもまとまりを見せてくる。その結果、ウォームアップセッションでは3番手のタイムを記録した。
決勝レースは55周。スタートで11番手へ順位を上げてレースを始めた塚越は、その後順位をひとつ下げるもすぐに取り戻し、着実に周回を重ねた。35周でピットイン、タイヤ交換と給油を行って、事前の作戦通りフィニッシュへ向けてペースを上げる。最終ラップ、同じルーキーで昨年までともにユーロF3を戦っていた大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM'S)をかわした塚越は6番手へ進出し、そのままチェッカーを受けた。
予選 | 決勝 | |
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Rd.1 | 11番手 | 6位 |
ポイントランキング6位(第1戦終了時点) |
4月4〜5日、富士スピードウェイで2009年全日本F3選手権シリーズの開幕ラウンドが行われ、今季ナショナル(N)クラスに参戦するHFDP RACINGの7号車を駆る山本尚貴、そして8号車の小林崇志がそれぞれ表彰台を獲得した。
金曜の練習走行では午前にエンジン周りにトラブルが出るなどしたものの、午後には山本がトップタイムをマーク。小林も午前・午後ともに3番手につけた。
ドライコンディションで迎えた土曜午前の公式予選。第1戦、第2戦ともに山本は惜しくもNクラスのポールポジションに届かずクラス2番手。小林は同じく3番手となった。
土曜午後4時にスタートした第1戦決勝では、PPの関口雄飛(EBBRO AIM F307)がピットスタートとなり、山本、小林に期待が掛かったが、スタート直後の混乱で山本が1コーナーでコースオフ。霧雨が強まり徐々に悪化する路面状況の中、代わって小林がデビューレースにしてレースをリードしたが、後方から追い上げてきた関口に屈し、惜しくも初優勝はならず2位でレースを終えた。山本はクラス5位での完走となった。
翌日曜昼に行われた第2戦決勝では、スタート直後からPP関口と2番手でこれを追走する山本の攻防となったが、終盤追い詰めるも一歩とどかず山本は2位に終わった。一方、小林はスタートでエンジンストールに見舞われ、追い上げてばん回したものの5位でチェッカーを受けている。
予選 | 決勝 | |
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Rd.1 | 総合5番手 Nクラス2番手 | 総合5位 Nクラス5位 |
Rd.2 | 総合6番手 Nクラス3番手 | 総合5位 Nクラス2位 |
ポイントランキングNクラス3位(第2戦終了時点) |
予選 | 決勝 | |
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Rd.1 | 総合4番手 Nクラス3番手 | 総合4位 Nクラス2位 |
Rd.2 | 総合4番手 Nクラス4番手 | 総合4位 Nクラス5位 |
ポイントランキングNクラス2位(第2戦終了時点) |
「チームは最高の監督、最高のマシンを用意してくれましたが、予選、第1戦決勝とドライバーとしての仕事がきちんとできませんでした。気持ちを入れ替え第2戦では優勝を狙いました。でも2位に終わってしまいました。今回の結果は、ドライバーである自分の実力不足だと受け止めています。昨年、優勝も経験している次戦の岡山では必ず雪辱を果たそうと思います」
「第1戦では勝てる可能性もありましたが、難しいコンディションの中での経験不足もあって勝つことはできませんでした。第2戦ではスタートでストールし、それでレースが終わってしまいました。その後のペースもよくなく、金曜から終始セクター3でうまく走れなかったこともあり、まだF3を自分のものにできていないと反省しています。岡山はF3では未経験のコースですが、金曜からの走行で多くを吸収して、レースに臨むつもりでいます」
4月11〜13日、オールトンパークで英国F3選手権シリーズ第1戦、第2戦が行われた。中嶋は第1戦でルーキーながら予選3番手につけて決勝を迎えた。決勝ではポールポジションのマックス・チルトン(Carlin Motorsport)がスタートでフライングをしてしまうという波乱の幕開けとなった。中嶋は順位を上げ2番手を走行し、一時はトップを狙う勢いを見せたものの、4周目に2台に追い抜かれて4番手まで順位を下げる。その後は思うようにペースを上げることができずに、ポジションを保ったままチェッカーフラッグを受けた。
約4時間のインターバルを挟んで第2戦の決勝が行われた。1周目に大きなクラッシュが発生したため赤旗中断となり、再度スタートが切られることとなった。ここで中嶋はスタートダッシュに成功。ポジションを2つ上げ、5番手で周回を重ねることになった。その後、ポジションを守りきり5位でレースを終えた。
予選 | 決勝 | |
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Rd.1 | 3番手 | 4位 |
Rd.2 | 7番手 | 5位 |
ポイントランキング4位(第2戦終了時点) |
「今回の予選ではこれまでのレースで一番緊張したように思います。第1戦の予選結果には満足していますが、第2戦の予選については第1戦の予選とのインターバルが非常に長く、集中力を維持するのに苦労してしまいました。2つの予選の間、いかに集中力を保つかが今後の課題になると思います。第1戦については、表彰台を逃してしまったことをとても悔しく思っています。2番手を走行中にコーナーの進入で外側の芝生を踏みコントロールを失いかけたところ、立て続けに2台に抜かれてしまいました。第2戦は、スターティンググリッドを考えるといい結果だったと思っています。次回のレースに向けては、もう少しレースペースを向上させることができるように努力をしていきたいと思います」
4月4〜5日、富士スピードウェイでフォーミュラチャレンジ・ジャパンの第1戦、第2戦が開催された。第2戦決勝で、HFDP SRSスカラシップから出走した三浦和樹が、予選9番手からポジションを上げ、5位入賞を果たした。この結果、三浦は第2戦終了時点でポイントランキング6位につけた。
「テストでは右肩上がりの調子で、そのままレースを迎えたつもりでしたが、予選では失敗して悔しい思いをしました。スリップストリームを使おうとして集団の中で走ってしまい、自分の走りに集中できず、テストで出せたタイムが出せなかったんです。でも第1戦、第2戦とも決勝でポジションを上げることができたので、それはよい点だと思います。今回の反省を生かして、次のレースでは予選から上位につけて、決勝で今回のようにポジションを上げ、表彰台を狙おうと思っています」
コメント
塚越広大
「チームがすばらしい仕事をしてくれて、わずか2日間のうちにセッティングをまとめてくれたことに感謝しています。本当に、走るたびに状況がよくなっていきました。決勝では、今年のマシンで集団の中を走るのが初めてだったこともあり、なかなか安定した走りができませんでした。でも、僕自身、レースを走りながらマシンにも慣れていきましたし、重めに積んでスタートし、後半軽い状態で攻めるという作戦通り、燃料が軽くなってマシンの挙動がよくなった後半は安定して走れるようになりました。自分では今回は納得いく結果で終わることができましたが、今回のレースを通じて本当にたくさんのことを学びました。課題もたくさんあり、特にスタート直後のマシンコントロールをもっと的確にできるようにしなければなりません。次戦の鈴鹿は体力が必要とされるためトレーニングを重ね準備したいと思います」
田中弘監督
「ハードウェアの面で準備不足だったのは事実ですが、大きくセッティングを変えながら、なんとか週末のうちにまとめられたと思います。塚越は決勝のタイムを見ても、セクター2ではずっとトップレベルだったし、後半軽くなってからのセクター3も悪くない。今回、塚越はベストをつくしたんじゃないでしょうか。結構いい走りをしていました。あのポジションからの順位だと考えれば決勝は上出来です。ルーキートップにもなれた今回はよしとしましょう。まだマシンに慣れていないので、理想的なセッティングを詰めきれないのが今後の課題です」