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Hondaの人材育成

マンスリーレポート 第7回
F3ユーロシリーズ SUPER GT 全日本F3選手権 FCJ
FORMULA 3 EURO SERIES F3ユーロシリーズ
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SUPER GT SUPER GT
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JAPAN FORMULA 3 全日本F3選手権
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FORMULA CHALLENGE JAPAN フォーミュラチャレンジ・ジャパン
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今シーズンも若い才能がステップアップを果たし本格的フォーミュラカーレースにデビューする。昨年、鈴鹿サーキットが運営するレーシングスクールであるSRS-Fを卒業し、成績優秀を評価されてスカラシップを獲得した野尻智紀と元嶋亮二である。彼らは今シーズン、フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)に参戦、未来を目指す。いよいよ開幕が目前に迫ってきた新たな戦いを前に、その抱負を聞いた。

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- 右から野尻、中嶋悟SRS-F校長、元嶋 -
Tomoki Nojiri 野尻智紀(のじりともき)
 

生年月日は平成元年9月15日、茨城県出身です。5歳のとき、父親に小さい子向けのカート教室に連れて行かれました。それがレースを始めるきっかけになりました。僕は子供の頃身体が弱かったんです。それで、スイミングをはじめいろいろなスポーツをしたんですが、どれも僕にはしっくりこないままでした。父親は、そんな僕に何か熱中できることをさせようと思ったようです。たぶん、雑誌にカートスクールのことが載っていて、それを見て連れて行こうと決めたようです。父親はカートをやったことはなかったらしいのですが、クルマは好きだったんです。それまでいろいろなことをやってきましたが、カートはすごく楽しく感じたので続いたんですね。

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- 野尻智紀 -
 

その後、ずっとレーシングカートをやって、成績も出るようになって2006年には全日本カート選手権のFAクラスチャンピオンになり、07年はスポンサーの支援を受けてヨーロッパでヨーロッパ選手権に出走させていただきました。実は、僕自身はチャンスをつかもうとはあまり意識していませんでした。特にライバルを押しのけてどんどん上へステップアップしようという気はないままカートをしていたんです。もちろんレースが始まったら当然ライバルのことは意識しましたが、ふだんはあまりそういうことは考えることなく、レースのときはただ一番前を走りたいな、一番前を走らなければ楽しくないなと思っていただけ。そうしていたら結果的にチャンスをいただけたんです。

でも、ヨーロッパに行く頃から四輪レースの手伝いなどもするようになって、僕もそろそろカートだけではなくて四輪でも走ってみたいという気持ちが強まってきました。先輩に相談したら、皆さんSRS-Fを出ていらっしゃるし、お話を聞いても「すごくためになる」ということだったので、僕もSRS-Fに行こうと決めました。

SRS-Fでは、走りのことはもちろんですが、僕が走る場は様々な人が協力してくれて成り立っているんだというようなことを学びました。レースは僕だけの力ではできないんだということがよくわかりました。カートからサスペンションのついたフォーミュラカーに乗ったときの戸惑いは、かなりありました。クルマが動くときの感覚もすごく違いますし、ミッションもありますし、最初は操作するだけでいっぱいいっぱいで、攻める走りなどとてもできませんでした。簡単には慣れませんでした。少しずつ少しずつ慣れて、それとともに徐々に走り方も変わっていった、という感じでしょうか。

1年間SRS-Fで学んで、最後にスカラシップをいただいたときは、もちろん1年間の目標だったので、すごくうれしかったです。最初はそんな自信はなかったのですが、徐々にフォーミュラカーに慣れて、速かった人とのタイム差も縮まってきたので、最後の頃は、これなら獲れるだろう、いや獲らなければいけないだろうという気持ちになっていました。

08年はSRS-F受講と並行してF4でレースに出場させていただいたのですが、苦労しました。正直なところ自分の中では納得できるレースが全然できませんでした。この苦労を今年のFCJでは全部プラスの方向へ生かして戦いたいと思いますし、それができるという自信はあります。

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- F4を戦う野尻 -
 

四輪に乗ったからにはヨーロッパを視野に入れています。カートでヨーロッパを走って思ったのですが、ヨーロッパでは全体的に(レース界が)大きくて華やかですよね。そういう環境を見てしまったので、四輪でもヨーロッパで戦いたいと思うようになりました。もちろん現時点ではとてもヨーロッパで通用する腕ではありませんが、FCJを含め、この先、常に速さを求めて走って技術を身につけていけば、きっとそういうレベルに到達できると思います。

Ryoji Motojima 元嶋亮二(もとじまりょうじ)
 

生年月日は平成2年11月25日、福岡県で生まれました。父親はサラリーマンです。レースに興味を持ったきっかけは、小学生の頃にTVで観たF1のレースでした。バトルなどのシーンを観て「格好いいな!」と思ったのを憶えています。それでキッズカートを始めました。いとこがキッズカートをしていたんです。それを観て、僕も乗りたいと思うようになったんです。

キッズカートはおもしろかったですね。ただ、父親が結構一生懸命になってしまって、怒られたりして途中で厳しくなってやめたくなったこともあったんです。でもそれに負けないように、と思って大人の乗るカートにも乗って、いろいろな大会に出始めたんです。バトルが本当に楽しくて。

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- 元嶋亮二 -
 

カートでかかるお金は、父親が出してくれていました。他の方からの支援も一部あったんですけど、なるべく自分たちの力でやろうと思っていました。父親もレースが好きだったんですね。昔、アマチュアのレースに出ていたと聞きました。だから元々、息子ができたらレースをやらせようと思っていたのかもしれないですね。

SRS-Fを受講したのは、僕が個人的にHondaのクルマが好きだったからです。僕の知り合いの選手は他のメーカーの支援を受けてステップアップしていったので、僕は自分が好きなHondaの力を借りて上のクラスへ上がっていきたいなと思ったんですね。SRS-Fの受講費までは父親が支援してくれました。でもそれ以降は全部自分でスポンサーを探して父親には迷惑をかけずにやっていこうと思っていました。これまで父親、母親にはずいぶん迷惑をかけてきましたからね。

SRS-Fでは、クルマを早く走らせる方法を学べたと思います。特に、アクセルを踏んだら踏んだだけ速く走れるというわけではなくて、がんばって踏みすぎれば逆に遅くなるということもよくわかりました。そういう気持ちの使い分けを学んだと思います。この先、もっといろいろ難しい課題が出てくるとは思うんですけどね。

自分に才能があるのかどうかはわかりません。ただ、タイムが遅かったりしたら、その原因を追求しないと納得いかないタイプではあります。ロガーを見たり講師の方にアドバイスを求めたりして頭で理解して、今度はそれをどれだけ実際の走りで実行できるのか、をSRS-Fでは追求してきました。

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- レーシングカートを戦う元嶋 -
 

スカラシップは意識していました。最初から1番で通るつもりでSRS-Fには行きました。でもやっぱり自分には足りない部分があったようですね。何が足りなかったか? 強さというんでしょうか。あとは安定した速さです。結構僕、波があったりするんです。そういうところをなくして今年のFCJを戦っていこうと思っているところです。4輪のレースとしてはFCJが初めてですが、駆け引きについては自信があります。M4というレーシングカートのレースに出て、そこで駆け引きをずい分学びましたから。僕自身、バトルが大好きなので、そういう感覚をFCJでも生かせたらいいなと思っています。

スカラシップをいただいてFCJにステップアップするからには、いい結果を出して速さと強さを見せつけるようなレースがしたいと思っています。FCJに乗っている人たちに聞くと、結構操るのが難しいクルマらしいですね。でも1日でも早く乗りこなしたい。他人と同じ時間乗っても、少しでも他人より多くのことを収穫するように心がけて乗ろうと思っています。

将来はまずは日本一を目指したい。もし日本一になれたら、そのときは世界一を目指そうかなと。まずは目の前の課題をひとつずつこなしていくことが大事だと思うんです。世界を目指すためには出来るだけ早く世界へ、と言う人もいますけれど、まずこの日本でトップになれなければ世界には通用しないはずですから。そして、小さな子供たちの目標になるような人間になりたいです。

挫折は今までいろいろしてきました。やめたいと思ったこともあります。でも皆さんの協力もあって、ここまで来させてもらいました。ここであきらめるわけにはいかない。今は、絶対に中途半端では終わらせたくない。続けるならば一番上を狙っていかなくてはいけない、と覚悟しています。

 

野尻、元嶋が挑む09年度FCJ開幕戦は4月4日、5日、富士スピードウェイで開催される。

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